トナー米国務省報道官「PYDはアスタナ会議に加わらねばならない」(2017年1月11日)

米国務省のマーク・トナー報道官は、1月23日にカザフスタンの首都アスタナで予定されているシリア政府と反体制武装集団の和平協議(アスタナ会議)に関して、プレス向け声明を出し、「シリアの戦争を食い止める唯一の方法は、この国の危機を解決するための策を作り出すため、国連による努力が続けられることだ」としたうえで、「シリアのクルド人もこのプロセスに加われねばならない」と強調した。

トナー報道官はまた「民主統一党(PYD)も何らかの段階でこのプロセスの一部とならねばならない。PYDは現地に影響力を有する組織で、シリアでの問題の長期的解決を検討するうえで耳を傾けられるべきだ」と付言した。

ARA News(1月11日付)が伝えた。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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ロシア政府高官はモスクワとトルコで反体制武装集団幹部らと会談、アスタナ会議への準備を続ける(2017年1月11日)

『ハヤート』(1月12日付)は、トルコの首都アンカラで、反体制武装集団の司令官複数名、シリア革命反体制勢力国民連立傘下のジャワード・アブー・ハトブ暫定内閣、ナスル・ハリーリー氏ら反体制活動家が、ロシアの複数の高官と会談したと伝えた。

また、ロシアの首都モスクワでも、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣が、ムスタファー・シャイフ准将(シリア革命最高軍事評議会)ら離反士官と会談を行った。

会談では、1月23日にカザフスタンの首都アスタナで開催予定のシリア政府と反体制武装集団の和平協議(アスタナ会議)への対応などについて協議されたと思われる。

なお、『ハヤート』によると、ロシア側はシリアの反体制活動家らに対して、ヒズブッラーのシリア領内からの退去を求めるトルコに同調しない旨、告知したという。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がラッカ市郊外の1カ村をダーイシュから新たに奪取する一方、同地一帯から住民、ダーイシュ戦闘員家族らがラッカ市に避難(2017年1月11日)

ラッカ県では、『ハヤート』(1月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が有志連合の航空支援を受け、ラッカ市西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続け、カルマーンジュー村を新たに制圧した。

これに関して、シリア人権監視団は、ラッカ市郊外一帯での戦闘激化を受け、住民の避難が増加しており、タブカ市一帯方面から数十世帯、ダーイシュ・メンバー(シリア人、外国人)の家族がラッカ市に避難したと発表した。


AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍戦闘機がダーイシュ支配下のアレッポ県バーブ市近郊を爆撃し、民間人60人以上が死傷(2017年1月11日)

アレッポ県では、SANA(1月11日付)によると、トルコ軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)支配下のバーブ市郊外に位置するブザーア村、ターディフ市を空爆し、民間人9人が死亡、57人が負傷した。

ARA News(1月11日付)によると、この空爆による死者は6人、負傷者は20人。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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ヒムス県、アレッポ県、ダイル・ザウル県でシリア軍がダーイシュとの交戦(2017年1月11日)

ヒムス県では、SANA(1月11日付)によると、シリア軍がタドムル市西部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、SANA(1月11日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部郊外航空士官学校に近いウンム・マラー村、ダイル・ハーフィル市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月11日付)によると、シリア軍がサルダ山一帯、ブー・ウマル村、マリーイーヤ村、ブガイリーヤ村、フサイニーヤ町、ジャフラ村、ヒサーン村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、フワイジャト・サクル地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍の爆撃に呼応するかたちで、有志連合と思われる戦闘機もイドリブ県を爆撃し、シャーム・ファトフ戦線のメンバーを殺害(2017年1月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市一帯が所属不明の戦闘機の空爆を受け、シャーム・ファトフ戦線のメンバーと思われる戦闘員が乗った四輪駆動車が被弾、乗っていた5人が死傷した。

