シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる反体制派はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市から撤退、シリア軍は400平方キロメートルの地域を1日で制圧(2019年8月20日)

ステップ・ニュース(8月20日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍とロシアの支援を受ける民兵が、19日深夜から20日未明にかけてイドリブ県ハーン・シャイフーン市で反体制武装集団と激しく交戦、早朝までに同市を完全制圧した。

ハーン・シャイフーン市はM5高速道路沿いに位置する反体制武装集団の拠点都市。

シリア軍は19日、同市に進攻、北部と北東部の複数の街区を制圧していた。

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」のイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、シリア軍による砲撃、シリア・ロシア両軍による爆撃を受けて、ハーン・シャイフーン市の放棄を決断、これを受けてシリア軍が同地を完全制圧した。

「必勝」作戦司令室はまた、ハーン・シャイフーン市以南に位置するカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ラハーヤー村、ラトミーン村、マアルカバ村など県北部一帯からも撤退した。

これにより、シリア政府は、緊張緩和地帯第1ゾーン内のハマー県北部の反体制派支配地域全域約400平方キロメートルを掌握した。

シリア政府が1日にこれだけの広大な地域を奪還するのは異例。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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