軍・治安部隊が4日にわたる攻撃の末にサラーキブ市を制圧、またイスタンブールではシリア国民評議会と異なる反体制連合組織「シリア民主フォーラム」が発足(2012年3月28日)

al-Hayat, March 29, 2012

al-Hayat, March 29, 2012

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国内の暴力

イドリブ県では、地元調整委員会によると、軍・治安部隊はサラーキブ市を4日にわたる攻撃の末に制圧した。

この攻撃で少なくとも50人が死亡したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスル・ハリール市一帯で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市に軍・治安部隊が突入し、離反兵と交戦、兵士3人が死亡、離反兵4人が負傷した。

また同監視団によると、ヒムス市内で大きな爆発があった。

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ハマー県では、カルアト・マディーク町、カルナーズ町での軍・治安部隊と離反兵の戦闘で、民間人4人、離反兵5人、兵士4人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(3月28日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団がハリーフ・アブドゥッラー准将が乗った車を襲撃し、同准将を暗殺した。

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ダマスカス県では、SANA(3月28日付)によると、ジャウバル区で武装テロ集団がターリク・マフムード・フーシー大佐を襲撃、暗殺した。

アサド政権の動き

SANA, March 28, 2012

SANA, March 28, 2012

『ハヤート』(3月29日付)は、アサド政権内で反体制運動の弾圧に当たる部局の事務局長を務めていたという青年とのインタビューに成功、同政権内の弾圧の指揮系統を明らかにした。

アブドゥルマジード・バラカートを名のるこの青年は、2011年4月に「シリアの危機を管理するための中枢細胞」の事務局長に任命され弾圧にあたっていたが、数週間前に、秘密文書を持ち出して、イスタンブールに逃走した、という。

バラカート氏によると、この「中枢細胞」は、ムハンマド・サイード・バヒーターン・バアス党シリア地域指導部副書記長、ハサン・トゥルクマーニー副大統領補、アースィフ・シャウカト副参謀長、ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン政治治安部長、アリー・マムルーク総合情報部長、ヒシャーム・ビフティヤール・バアス党シリア地域指導部民族治安局長、ジャミール・ハサン空軍情報部長、アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ軍事情報局長から構成され、治安部隊の配置などを策定し、アサド大統領が最終的な決定を下しているという。

また同氏によると、マーヒル・アサド大佐はこの部局の「間接的な監督のもと」弾圧にあたってきたという。

この「中枢細胞」はバアス党シリア地域指導部本部内の書記長(アサド大統領)執務室、事務局、そして情報文書局に三つの事務所を持ち、バラカート氏は情報文書局に事務局長として勤務していた、という。

秘密文書の持ち出しは、「ある士官の助け」によって実現し、同士官は「体制内にとどまり、多くの人々を支援している」という。

これらの文書はトルコの治安当局に引き渡したという。

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ナハールネット(3月28日付)によると、レバノンのアラブ・レバノン闘争運動のファイサル・ダーウード書記長がアサド大統領とダマスカスで会談した。

会談でアサド大統領は、レバノンの「統合に深い関心」を示した、という。

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SANA(3月28日付)によると、シリア外務省は声明を出し、シリアの代表が出席しないアラブ連盟首脳会議で採択されるいかなる決定にも応じないとの意思を示した。

反体制勢力の動き

イスタンブールでの大会に出席していた国内の反体制勢力の有力指導者らが声明を出し、シリア国民評議会とは別に、シリア民主フォーラムの発足を宣言した。

シリア民主フォーラム発足を主導したのは、ミシェル・キールー氏、アーリフ・ダリーラ氏、ファーイズ・サーラ氏で、発足声明では、反体制勢力の分裂を認めたうえで、対立し合う路線、見解の糾合をめざす役割を主導するとし、参加者を募っている。

発足メンバーは上記3人に加えて、ハーズィム・ナハール氏、ハルフ・アリー・ハルフ氏、ナースィル・ガザーリー氏、サミール・イータ氏、アフマド・マハーミード氏、アフマド・ミスリー氏、ラシャー・カッス・ユースフ氏、マイサー・サーリフ氏、ムウタスィム・スユーフィー氏、マフムード・カンヌ氏の合わせて13人。

自由シリア軍は反体制勢力のウェブサイトなどに声明を発表し、衛星テレビ局を開設することを明らかにした。

レバノンの動き

SANA(3月28日付)によると、レバノン軍はベカーア県バアルベック郡カーア地方でシリア人らが乗ったピックアップトラックとワゴン車に積まれていた大量の武器弾薬を押収した。

諸外国の動き

ロシア外務省は、シリアの反体制勢力に対して、アサド政権に従うかたちで、アナン特使の和平案を受諾すべきだとの意思を示した。

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フランス外務省のベルナール・バレロ報道官は、イスタンブールでの反体制勢力の大会に関して、「明日のシリアに関する統一的ビジョンの構築に向けた反体制勢力の努力」を歓迎した。

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ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、アナン特使の停戦案受諾後もアサド政権が各地で反体制勢力の掃討作戦を継続していることに関して、「アサドは(停戦案の)実施に必要な措置を講じていない」と非難した。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領がシリアのファイサル・ミクダード外務次官とテヘランで会談した。

SANA(3月28日付)によると、アフマディーネジャード大統領は会談で、「シリア高官が事態に適切に対処していることをうれしく思う…。日に日にシリア情勢が改善することを希望している」と述べた。

また「米国は自由、民主主義を擁護するとして、シリア、レバノン、イランなどに覇権を伸長しようとしている」と批判した。

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コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使は、アナン特使の停戦案受諾後もアサド政権が各地で反体制勢力の掃討作戦を継続していることに関して、深い懸念を表明し、暴力停止が先決だとの見解を示した。

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ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官はBBC(3月28日付)に対して、反体制勢力の弾圧にアサド政権が関与していると述べた。

ピレイ弁務官は、「四つの軍・治安機関が彼(アサド大統領)に直接報告をあげている」と述べる一方、「武装テロ集団がいると(シリア)政府は言うが、重火器を使用する口実にはならない」と非難した。

また「子供たちが銃弾に曝されて、大人達とともに非人道的な状態に置かれている」と付言し、ラディカ・クマーラスワーミー国連総務の27日の発言を打ち消そうとした。

AFP, March 28, 2012、Akhbar al-Sharq, March 28, 2012、al-Hayat, March 29, 2012、Kull-na Shuraka’, March 28, 2012、Naharnet.com, March 28,
2012、Reuters, March 28, 2012、SANA, March 28, 2012などをもとに作成。

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