シリア軍はイドリブ県ジャルジャナーズ町を含む複数カ所を新たに制圧、M5高速道路から4キロの距離にまで迫る(2019年12月23日)

イドリブ県では、SANA(12月23日付)によると、シリア軍地上部隊がハマー市(ハマー県)とマアッラト・ヌウマーン市を結ぶM5高速道路東部での反体制武装集団(シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室)との激しい戦闘の末、県南東部の戦略的要衝の一つジャルジャナーズ町を制圧した。

シリア軍はまた、ヒルバト・サルワーニー村、ヒルバト・マアッラーター村、ハディーサ村、ファアルール村、アブー・ダフナ村も合わせて制圧した。

これにより、シリア軍はハマー市とアレッポ市を結ぶM5高速道路から4キロの地点に到達した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、バルカ村を制圧し、ムアスラーン村に向けて北進を続けた。

シリア軍はさらに、ジャルジャナーズ町制圧後、タッル・マンス村内に突入し、反体制武装集団と激しく交戦したほか、マアッルシューリーン村、マアッル・シャマーリーン村、マアッルシャムシャ村、ガドファ村、ムアスラーン村を激しく砲撃した。

一方、反体制武装集団もシリア軍によって制圧されていたカフル・バースィーン村、バーブーリーン村を奪還したという。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月23日付)によると、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる反体制武装集団がカッバーナ村一帯、ハッダーダ村一帯でシリア軍およびヒズブッラーと交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市でイドリブ県の住民との連帯、同地での戦闘停止を求める抗議デモが発生した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を57件(イドリブ県17件、ラタキア県15件、アレッポ県15件、ハマー県10件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を55件(イドリブ県36件、ラタキア県17件、アレッポ県15件、ハマー県10件)確認した。

AFP, December 23, 2019、ANHA, December 23, 2019、AP, December 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 23, 2019、Reuters, December 23, 2019、SANA, December 23, 2019、SOHR, December 23, 2019、UPI, December 23, 2019などをもとに作成。

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