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反体制勢力の動き
民主的変革諸勢力国民調整委員会は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長宛に書簡を送り、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の解任を求める一部在外反体制組織の提案を拒否するとの意思を伝えた。
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Elaph(11月1日付)は、3日に予定されているアラブ連盟緊急外相会合に宛てて、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が書簡を送り、連立への支持を求めた、と報じた。
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タウヒード旅団は声明を出し、ジュネーブ2会議に関して「シリア国民の革命を反故にする試みのなかで生じている新たな陰謀」と非難した。
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カドリー・ジャミール前経済問題担当副首相は、ロイター通信(11月1日付)に対して、議会で野党として発言するため帰国する、と述べ、政権を離反したとの一部報道を否定した。
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民主統一党人民防衛隊のリードゥール・ハリール報道官は、ハサカ県ラアス・アイン市で反体制武装集団が化学兵器を使用したとの報道に関して、リハーブ・ニュース(11月1日付)に「ラアス・アイン市でクルド人に対して何者かが化学兵器を使用したとの報道には…根拠がない」と否定した。
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『ザマーン・ワスル』(11月1日付)は、ダルアー県で活動する武装集団が「ファイサル・カースィム大隊」を結成・統合したと報じた。
ファイサル・カースィムは、ジャズィーラ・チャンネルの討論番組「イッティジャーフ・ムアーキス」の名物司会者。
ファイサル・カースィム大隊に参加したのは、殉教者アスィーム・アブー・ユースフ中隊、殉教者アナス・イスマーイール・マハーウィシュ中隊、殉教者ムハンマド・フスニー・マンダウィーヤ中隊(殉教者アフマド・マンスール・ハリーリー師団所属)。
同大隊は、「シャッビーハとヒズブッラー」に対抗することをめざしているという。
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クッルナー・シュラカー(11月1日付)は、イード・アル=アドハー初日にダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区での戦闘で、「シャームの地の解放者」の指導者でリヤード・ヒジャーブ前首相の甥であるムハンマド・アブドゥルファッターフ・シャーティー氏が死亡していたと報じ、その写真を公開した。
シリア政府の動き
軍武装部隊総司令部報道官は、シリア・アラブ・テレビ(11月1日付)などを通じて声明を発表し、アレッポ県サフィーラ市に対して11月1日早朝に特殊作戦を行い、同市を制圧したと発表した。
SANA(11月1日付)が報じた。
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マフムード・ズウビー情報大臣は、ベイルートで、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が、サウジアラビアやトルコのジュネーブ2会議への参加を呼びかけたことに関して、「一貫した言説がない…。シリアと、外国で別の論理で話している」と批判した。
国内の暴力
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がヒズブッラーの戦闘員の支援のもと、スバイナ町の複数地区を制圧、また同市やハジャル・アスワド市に激しい砲撃を加えた。
一方、SANA(11月1日付)によると、ザマルカー町周辺、シャイフーニーヤ村、フハーリーヤ市郊外、カースィミーヤ回廊、ヤブルード市郊外、ガザーラ市、スバイナ・スグラー市、スバイナ・クブラー市、ウターヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またザバダーニー市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民4人が死亡した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区に対して、軍が砲撃を行う一方、ヤルムーク区で反体制武装集団と交戦した。
一方、SANA(11月1日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(11月1日付)によると、ヒムス市クスール地区、ワアル地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、マシュラファ村、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村、キースィーン村、アイン・フサイン村、カルヤタイン市北部、ウンク・ハワー村、アブー・ダバービール村、ザーラ村、フーシュ・サッルーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(11月1日付)によると、クマイナース村、マストゥーマ村、トゥウーム村、タフタナーズ市、ブナイン村、サラーキブ市、アブー・ズフール軍事基地周辺、アルバイーン山周辺、シャンナーン村、カフルラーター市、マアッルザーフ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、SANA(11月1日付)によると、ハサカ市サッド・ガルビー地区で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷した。
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アレッポ県では、SANA(11月1日付)によると、アレッポ市ファイイド地区、イスマーイーリーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民6人が死亡、14人が負傷した。
レバノンの動き
アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、ダマスカスからレバノンへと移動し、ミシェル・スライマーン大統領、ナビーフ・ビッリー国民議会議長、ナジーブ・ミーカーティー暫定首相と会談、シリア情勢への対応について協議した。
ブラーヒーミー共同特別代表は会談後、ジュネーブ2会議への参加に3人とも前向きな姿勢を示したことを明らかにする一方、サウジアラビア、トルコも参加すべきだとの見解を改めて示した。
諸外国の動き
ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、ジュネーブ2会議に関して、「退陣しろ、そうしたら我々はすべてを合意する」と言うだけではだめだ…。みなが譲歩をせねばならず、そのなかには当然、反体制運動の指導者もシリア政府も含まれる」と述べた。
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RIAノーヴォスチ通信(11月1日付)によると、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は「シリアにある化学物質のほとんどが(シリア軍の保有するものでなく)、外国から持ち込まれたとの考えを多くの人々が支持するようになっている」と述べ、反体制武装集団による化学兵器の使用と、支援国による武器供与を改めて示唆した。
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イスラエルのギラド・エルダン国内防衛大臣は、ロイター通信(11月1日付)に対して、「ヒズブッラーへの高性能兵器の供与を認めないと我々は何度も言ってきた…。我々はこの政策を遵守する。しかし(イスラエル軍によるシリアの防空基地への攻撃を)否定も、肯定もしない」述べた。
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イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はトルコを訪問し、イスタンブールでアフメト・ダウトオール外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。
会談後の記者会見で、ダウトオール外務大臣は、「(シリアの)紛争を宗派主義的にしようとするシナリオにともに対抗することを確認できた」と述べた。
またザリーフ外務大臣も「宗派紛争は最大の脅威であり、一地域の問題ではない」と述べ、「中東で宗派主義の火がつけば、その結果は、ロンドン、ニューヨーク、ローマ、マドリードに及ぶだろう」と警鐘を鳴らした。
ザリーフ外務大臣は、またアブドゥッラ・ギュル大統領ともイスタンブールで会談した。
AFP, November 1, 2013、Elaph.com, November 1, 2013、al-Hayat, November 2, 2013, November 3, 2013、Kull-na Shuraka’, November 1, 2013、Naharnet,
November 1, 2013、Reuters, November 1, 2013、Rihab News, November 1, 2013、SANA,
November 1, 2013、UPI, November 1, 2013、Zaman al-Wasl, November 1, 2013などをもとに作成。
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