ロシア政府は、オバマ政権ではなくトランプ次期政権にアスタナ会議への参加を要請(2017年1月13日)

『ワシントン・ポスト』(1月13日付)は、20日に発足するドナルド・トランプ米次期政権とロシアのヴラジミール・プーチン政権が、23日にカザフスタンの首都アスタナで開幕予定のシリア政府と反体制武装集団による和平協議(アスタナ会議)への米国の参加をめぐって協議していたと伝えた。

同紙によると、国家安全保障担当大統領補佐官に就任予定のマイケル・フリン氏と、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使が12月末に電話会談を行い、フリン氏はアスタナ会議への米国の参加を要請されたという。

なお、ロシア政府はバラク・オバマ米政権には同会議への参加を要請していない。

AFP, January 14, 2017、AP, January 14, 2017、ARA News, January 14, 2017、Champress, January 14, 2017、al-Hayat, January 15, 2017、Iraqi News, January 14, 2017、Kull-na Shuraka’, January 14, 2017、al-Mada Press, January 14, 2017、Naharnet, January 14, 2017、NNA, January 14, 2017、Reuters, January 14, 2017、SANA, January 14, 2017、UPI, January 14, 2017、The Washington Post, January 13, 2017などをもとに作成。

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シャーム・ファトフ戦線、ハワール・キリス作戦司令室の拠点都市アアザーズ市(アレッポ県北部)一帯でYPG主体のシリア民主軍とハワール・キリス作戦司令室が交戦(2017年1月13日)

アレッポ県では、ARA News(1月13日付)によると、シャーム・ファトフ戦線、ハワール・キリス作戦司令室の戦略的拠点アアザーズ市一帯で、反体制武装集団と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が交戦した。

戦闘は反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室に所属する武装集団)が、同地一帯と西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市一帯を結ぶ街道を封鎖したことを受けたもの。

AFP, January 13, 2017、AP, January 13, 2017、ARA News, January 13, 2017、Champress, January 13, 2017、al-Hayat, January 14, 2017、Iraqi News, January 13, 2017、Kull-na Shuraka’, January 13, 2017、al-Mada Press, January 13, 2017、Naharnet, January 13, 2017、NNA, January 13, 2017、Reuters, January 13, 2017、SANA, January 13, 2017、UPI, January 13, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュに対する攻勢を続け、ユーフラテス・ダムに到達(2017年1月13日)

ラッカ県では、ARA News(1月13日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、有志連合の支援を受け、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

シリア民主軍広報センターによると、これにより、シリア民主軍はタブカ市近郊のユーフラテス・ダムに到達したと発表した。

AFP, January 13, 2017、AP, January 13, 2017、ARA News, January 13, 2017、Champress, January 13, 2017、al-Hayat, January 14, 2017、Iraqi News, January 13, 2017、Kull-na Shuraka’, January 13, 2017、al-Mada Press, January 13, 2017、Naharnet, January 13, 2017、NNA, January 13, 2017、Reuters, January 13, 2017、SANA, January 13, 2017、UPI, January 13, 2017などをもとに作成。

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バーブ市一帯でトルコ軍、ハワール・キリス作戦司令室とダーイシュの戦闘続く(2017年1月13日)

アレッポ県では、ARA News(1月13日付)によると、バーブ市北部一帯でトルコ軍、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との攻防を続けた。

AFP, January 13, 2017、AP, January 13, 2017、ARA News, January 13, 2017、Champress, January 13, 2017、al-Hayat, January 14, 2017、Iraqi News, January 13, 2017、Kull-na Shuraka’, January 13, 2017、al-Mada Press, January 13, 2017、Naharnet, January 13, 2017、NNA, January 13, 2017、Reuters, January 13, 2017、SANA, January 13, 2017、UPI, January 13, 2017などをもとに作成。

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トルコ・ロシア両国は、トルコ・ロシア両軍だけでなく、シリア軍戦闘機の航行の安全を保証することで合意(2017年1月13日)

