米主導の有志連合は1月1~2日にかけてラッカ市近郊一帯のほか、シャーム・ファトフ戦線などからなるファトフ軍支配下のイドリブ県への爆撃を実施(2017年1月3日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月1~2日の2日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

1月1日はシリア、イラク領内のダーイシュ(ダーイシュ)拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は17回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(12回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、イドリブ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

なおイドリブ市近郊での2回の空爆はダーイシュ(イスラーム国)の戦術ユニット(車輌)を標的としていたというが、同地はダーイシュではなく、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍支配地域。

また、同地では1月2日未明、無人戦闘機がシャーム・ファトフ戦線の司令官らが乗った車2台を相次いで空爆し、同戦線司令官ら9人が死亡している。

1月2日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(4回)、ラッカ市近郊(5回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, January 3, 2017、AP, January 3, 2017、ARA News, January 3, 2017、Champress, January 3, 2017、al-Hayat, January 4, 2017、Iraqi News, January 3, 2017、Kull-na Shuraka’, January 3, 2017、al-Mada Press, January 3, 2017、Naharnet, January 3, 2017、NNA, January 3, 2017、Reuters, January 3, 2017、SANA, January 3, 2017、UPI, January 3, 2017などをもとに作成。

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ロシア・トルコ仲介によるシリア政府との停戦に合意していたイスラーム軍、シャーム軍団、シャーム戦線、イドリブ自由軍を含む12組織は共同声明を出し、シャーム・ファトフ戦線を含む反体制武装集団へのシリア軍の攻撃継続を停戦違反と断じ、アスタナ会議に向けた協議を中断すると発表(2017年1月2日)

ロシア・トルコ仲介によるシリア政府との停戦に合意していたイスラーム軍、シャーム軍団、シャーム戦線、イドリブ自由軍を含む反体制武装集団12組織は共同声明を出し、シリア政府とその同盟者が「バラダー渓谷、東グータ地方、ハマー県郊外、ダルアー市などで、発砲を続け、(停戦)違反を何度も大きく違反してきた」と非難、「事態の悪化とこうした違反継続を踏まえ、諸派は、停戦が完全に実行されるまで、停戦合意に基づいて予定されていたアスタナでの交渉に関する一切の対話・交渉も中止する」と発表した。

共同声明を発表したのは、イスラーム軍、イッザ軍、スルターン・ムラード師団、ラフマーン軍団、シャームの鷹、イドリブ自由軍、「命じられるまま正しく進め」連合、シャーム軍団、台1沿岸師団、ナスル軍、シャーム戦線、シャームの民戦線。

なお、声明では、12月29日に交わされた停戦合意は「ダーイシュ(イスラーム国)の支配地域を停戦対象から除外するのみ」と主張し、シャーム・ファトフ戦線に対する攻撃は停戦違反にあたるとの立場をとっている。

しかし、ロシア・トルコが仲介し、国連安保理決議第2336号で確認された停戦合意では、ロシアはダーイシュ、シャーム・ファトフ戦線を停戦から除外することを、トルコは国連が定めるテロ組織を除外するとしており、国連安保理のアル=カーイダ制裁委員会のリストにおいてテロ組織と指定されているシャーム・ファトフ戦線(旧シャームの民のヌスラ戦線)は停戦対象から除外されている。

Kull-na Shuraka', January 3, 2017
Kull-na Shuraka’, January 3, 2017

AFP, January 3, 2017、AP, January 3, 2017、ARA News, January 3, 2017、Champress, January 3, 2017、al-Hayat, January 4, 2017、Iraqi News, January 3, 2017、Kull-na Shuraka’, January 3, 2017、al-Mada Press, January 3, 2017、Naharnet, January 3, 2017、NNA, January 3, 2017、Reuters, January 3, 2017、SANA, January 3, 2017、UPI, January 3, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市西部郊外の2カ村をダーイシュから奪取(2017年1月2日)

ラッカ県では、ARA News(1月2日付)によると、有志連合の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ハーンフード村、シャーリー村を制圧した。


AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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ロジャヴァが大部分を支配するハサカ市内でシリア軍治安当局が兵役忌避者の摘発を本格化(2017年1月2日)

ハサカ県では、ARA News(1月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が治安厳戒地区以外の大部分を実効支配するハサカ市南部入口に位置するズーリー交差点検問所、タイ地区の検問所複数カ所、そして治安厳戒地区内の検問所複数カ所で、シリア軍・治安部隊が兵役を忌避している18歳から24歳の男性多数を拘束した。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュは異例の声明でイスタンブールでの銃乱射事件への関与を認める一方、トルコ政府は、シリア国内でのダーイシュ、YPGに対する作戦続行を意志表明(2017年1月2日)

