2013年11月20日のシリア情勢

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月21日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会のラジャー・ナースィル書記が、ダマスカス県内で拘束・逮捕された、と報じた。

Rihab News, November 20, 2013

Rihab News, November 20, 2013

ナースィル書記は、逮捕の2時間前、ロシアを訪問し、ミハエル・ボクダノフ外務副大臣と会談すると発表していた。

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クッルナー・シュラカー(11月20日付)によると、バッラー旅団とアブー・ムーサー・アシュアリー旅団が共同声明を出し、東グータ革命軍事評議会からの脱会を発表した。

両旅団司令官が評議会内で阻害され、支援を受けられないことが理由だという。

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AFP(11月20日付)は、ヨルダン治安筋の話として、ヨルダン人サラフィー主義戦闘員(アフマド・ファーフーリー氏)が、シリアに不法入国し、戦闘に参加、死亡したと報じた。

また別のサラフィー主義戦闘員(ビラール・ファイサル氏)も負傷し、イルビド県の病院に搬送されたという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がカタールを訪問し、アブドゥッラー・ナースィル・ブン・ハリーファ首相と会談し、シリア情勢について協議した。

ジャルバー議長はまた、世界イスラーム教徒ウラマー連合のユースフ・カラダーウィー会長とも会談した。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(11月20日付)は、複数の消息筋の話として、ダマスカス国際空港周辺の農地をイラク人戦闘員が1ヶ月ほど前から不法に占拠し、住民(所有者)の立ち入りを禁止している、と報じた。

イラク人戦闘員はアブー・ファドル・アッバース旅団ではなく、「フサイン・ムジュタバー旅団」を名乗り、同地域を浄化するためにやって来たと主張している、という。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナバク市の軍事情報局ビルとジャッラーブ検問所に対して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線が爆弾を爆発させ、軍兵士23人が死亡した。

またダイル・アティーヤ市とナバク市を結ぶ街道では、カーラ市のバースィル病院に負傷兵を搬送していた軍が、ダーイシュとヌスラ戦線の襲撃を受けたが、軍の反撃によりダーイシュ、ヌスラ戦線の戦闘員8人が死亡した。

このほか、ビビーラー市周辺などで、軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員、アブー・ファドル・アッバース旅団が反体制武装集団と交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月20日付)によると、武装集団がダマスカス郊外県東グータ地方にある「自由シリア軍」(シリア・コマンド大隊)の武器庫から武器弾薬を盗もうとして、逮捕された。

他方、SANA(11月20日付)によると、カーラ市周辺、ダイル・アティーヤ市、バハーリーヤ市郊外、ダブラ市郊外、ナシャービーヤ町郊外、アッブ農場、ハラスター市、ザマルカー回廊、ビビーラー市、ヤルダー市、バイト・スィヒム市、ダーライヤー市、ナバク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区に対して、軍が砲撃を加えたほか、タダームン区で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月20日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マヤーズィン市に対して軍が激しい砲撃を加えたほか、アトマーン村、ナイーマ村で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(11月20日付)によると、軍がヒルバト・ガディール・ブスターン村で反体制武装集団の掃討を完了、同村を完全制圧した。

また軍は、ダルアー市各所、アトマーン村、ウンム・マヤーズィン町、インヒル市で、反体制武装集団の追撃を続け、ヤルムーク旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(11月20日付)によると、第17師団基地周辺で、軍と反体制武装集団(自由シリア軍)が交戦、武装集団が基地内の施設の一部を制圧した。

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ヒムス県では、SANA(11月20日付)によると、レバノン領からの占領を試みる武装集団を国境警備隊が撃破する一方、ザーラ村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤ村、アーミリーヤ村、タルビーサ市、ヒムス市ワアル地区、バーブ・フード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(11月20日付)によると、キンディー大学病院周辺、アレッポ中央刑務所周辺、マディーナ・スィナーイーヤ、フライターン市、マーイル町、バービース村、ハイヤーン町、マンスーラ村、アルバイド村、クワイリス村、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、カースティールー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(11月20日付)によると、マアッラシャムサ村、タッルミンス村、マアッラシューリーン村、ハッルーズ村、アルバイーン山周辺、バザーブール村、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(11月20日付)によると、サルマー町、ラウダ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(11月20日付)によると、ティシュリーン油断、ハサカ県ガザル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(11月20日付)によると、北部県アッカール郡のアッブーディーヤ村、ヌーラ村、ワーディー・フール村郊外に、シリア領から発射された迫撃砲弾複数発が着弾し、またシリア領から発砲があった。

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ナジーブ・ミーカーティー暫定首相は、レバノンを訪問したホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣は記者団に対して、シリアの危機の政治的解決をめざしていると強調した。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はイスタンブールでの記者会見で「シリア政府は最近、砲撃を激化させ人的虐殺を続け、飢餓に苦しむ国民を包囲し、放置している」と非難したうえで、「ジュネーブ2会議は結果をもたらさねばならない。開催期限の延期が利用されるのを許してはならない。我々トルコは、すべての外交イニシアチブを支持するが、5月から行われている折衝は希望を募らせたが、よい結果をもたらさず、失望感のなかで終わろうとしている」と述べた。

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トルコのジハン通信(11月20日付)によると、イスメト・ユルマズ国防大臣が、シリア・トルコ国境地帯に613~715基の地雷が埋設されていると述べた。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、クウェートで開催されたアラブ・アフリカ首脳会議で、アブドゥッラー国王の声明を代読し、国連安保理に対して、シリアの危機を解決するための決議を採択するよう求めた。

声明は、アラブ諸国とアフリカ諸国がテロ撲滅に向けて協力・調整を推進すべきだとの言葉をもって締めくくられた。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、シリアの化学兵器廃棄に関して、ドイツが解体・廃棄作業を受け入れることはないと述べた。

『ハヤート』(11月20日付)などが報じた。

AFP, November 20, 2013、al-Hayat, November 21, 2013、Kull-na Shuraka’, November 20, 2013、Naharnet, November
20, 2013、NNA, November 20, 2013、Reuters, November 20, 2013、Rihab News,
November 20, 2013、SANA, November 20, 2013、UPI, November 20, 2013などをもとに作成。

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