イドリブ県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民軍国民解放戦線、「穏健な反体制派」と目されてきたイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は声明を出し、県南東部のシリア軍拠点に対する新たな作戦「気力を失うな」作戦を開始したと発表した。
これを受けて、「必勝」作戦司令室は、ラスム・ワルド村、イスティブラート村、スルージュ村に侵攻、ドゥラル・シャーミーヤ(11月30日付)によると、シリア軍との戦闘の末、3カ村を制圧したという。
「必勝」作戦司令室はまた、サルジャ村、イウジャーズ村一帯にも侵攻、シリア軍と交戦した。
さらに、ドゥラル・シャーミーヤによると、トルコの支援を受ける国民軍国民解放戦線が、タッル・ダム村に侵攻しようとしたシリア軍を要撃し、兵士6人を殺害、6人を負傷させ、1人を捕捉した。
シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士18人と反体制武装集団14人が死亡した。
シャーム解放機構に近いイバー・ネット(11月30日付)によると、この戦闘ではロシア軍傭兵も殺害したという。
これに対して、シリア軍ヘリコプターもインジャーズ村、ラスム・ワルド村、ガドファ村、マアッラト・ハルマ村を「樽爆弾」で爆撃した。
シリア軍はまた、マアッラト・ヌウマーン市一帯、カフルナブル市、ヒーシュ村、カフルルーマー村、アブー・ズフール町西方一帯などを地対地ミサイルで攻撃した。
一方、ロシア軍戦闘機もマアッラト・ハルマ村、カフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市一帯を爆撃した。
**
ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北西部のフワイジャ村一帯で反体制武装集団がシリア軍と交戦、兵士4人を殺害した。
**
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市西のラーシディーン地区、ダーヒヤト・アサド地区一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。
**
ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。
**
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザーキヤ町で街道に仕掛けられていた爆弾が爆発した。
AFP, November 30, 2019、ANHA, November 30, 2019、AP, November 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, November 30, 2019、Reuters, November 30, 2019、SANA, November 30, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, November 30, 2019、SOHR, November 30, 2019、UPI, November 30, 2019などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.