トルコのフィクリ・イシク国防大臣は、ロシア政府との間でロシア・トルコ両軍のシリア領空での安全を確保するための覚書を交わしたとしたうえで、この合意においてはシリア軍航空機の安全も保証されていることを明らかにした。

イシク国防大臣は「この合意の目的は、シリアでの戦争に参加する戦闘機の衝突事故がシリア領空で発生することを回避することにある」と述べた。

ARA News(1月13日付)が伝えた。

AFP, January 13, 2017、AP, January 13, 2017、ARA News, January 13, 2017、Champress, January 13, 2017、al-Hayat, January 14, 2017、Iraqi News, January 13, 2017、Kull-na Shuraka’, January 13, 2017、al-Mada Press, January 13, 2017、Naharnet, January 13, 2017、NNA, January 13, 2017、Reuters, January 13, 2017、SANA, January 13, 2017、UPI, January 13, 2017などをもとに作成。

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ロイター通信はアサド大統領と実弟マーヒル・アサド少将の化学兵器開発・使用への関与を疑う文書の存在を示唆(2017年1月13日)

ロイター通信(1月13日付)は、米財務省がシリア軍全軍と軍・諜報機関士官18人を化学兵器使用・開発に関与したとして財務省外国資産管理室(OFAC)のSDN(Specially
Designated Nationals and blocked Persons)リストに追加登録に追加登録したことに関して、アサド大統領とその弟マーヒル・アサド少将の関与を疑う文書が存在していると伝えた。

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一方、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線が、シリアとイラク領内で化学兵器を使用したことを示すデータをロシアが有しているとしたうえで、両組織は「塩素ガスなどの、産業・家庭用の有毒化学物質だけでなく、神経ガス、サリン・ガスといった化学兵器さえ使用している」と述べた。

AFP, January 13, 2017、AP, January 13, 2017、ARA News, January 13, 2017、Champress, January 13, 2017、al-Hayat, January 14, 2017、Iraqi News, January 13, 2017、Kull-na Shuraka’, January 13, 2017、al-Mada Press, January 13, 2017、Naharnet, January 13, 2017、NNA, January 13, 2017、Reuters, January 13, 2017、SANA, January 13, 2017、UPI, January 13, 2017などをもとに作成。

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反体制武装集団33組織はアスタナ会議への出席者名簿提示に先立って全土停戦と停戦監視団の派遣を求めるも、トルコは名簿を提出するよう圧力(2017年1月13日)

『ハヤート』(1月14日付)は、複数の反体制消息筋の話として、反体制武装集団33組織が4点からなる条件を提示し、その履行を求めたと伝えた。

4条件とは、①ダマスカス郊外県バラダー渓谷、東グータ地方、ヒムス県北部などを含むシリア全土で完全停戦すること、②6時間以内に停戦を履行するための地図を作成・提示すること、③停戦履行後48時間以内に反体制派がアスタナ会議参加者名簿を提出すること、④アスタナ会議開催前の10日間、停戦監視団を展開させること、だという。

なお、条件を提示した33組織は、祖国解放運動、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム運動、シャーム戦線、第1沿岸師団、第2沿岸師団、アジュナード・シャーム大隊、シャーム自由人イスラーム運動、イッザ軍、タフリール軍、シャームの民戦線、アレッポ作戦司令室、イドリブ自由軍、スルターン・ムラード師団、イスラーム殉教者旅団、ナスル軍などからなる。

しかし、これに対して、トルコ政府は反体制武装集団に、カザフスタンの首都アスタナで1月23日に開幕予定のシリア政府との和平協議(アスタナ会議)に派遣する代表団の指名リストを提出するよう圧力をかけたという。

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一方、ARA News(1月13日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県とアレッポ県西部各地で、反体制武装集団の統合を訴えるデモが発生した。

