シリア各地で新型コロナウイルス対策に伴う外出・移動制限、物不足に対処するため、住民らが生活必需品の確保や医療チームへの支援(2020年4月6日)

SANA(4月6日付)は、新型コロナウイルス対策に伴う外出・移動制限、物不足に対処するため、シリア各地で住民らが率先して生活必需品の確保や医療チームへの支援を行っていると伝えた。

ダマスカス郊外県では、ハルジャラ村議会が、さまざまな団体と連携して、生活必需品を確保し、住民の支援に奔走している。

ハルジャラ村議会のアブドゥッラフマーン・ハティーブ議長は、SANAの取材に対して、農民総同盟を通じてタルトゥース県やラタキア県の農業経営者に連絡をとり、野菜の購入と住民への安価での提供を行っていることを明らかにした。

またサイイダ・ザイナブ町近郊のゴラン高原難民キャンプでは、「白血球チーム」(白血病患者を支援する慈善団体)がUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のクリニックや住民と連携して、高齢者の自宅への医薬品の配達を行っている。

ダマスカス県では、慈善団体の「ウムルハー」が食糧パック1,000個を新型コロナウイルス対策で困窮する世帯に配給するキャンペーンを行っている。

また県内の新ザーヒラ地区では、若者が中心となって「消毒しよう」と銘打ったキャンペーンを行い、地区内の清掃、商店やビルの消毒を行っている。

アレッポ県ではアレッポ工業会議に所属する女性実業家たちが、アレッポ市議会の清掃業者に掃除用具や消毒用品を提供している。

ヒムス県、ラタキア県、ダルアー県では、技師、医師、住民らがマスクや消毒用品などの製造を支援するキャンペーンを立ち上げた。

クナイトラ県では、ブスターン慈善境界がジャッバー村で、ヌール救済開発協会がジュバーター・ハシャブ村、ハーン・アルナバ市、バアス市でそれぞれ消毒作業を行った。

ハマー県では、「手から手へ」をスローガンに、ボランティア・チームが公共機関を訪問し、職員にマスクや消毒用品を配っている。

ハサカ県では、シリア・ヤマーマ(鳩)慈善協会が、ハサカ市の中心街で消毒用品の入ったバッグ3,000個を配給した。

AFP, April 6, 2020、ANHA, April 6, 2020、AP, April 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 6, 2020、Reuters, April 6, 2020、SANA, April 6, 2020、SOHR, April 6, 2020、UPI, April 6, 2020などをもとに作成。

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