2013年12月8日のシリア情勢

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はロイター(12月8日付)に、米国とイランの接近がアサド政権を資金面で強化することへの懸念を表明した。

ジャルバー議長は「私は資金面でこの接近を懸念している。なぜなら、世界中の銀行に凍結されたイランの資金があり、これらの資金が凍結解除されたら…、その一部がシリア政府に渡り、事態が複雑さをますからだ」と述べた。

シリア政府の動き

野党国民青年公正成長党党首のバロウィーン・イブラーヒーンム女史(クルド人)は、民主連合党による西クルディスタン移行期民政局評議会発足に向けた動きに関して「シリアからの分離ではない。なぜなら、民政局はダマスカスの政府に帰属し、治安上の混乱に起因する真空を埋めるためのものだからです。またこのプロジェクトはハサカ県を構成するアラブ人、クルド人、シリア正教徒、アッシリア教徒によって同意されています。マスウード・バールザーニー氏にはこの計画を批判する権限などないのです」と述べた。

リハーブ・ニュース(12月8日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がナバク市で、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦、同市内の複数地区を新たに制圧した。

また、シリア人権監視団は、シリア軍がナバク市で子供2人を含む市民5人を射殺したと発表した。

一方、SANA革命通信(12月8日付)は、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町一帯で、シャーム自由人運動、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がヒズブッラー戦闘員とアブー・ファドル・アッバース旅団の戦闘員50人を殺害した、と発表した。

これに関して、AFP(12月8日付)は、レバノン治安筋の話として、ヒズブッラーの士官のアリー・バッスィー氏が死亡したと報じた。ただし同消息筋は、戦死した場所の詳細を明らかにしなかった。

他方、SANA(12月8日付)によると、リーマー農場、ナバク市および同市周辺、ザバダーニー市、ドゥーマー市、アーリヤ農場、ハラスター市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマナール・チャンネル(12月8日付)は、爆弾が仕掛けられた4台をシリア軍がナバク市で押収したと報じた。同報道によると、この4台はレバノンに向かおうとしていたという。

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アレッポ県では、『ハヤート』(12月9日付)によると、反体制武装集団が軍との戦闘の末、ナキーリーン村を制圧した。

またキンディー大学病院周辺、カフルハムラ村、クワイリス航空基地周辺、フライターン市、アッラーン村、ワディーヒー村、バーブ市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、軍が反体制武装集団と交戦、同地を砲撃、多数の市民が死亡した。

一方、SANA(12月8日付)によると、キンディー大学病院周辺、マアーッラト・アルティーク村、ハンダラート・キャンプ、アンダーン市、アターリブ市・アレッポ市街道、アレッポ中央刑務所周辺、ワディーヒー村、カースティールー街道、ハーン・アサル村、アルバイド村、クワイリス村、カフルハムラ村、ナッカーリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団の戦闘ら員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、シリア人権監視団は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアレッポ県内で米民間軍事企業ブラック・ウォーター社と関係があるメディア活動家を、裁判の末に処刑したと発表した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(12月8日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月8日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ村、ラスタン市郊外、ガースィビーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(12月8日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サラーキブ市、カフルハーヤー市、イドリブ市西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(12月8日付)によると、サバーフ・ハイル地域の穀物サイロを反体制武装集団が襲撃しようとしたが、軍が撃退した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(12月8日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ラッカ市内にある「ラッカ国境なき記者団」の拠点を襲撃し、カメラや機材などを強奪した。

その後、シャームの民のヌスラ戦線がこの拠点から、ダーイシュ戦闘員を放逐し、同拠点を奪還したという。

レバノンの動き

NNA(12月8日付)によると、レバノン軍はシリア領からベカーア県アルサール村に潜入しようとしたシリア人7人を逮捕、武器・爆弾、弾薬などを押収した。

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マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は、聖タクラー教会修道女の拉致・連行問題に関して「国連特使に修道女を修道院に戻すために介入するよう求めている」と述べた。

諸外国の動き

シリア人権監視団は、アルジェリア政府がシリア人避難民197人をレバノンに強制送還するとの決定を下したと発表、非難した。

これらのシリア人がアルジェリア入国・滞在に必要な4,000ユーロの支払いに応じず、また滞在許可証ないしはアルジェリア人からの召喚状を所持していなかったのが理由だという。

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『ハヤート』(12月9日付)によると、イラクの治安部隊は未明にシリア領からアンバール県に不法に潜入しようとした武装集団を撃退した。

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イラク・クルディスタン地域のファトワー最高委員会は声明を出し、シリアでの戦闘参加に関して「イスラームのウンマに資さない」として禁止するファトワーを発表した。

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化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長はシリアの化学物質の国外への搬出作業の開始が「技術的な問題」により数日遅れる見通しだと述べた。

AFP(12月7日付)が報じた。

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米国の調査報道記者のシーモア・ハーシュ(Seymour M. Hersh)氏は「誰のサリン?」(http://www.lrb.co.uk/2013/12/08/seymour-m-hersh/whose-sarin)と題した記事をロンドン・レビュー・オブ・ブックス(12月8日付)で発表、そのなかでバラク・オバマ政権が、シャームの民のヌスラ戦線がサリンガスを製造する能力を持っていたとの情報を得ていたにもかかわらず、これを無視し、8月21日の化学兵器使用をアサド政権によるものと断じていたと暴露した。

ハーシュ氏は、米諜報機関や軍の高官からのインタビューをもとに書かれたこの記事のなかで、「諜報機関のある高官は同僚にメールで、オバマ政権がアサド政権による化学兵器使用を断定したことを「策略」と評し「攻撃はアサド政権によるものでない」と書いていた」ことを明らかにした。

また別の高官も、オバマ政権が情報を改ざんし、大統領やその顧問らがそれ以前に収集されていた諜報を後日操作し、あたかもリアルタイムで収集・分析されていたかのように見せていた、と証言し、怒りを露わにしていたことも明らかにした。

AFP, December 8, 2013、al-Hayat, December 9, 2013、Kull-na Shuraka’, December 8, 2013, December 9, 2013、London Review of Books, December 8, 2013、al-Manar, December 8, 2013、Naharnet, December 8, 2013、NNA, December 8, 2013、Reuters, December 8, 2013、Rihab News, December 8, 2013、SANA, December 8, 2013、UPI, December 8, 2013などをもとに作成。

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