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アスタナ会議への米国の参加をめぐってトルコとロシアに微妙なズレ(2017年1月13日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、1月23日にカザフスタンの首都アスタナで開幕予定のシリア政府と反体制武装集団の和平協議(アスタナ会議)に関して、スイスのジュネーブで、「我々は停戦を維持しなければならない。アスタナでの交渉のために必要だ」としたうえで、「米国が招待されねばならない。この点について我々はロシアと合意済みだ」と述べた。

AFP(1月13日付)が伝えた。

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一方、『ハヤート』(1月14日付)などによると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣も、米国の参加に関して「私は、ドナルド・トランプ政権が成立したら、この取り組みに加わることを願っており、それにより、友好的そして集団的に一つの方向に向かって行動できる」と述べている。

だが、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「現時点で米国を招待するとの姿勢をとることはできない…。そうしたことも行っていないが…、ロシアはシリアの問題に関与するすべての当時者が代表を送ることを支持している」と述べた。

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トルコ大統領府報道官はアサド政権の退陣を求めつつ、アスタナ会議開催への意欲を示す(2017年1月13日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、「我々のアサドに関する姿勢は明白で、アサドが権力の座に留まる限り、シリアは一つにはならず、また安全も回復できないと考えている」としつつも、「しかし、我々はアスタナ(カザフスタン)での(シリア政府と反体制武装集団の)交渉が行われると見ている…。我々はこの段階に一歩ずつ進んでいきたい」と述べた。

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シリア軍、ヒズブッラーはバラダー渓谷東部のバスィーマ町を制圧、ダマスカス郊外県知事はアイン・フィージャ水源に復旧作業チームが入ったと発表(2017年1月13日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員など親政権武装勢力がバラダー渓谷東部一帯でシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と交戦の末、バスィーマ町をほぼ完全制圧した。

ヒズブッラーの戦争広報局によると、バスィーマ町を制圧したシリア軍は、アイン・フィージャ町、アイン・ハドラー村方面に向かって進軍を続けたという。

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ダマスカス郊外県のアラー・イブラーヒーム県知事は、視察訪問先のバラダー渓谷ダイル・カーヌーン町で、記者団に対して、12月22日から稼働を停止している首都ダマスカスの主要な水源アイン・フィージャ町の揚水施設に、復旧作業チームが入ったことを明らかにした。

復旧作業チームの派遣は、シリア政府と反体制武装集団の停戦合意を受けたもので、合意に基づき、同地出身の反体制武装集団戦闘員の武器引き渡しと投降、「部外者」(同地出身以外の戦闘員)のイドリブ県方面への退去が行われると付言、またシャーム・ファトフ戦線との停戦は拒否すると強調した。

SANA(1月13日付)が伝えた。

SANA, January 13, 2017
SANA, January 13, 2017

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イドリブ県、アレッポ県西部、ハマー県北部でシリア軍とファトフ軍の戦闘続く(2017年1月13日)

イドリブ県では、ARA News(1月13日付)によると、戦闘機(所属明示せず)が、ファトフ軍の拠点都市イドリブ市および同市周辺を空爆した。

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アレッポ県では、ARA News(1月13日付)によると、シリア軍戦闘機が、ファトフ軍の支配下にあるアウラム・クブラー町、カフルナーハー村、フール村、カフルダーイル村、ダーラト・イッザ市などを空爆した。

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ハマー県では、SANA(1月13日付)によると、反体制武装集団がジューリーン村を砲撃し、1人が負傷した。

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シリア軍はイスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス郊外のマッザ航空基地一帯を越境爆撃したと発表、シリア外務省は国連に抗議(2017年1月13日)

シリア軍消息筋は、SANA(1月13日付)に対して、イスラエル軍戦闘機がダマスカス県西部のマッザ航空基地一帯のシリア軍拠点複数カ所を爆撃したことを明らかにした。

軍消息筋によると、「13日深夜0時25分、イスラエル軍戦闘機がテロ組織を支援しようと、チベリア湖北部から発射したミサイル複数発がマッザ航空基地一帯に着弾し、同地で火災が起こった」という。

これに関して、シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、イスラエル軍による越境空爆を報告、その敵対行為と主権侵犯を非難した。

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