ダーイシュ(イスラーム国)は、トルコの最大都市イスタンブールのナイト・クラブで1日未明に発生した銃乱射事件(外国人多数を含む39人が死亡、69人が負傷)に関して、犯行を認める異例の声明を出した。

声明では、実行犯が「信徒の統率者の命令に従い、十字軍の下僕であるトルコを狙った」としたうえで、「背教者であるトルコ政府は、その空爆や砲撃によって流されたイスラーム教徒の血が、その家を炎で焼くことになることを知るが良い」と非難した。

これに対して、トルコのニマン・クルトゥルムシュ副首相(内閣報道官)は、ダーイシュが犯行声明を出したイスタンブールでの乱射事件に関して「国外での作戦に対して向けられたメッセージ」と断じ、アレッポ県北部でのダーイシュと西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の排除を目的に続行されている「ユーフラテスの盾」作戦に対する報復だとの見方を示した上で、「我々は断固として国外での作戦を継続する」と述べた。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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ヒムス県東部でシリア軍がダーイシュとの戦闘を続ける(2017年1月2日)

ヒムス県では、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がタドムル市西部郊外のタイフール航空基地(T4)一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(1月2日付)によると、インヒル市の名士の一人が何者かに暗殺された。

これに関して、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍は犯行を認める声明を出した。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍がダーイシュ支配下のバーブ市一帯を爆撃・砲撃し、戦闘員22人を殲滅する一方、ロシア軍も同地郊外を爆撃(2017年1月2日)

アレッポ県では、ロイター通信(1月2日付)によると、トルコ軍航空部隊と地上部隊がダーイシュ(イスラーム国)支配下のバーブ市一帯を空爆・砲撃し、戦闘員22人を殲滅した。

また、ロシア軍戦闘機もバーブ市近郊のダイル・カーク村一帯を空爆した。


AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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有志連合と思われる無人戦闘機の爆撃でシャーム・ファトフ戦線の幹部らが死亡、ホワイト・ヘルメットはその遺体を収容する動画を公開(2017年1月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム・ファトフ戦線の司令官ら乗った車2台が相次いで無人戦闘機の空爆を受け、司令官複数人を含む8人が死亡した(クッルナー・シュラカー(1月2日付)によると、死亡した戦闘員は11人)。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月2日付)などによると、死者8人のなかには、シャーム・ファトフ戦線の軍事局幹部のハッターッブ・カフターニー氏、アブー・ムウタスィム・ダイリー氏、そしてシャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」との統合に向けた交渉を主導していたアブー・ウマル・トゥルキスターニー氏らが含まれているという。

空爆はサルマダー市・ハザーヌー町街道、サルマダー市・バーブ・ハワー国境通行所間の街道の2カ所で行われた。

アブドゥッラッザーク・スバイフを名乗る活動家は、クッルナー・シュラカー(1月2日付)に対して、空爆を実施した無人戦闘機は有志連合所属機と思われると述べた。

イドリブ県の民間防衛部隊(ホワイト・ヘルメット)が空爆現場から焼死体を収容する映像をユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=wiG69-QaZiQ&feature=youtu.be)を通じて公開した。

Youtube, January 2, 2017
Youtube, January 2, 2017

 

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県バラダー渓谷でシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団への攻撃を続ける(2017年1月2日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がバラダー渓谷のアイン・フィージャ町、ダイル・ムクリン町、バスィーマ町一帯を空爆した。

またシリア軍、ヒズブッラー戦闘員などからなる親政権武装勢力が同地一帯を砲撃、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(1月2日付)によると、シリア軍がバハーリーヤ村一帯でジハード主義武装集団と交戦し、拠点2カ所を制圧した。

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ヒムス県では、ARA News(1月2日付)によると、シリア軍がラスタン市を砲撃し、男性2人が死亡した。

一方、SANA(1月2日付)によると、シリア軍がウンム・シャルシューフ村でシャーム・ファトフ戦線の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、ARA News(1月2日付)によると、シリア軍がファトフ軍支配下のブワイダ村、カフルカール村、ハミーラ村、ハーン・トゥーマーン村を空爆・砲撃した。

シリア軍はまたアターリブ市一帯を空爆し、4人が死亡した。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は12月29~31日にかけてラッカ市近郊一帯を中心に40回の爆撃を実施(2017年1月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月29~31日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

12月29日はシリア、イラク領内のダーイシュ(ダーイシュ)拠点などに対して18回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊(3回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(1回)、タドムル市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

