シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの支援を受ける国民解放戦線がハマー県、イドリブ県でシリア軍への反撃を激化、兵士8人を殺害(2019年12月31日)

ハマー県では、SANA(12月31日付)が軍情報筋の話として伝えたところによると、マイダーン・ガザル村およびイドリブ県マアッルハッタート村一帯で活動を続けるシャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などの反体制武装集団が県北部のシリア政府支配地域を激しく砲撃し、ジューリーン村で士官1人が死亡、兵士複数人が負傷した(シリア人権監視団によると、士官1人が死亡、兵士4人が負傷)。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団はまた、県北西部のアスィーラ村、ジュッブ・ラムラ町を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、シリア政府支配下のハーン・シャイフーン市を砲撃し、アブー・ダフナ村、ジャルジャナーズ町一帯でシリア軍と交戦した。

この戦闘でシリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

これに対して、ロシア軍戦闘機がマアッル・シャマーリーン村を爆撃、シリア軍地上部隊もタッル・マンス村、ハーン・スブル村、カフルナブル市、ハザーリーン、マアッラト・ヌウマーン市、カンスフラ村、ダイル・シャルキー村、サラーキブ市などを砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市ザフラー地区を砲撃した。

これに対して、シリア軍はアレッポ市西の反体制武装集団拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月31日付)によると、ブスル・ハリール市の入り口に設置されているシリア軍検問所が何者かの襲撃を受け、シリア軍兵士1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県10件、ラタキア県8件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(イドリブ県7件、ラタキア県3件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認した。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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