所属不明の戦闘機はまた、タフタナーズ市近郊でも空爆を実施し、シャーム・ファトフ戦線所属の武装集団の司令官(ハサカ市出身)1人を含む戦闘員3人が死亡した。

これに関して、ホワイト・ヘルメットの喧伝映像などを配信しているAMC(1月11日付)は、有志連合戦闘機がサラーキブ市・マアッルディブサ村間の街道でオートバイ3台と軽トラック2台を爆撃し、シャーム・ファトフ戦線の司令官アブー・アナス・ミスリー氏とアブー・アクラマ・トゥーニースィー氏を含む12人が死亡下と伝えた。

AFP, January 11, 2017、
AMC
, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍支配下のイドリブ県各所をロシア軍と思われる戦闘機が爆撃(2017年1月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍支配下のタフタナーズ市を空爆、戦闘員3人が死亡した。

ARA News(1月11日付)によると、空爆を実施したのはロシア軍戦闘機。

一方、SANA(1月11日付)によると、シャーム・ファトフ戦線などからなるファトフ軍がシリア政府支配下のフーア市、カファルヤー町を砲撃し、子供3人を含む8人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機が、ファトフ軍支配下のアターリブ市、ハーン・アサル村など各所を激しく空爆した。

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ヒムス県では、SANA(1月11日付)によると、シリア軍がイッズッディーン村北部一帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、シリア人権監視団によると、シャーム・ファトフ戦線がタッル・ザハブ町を襲撃した。

襲撃は、ハウラ地方でのダーイシュ(イスラーム国)の「スリーパー・セル」と思われる武装勢力によるシャーム・ファトフ戦線の拠点襲撃(3人が死亡、15人が負傷)への報復だと思われる。

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ダルアー県では、ARA News(1月11日付)によると、シリア軍がダーイル町一帯を空爆し、4人が死傷した。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県知事はバラダー渓谷からの「部外者」退去、戦闘員の投降・放免について原則合意に達したと発表(2017年1月11日)

ダマスカス郊外県のアラー・イブラーヒーム県知事は、SANA(1月11日付)に対して、アイン・フィージャ町一帯のバラダー渓谷で活動する反体制武装集団の司令官らと同地出身の戦闘員(とりわけダイル・カーヌーン村、ダイル・ムクリン町、カフィール・ザイト村)の免罪、「部外者」(それ以外の地域からの戦闘員)のイドリブ県への退去の安全確保に関して原則合意に達したことを明らかにした。

イブラーミーム県知事によると、バラダー渓谷出身の反体制武装集団戦闘員は、それ以外の地域出身の戦闘員に対して、同地から退去するよう圧力をかけ、数時間以内には停戦合意が成立する予定だという。

SANA, January 11, 2017
SANA, January 11, 2017

なお、『ハヤート』(1月12日付)によると、停戦合意はこのほか、アイン・フィージャ水源の揚水施設を修復するためのシリア政府側の作業チームの派遣などが定められているという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・フィージャ町一帯のバラダー渓谷では、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団との戦闘を続けた。

この戦闘で、一家6人がシリア軍の攻撃によって死亡したという。

また、東グータ地方のマルジュ・スルターン村一帯を戦闘機(所属明示せず)が空爆し、女性1人が死亡、9人が負傷した。

一方、SANA(1月11日付)によると、バラダー渓谷出身の反体制武装集団戦闘員、兵役忌避者、指名手配者ら約500人が当局に投降、2016年政令第15号に基づき放免となった。

約500人のうち、戦闘員は約60人含まれているという。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は1月10日にシリア領内で15回の爆撃を実施(2017年1月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月10日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ラッカ市近郊(5回)、アイン・イーサー市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(5回)、タドムル市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, January 11, 2017、AP, January 11, 2017、ARA News, January 11, 2017、Champress, January 11, 2017、al-Hayat, January 12, 2017、Iraqi News, January 11, 2017、Kull-na Shuraka’, January 11, 2017、al-Mada Press, January 11, 2017、Naharnet, January 11, 2017、NNA, January 11, 2017、Reuters, January 11, 2017、SANA, January 11, 2017、UPI, January 11, 2017などをもとに作成。

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