12月30日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して28回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ラッカ市近郊(17回)、タンフ国境通行所近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

12月31日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して28回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は19回で、シャッダーディー市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(15回)、アイン・イーサー市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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バラダー渓谷で活動するという「革命軍事諸派」は同地でシャーム・ファトフ戦線は存在しないと発表するも、シリア事件監視団によるとシャーム・ファトフ戦線戦闘員は数百人存在(2017年1月2日)

ダマスカス郊外県バラダー渓谷一帯で、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員などからなる親政権武装勢力と戦闘を続けているという「バラダー渓谷地区革命軍事諸派」を名乗る集団は声明を出し、同地にはシャーム・ファトフ戦線は存在しないと主張した。

しかし、シリア人権監視団によると、バラダー渓谷でシリア軍、ヒズブッラー戦闘員などからなる親政権武装勢力と交戦する反体制武装集団の戦闘員は数千人からなり、うち数百人がシャーム・ファトフ戦線のメンバーだという。

Kull-na Shuraka', January 2, 2017
Kull-na Shuraka’, January 2, 2017

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東グータ地方のマイダアーニー村一帯で活動を続けるというマルジュ(・スルターン)地区地元評議会は声明を出し、ロシア・トルコ仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦発効後もシリア軍が攻撃を継続していると非難、国際停戦監視団を同地に派遣するよう呼びかけた。

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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シリア人権ネットワークは、反体制派が情報開示を好まず、シリア政府、ダーイシュからの情報入手がほぼ不可能だと認めつつ、2016年の1年間の民間人犠牲者が1万6,913人にのぼったと発表(2017年1月1日)

シリア人権ネットワークは、2016年の1年間で、シリア軍とロシア軍による攻撃で死亡した民間人の数が1万6,913人にのぼったとする統計データ(http://sn4hr.org/blog/2017/01/01/30737/)を発表した。

同データによると、内訳は以下の通り:

シリア軍の攻撃・拷問により死亡した民間人:8,736人、うち子供は1,984人、女性は1,237人。た拷問で殺害された民間人は447人(うち子供2人、女性7人)。

ロシア軍と思われる空爆で犠牲となった民間人:3,967人、うち子供は1,042人、女性は684人。

西クルディスタン移行期民政局の攻撃・拷問で死亡した民間人:146人、うち子供は24人、女性は23人。また拷問で死亡した民間人は6人。

ダーイシュ(イスラーム国)の攻撃・拷問で死亡した民間人:1,510人、うち子供は258人、女性は213人。また拷問で死亡した民間人は8人。

シャーム・ファトフ戦線の攻撃・拷問で死亡した民間人:18人、うち女性1人。また拷問で死亡した民間人は4人。

反体制武装集団の攻撃・拷問で死亡した民間人:1,048人、うち子供289人、女性210人。また拷問で死亡した民間人は10人。

有志連合の空爆で死亡した民間人:951人、うち子供168人、女性96人。

シリア人権ネットワークは「反体制武装集団の犠牲者は、その多くが市街地ではなく戦場で死亡したために集計が困難である。また、氏名、写真などの詳細は反体制武装集団がこうした情報の公開を好まないゆえに入手できなかった」と記載し、反体制派側の犠牲者の数が正確ではないことを認めている。

また、「シリア政府軍、ダーイシュ側の犠牲者についての情報へのアクセスはほとんど不可能である」と述べ、死者数から、シリア軍およびシリア政府支配地域での犠牲者を除外していることも明言している。

なお、シリア人権ネットワークとは別に死者数の推移を随時発表しているシリア人権監視団のデータでは、2016年2月23日の死者総数は27万1,138人、同年9月12日は30万1,781人で、その差は3万643人。

このうち7,586人が民間人、3,964人がシリア軍兵士、3,598人が親政権民兵。

SHRN, January 1, 2017
SHRN, January 1, 2017

AFP, January 2, 2017、AP, January 2, 2017、ARA News, January 2, 2017、Champress, January 2, 2017、al-Hayat, January 3, 2017、Iraqi News, January 2, 2017、Kull-na Shuraka’, January 2, 2017、al-Mada Press, January 2, 2017、Naharnet, January 2, 2017、NNA, January 2, 2017、Reuters, January 2, 2017、SANA, January 2, 2017、UPI, January 2, 2017などをもとに作成。

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シャームの剣旅団とジュンド・シャーム大隊がシャーム戦線に参加(2017年1月1日)

