スプートニク通信(アラビア語版、3月28日付)は、シリアのイドリブ県で活動する新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構、アンサール・タウヒード、そして同地の軍事・治安権限を握るシャーム解放機構の外国人戦闘員が3月26日にウクライナに向かったと伝えた。
スプートニク通信の複数の独自筋によると、ウクライナに向かった戦闘員は87人。
イラク人、チェチェン人、チュニジア人、フランス人がほとんどで、2回に分けて現地に向かった。
87人はいずれもダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーで、高い戦闘能力とゲリラ戦での経験を有しているという。
戦闘員の移送は、シャーム解放機構が担当。
3月24日と25日にサルマダー市に移動したのち、トルコに入国、その後26日にウクライナに向かった。
同独自筋によると、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者が先週、イドリブ市内の某モスクで、各組織の指導者らと複数回にわたって会合を開き、ウクライナでのロシア軍に対する「ジハード」を奨励するとともに、戦闘員がウクライナから帰国するまで、その家族の生活を完全に保障することを個人的に約束した。
ジャウラーニー指導者は会合で、イドリブ県で活動する武装集団の外国人戦闘員のウクライナ行きを強調したが、シリア人戦闘員の派遣については反対の姿勢を示したという。
ジャウラーニー指導者は会談した各組織の指導者らに対して、イドリブ県での「内乱」の原因となっている外国人戦闘員をウクライナに派遣するよう求めたという。
AFP, March 28, 2022、ANHA, March 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2022、Reuters, March 28, 2022、SANA, March 28, 2022、SOHR, March 28, 2022、Sputnik (Arabic), March 28, 2022などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.