アレッポ県北西部のアアザーズ市一帯で活動するシャームの剣旅団とジュンド・シャーム大隊はそれぞれ声明を出し、シャーム戦線に参加すると発表した。

Kull-na Shuraka', January 1, 2017
Kull-na Shuraka’, January 1, 2017
Kull-na Shuraka', January 1, 2017
Kull-na Shuraka’, January 1, 2017

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘の末ラッカ市西部郊外の1カ村を制圧(2017年1月1日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

ARA News(1月1日付)によると、有志連合の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ラッカ市南部郊外に位置するマフムーディーヤ村を制圧した。

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アレッポ県では、ARA News(1月1日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の広報局が、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のカルバナーフ村、クーラーン村、カールリーク村、カルフーフ村をトル尾軍が砲撃したと発表した。

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ支配下のバーブ市、ターディフ市(アレッポ県)内の住宅地を砲撃(2017年1月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市バーブ市西部一帯で進軍を続けた。

ARA News(1月1日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室所属部隊が発射した迫撃砲弾がバーブ市内のサブア・バフラート地区に着弾し、子供2人が負傷した。

また、トルコ軍が、バーブ市南部に位置するターディフ市の住宅街を砲撃した。

一方、ダーイシュはバーブ市西部郊外のアズラク村、ダグルバーシュ村一帯で反撃を強め、トルコ軍、ハワール・キリス作戦司令室と交戦した。

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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シリア人権監視団は、停戦を拒否する反体制武装集団への攻撃を続けるシリア軍による停戦違反で民間人13人と戦闘員1人が死亡したと発表(2017年1月1日)

シリア人権監視団は、12月30日0時にトルコ・ロシアの仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦発効後60時間で、ダマスカス郊外県ドゥーマー市一帯、バラダー渓谷、東グータ地方、アレッポ県カフルダーイル村、ダルアー県ダルアー市での停戦違反により、民間人13人と戦闘員1人が死亡したと発表した。

犠牲者はいずれもシリア軍の攻撃によるものだが、停戦違反が発生した地域は、停戦を拒否しているシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そして停戦対象に例外を設けることを停戦違反と主張するイスラーム軍など支配・活動地域。

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県アイン・フィージャ町の水源確保をめざして、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動など停戦拒否派への攻撃を続行(2017年1月1日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、親政権武装勢力が、東グータ地方のマイダアーニー村一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(1月1日付)によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員など親政権武装勢力は、バラダー渓谷(アイン・ハドラー村、バスィーマ町、アイン・フィージャ町、フサイニーヤ村など)でシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団との戦闘を続け、アイン・フィージャ町を見下ろす周辺地帯に進軍した。

同地への進軍は、アイン・フィージャ町にある水源を確保するため。

Kull-na Shuraka', January 1, 2017
Kull-na Shuraka’, January 1, 2017

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアターリブ市を空爆し、複数人が負傷、またシリア軍地上部隊がカフルダーイル村を砲撃し、子供2人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム・ファトフ戦線などからなるファトフ軍の包囲が続くフーア市、カファルヤー町に対して、反体制武装集団が砲撃を行った。

一方、ARA News(1月1日付)によると、ハーン・スブル村で、シャーム・ファトフ戦線メンバーが乗った車の近くで爆弾が爆発し、戦闘員多数が負傷した。

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ヒムス県では、ARA News(1月1日付)によると、シリア軍がハウラ地方、タルビーサ市、ガントゥー市一帯を砲撃した。

また、ロシア軍と思われる戦闘機がシャンダーヒーヤ村、マスアダ村、ラビーア村を空爆し、女性1人を含む民間人3人が死亡した。

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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タルトゥース市で大晦日に男性2人が自爆テロを敢行、アアマーク通信はダーイシュによる攻撃と喧伝(2017年1月1日)

タルトゥース県では、SANA(1月1日付)によると、タルトゥース市コルニーシュで31日深夜、自爆ベルトを身につけた男性2人が相次いで自爆し、警察のパトロール隊員2人が死亡した。

SANA, January 1, 2017
SANA, January 1, 2017

この自爆攻撃に関して、アアマーク通信(1月1日付)は、「タルトゥース市コルニーシュ地区にあるシリア軍検問所に対して新年に、イスラーム国の特攻自爆戦闘員(インギマースィー)が爆弾攻撃を行った」と発表した。

A'maq, January 1, 2017
A’maq, January 1, 2017

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣はテヘランでヴェラーヤティー最高指導者国際問題担当上級顧問、ラリージャーニー国会議長と会談(2017年1月1日)

イランを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、テヘランでアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者国際問題担当上級顧問、アリー・ラリージャーニー国会議長と相次いで会談し、シリア・イラン二国間関係、シリア情勢の進捗などについて意見を交わした。

SANA, January 1, 2017
SANA, January 1, 2017

ヴェラーヤティー氏は会談で「イランはシリア人にとって第2の国であり、イランにシリアの高官が訪れたことは、イランがシリアと織りなしている戦略的関係を反映したもので、それはハーフィズ・アサド前大統領の時代から続いている」と述べた。

これに対して、ムアッリム外務在外居住者大臣は「我々がイラン、ロシアと行ってきた協力は、シリア人どうしが対話を行う余地を与えるための軍事的作戦停止をもたらす基軸となった…。停戦を利用して自らの組織の立て直しを画策している者は間違っている。すべての武装集団はヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)とダーイシュ(イスラーム国)といったテロ組織を遠ざけ、治安と安定を強化するため、これらの組織を都市部から排除しなければならない」と述べた。

SANA(1月1日付)、『ハヤート』(1月2日付)などが伝えた。

AFP, January 1, 2017、AP, January 1, 2017、ARA News, January 1, 2017、Champress, January 1, 2017、al-Hayat, January 2, 2017、Iraqi News, January 1, 2017、Kull-na Shuraka’, January 1, 2017、al-Mada Press, January 1, 2017、Naharnet, January 1, 2017、NNA, January 1, 2017、Reuters, January 1, 2017、SANA, January 1, 2017、UPI, January 1, 2017などをもとに作成。

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国連安保理は、ロシアとトルコによるシリアでの全土停戦と和平協議への取り組みを支持する安保理決議第2336号を全回一致で採択(2016年12月31日)

国連安保理は、ロシアとトルコの仲介により29日に成立(30日午前0時に発効)したシリア政府と反体制武装集団7組織の停戦を支持する安保理決議第2336号(ロシア、トルコが提出)を全回一致で承認した。

安保理決議第2336号は、①シリアにおける暴力停止と(紛争解決に向けた)政治プロセス開始に向けたロシアとトルコの取り組みを関係・支援するとともに、両国が合意した停戦および和平協議の実施にかかる細目「S/2016/1133」(https://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/2016/1133&referer=/english/&Lang=E)を留意し、②国際シリア支援グループ(ISSG)による紛争解決に向けた工程表を承認した国連安保理決議第2254号および第2268号実施の重要性を強調、③12月20日のロシア・トルコ・イラン外務会談により実施に向けた動きが本格化し、2016年1月下旬に開催予定のカザフスタンの首都アスタナ市でのシリア政府と反体制派の和平協議(アスタナ会議)に期待を寄せている。

なお、安保理決議第2336号全文は以下の通り:

“The Security Council
“Recalling all its previous resolutions and presidential statements on the situation in the Syrian Arab Republic, in particular resolutions 2254 (2015) and 2268 (2016), and the Geneva communiqué of 30 June 2012,
“Reaffirming its strong commitment to the sovereignty, independence, unity and territorial integrity of the Syrian Arab Republic, and to the purposes and principles of the Charter of the United Nations,“Noting the joint statement by the Ministers for Foreign Affairs of the Islamic Republic of Iran, the Russian Federation and the Republic of Turkey of 20 December 2016,
“Noting with appreciation the mediation efforts undertaken by the Russian Federation and the Republic of Turkey to facilitate the establishment of a ceasefire in the Syrian Arab Republic,
“Reiterating its call on the parties to allow humanitarian agencies rapid, safe and unhindered access throughout Syria, as provided for in its relevant resolutions,
“Reiterating that the only sustainable solution to the current crisis in the Syrian Arab Republic is through an inclusive and Syrian-led political process based on the Geneva communiqué of 30 June 2012 as endorsed by resolution 2118 (2013), its resolutions 2254 (2015) and 2268 (2016) and relevant statements of the International Syria Support Group,
“1. Welcomes and supports the efforts by Russia and Turkey to end violence in Syria and jumpstart a political process, and takes note of the documents issued by Russia and Turkey in this regard (S/2016/1133);
“2. Stresses the importance of the full implementation of all relevant Security Council resolutions, particularly resolutions 2254 (2015) and 2268 (2016);
“3. Looks forward to the meeting to be held in Astana, Kazakhstan, between the Government of the Syrian Arab Republic and the representatives of the opposition viewing it as an important part of the Syrian-led political process and an important step ahead of the resumption of negotiations under the auspices of the United Nations in Geneva on 8 February 2017;
“4. Decides to remain seized of the matter.”

https://www.un.org/, December 31, 2016をもとに作成。

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