シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制派の支配下にあるイドリブ市にビラを散布し、武装集団に参加する若者に投降を呼びかける(2017年6月6日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、シリア軍航空機が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ市にビラを散布し、反体制武装集団に参加する若者に投降を呼びかけた。

EMC(6月7日付)はビラの画像を公開、「祖国の民への呼びかけ」と題されたビラには、「武器を携帯するすべての若者よ…シリア・アラブ軍の一連の勝利は危機が終わりに近づいていることを示している」としたうえで、「自らを悪し様にするな、未来は君たちの前に広がっている。祖国の庇護のもとに服する機会が与えられている。時期を逸する前にこの機会を捉え、進んで武器を捨てよ…。国家は君たちを保護し、君たちの復帰を歓迎する」と書かれている。

EMC, June 7, 2017
EMC, June 7, 2017

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市解放に向けた大規模作戦を開始し、同市内東部のマシュラブ地区を制圧(2017年6月6日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の「ユーフラテスの怒り」作戦司令部(タラール・サッルー報道官)はラッカ県の北15キロの地点に位置するハズィーマ村で声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)の中心都市ラッカ市の解放に向けた大規模作戦を開始すると発表した。

声明によると、この作戦には、16の武装組織、ラッカ文民評議会、シリア民主評議会、現地の名士・部族長が参加しているという。

ANHA, June 6, 2017

作戦に参加している武装組織は以下の通り:

人民防衛隊(YPG)
女性防衛隊(YPJ)
革命軍
クルド戦線
北部民主旅団
部族軍団
ヒムス特殊任務旅団
ラッカの鷹
解放(タフリール)旅団
サラージカ旅団
サナーディード軍団
シリア正教軍事評議会
マンビジュ軍事評議会
ダイル・ザウル軍事評議会
シリア・エリート部隊
自治防衛部隊

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ARA News(6月6日付)によると、シリア民主軍はこれにより、ラッカ市内東部のマシュラブ地区に突入、同地を制圧した。

また、シリア人権監視団によると、シリア民主軍はまたラッカ市北部のダーイシュの拠点の一つ第17師団基地に対する攻撃も継続した。

なお、シリア民主軍によると、ラッカ市にはダーイシュの戦闘員3,000人から4,000人が籠城しているという。

AFP, June 6, 2017、ANHA, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 6, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、SANA, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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ロジャヴァ掃討を目的とする新たな武装集団「家の者たち」作戦司令室がアレッポ県タッル・リフアト市一帯のシリア民主軍を攻撃する一方、シリア軍はバーブ市東部の武装集団拠点を攻撃(2017年6月6日)

アレッポ県では、タッル・リフアト市など県北部出身者がビデオ声明(https://youtu.be/DoSqWi3wuw8)を出し、西クルディスタン移行期民政局支配下の同市一帯の解放を目的とする武装集団「家の者たち」作戦司令室を結成したと発表した。

声明において、彼らは、西クルディスタン移行期民政局、民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)を「PKK」と呼び、「テロ行為に抗戦し、占領された領土を解放する」と主張している。

また、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、「家の者たち」作戦司令室が声明を出し、タッル・リフアト市一帯で人民防衛隊主体のシリア民主軍と交戦し、戦闘員7人を殺害したと発表した。

Youtube, June 6, 2017

 

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アレッポ県では、ARA News(6月6日付)によると、シリア軍が、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室の支配下にあるバーブ市東部一帯にある拠点複数カ所を攻撃した。

AFP, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 6, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、SANA, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県東部でダーイシュの追撃を続け、ラッカ県との県境に到達(2017年6月6日)

アレッポ県では、シャームFM(6月6日付)などが伝えたところによると、マスカナ市を完全制圧したシリア軍および親政権武装部隊は、ダーイシュ(イスラーム国)を追撃して東進を続け、ヒルバト・ムフスィン村、ヒルバト・サブア村、ヒルバト・ハッサーン村、スライヒーヤ村、タルカーウィー村、アンズ・ブークルディー村、タッル・アンズ村、ビール・サーリム村、旧ビール・サーリム村を制圧、ラッカ県との県境に到達した。

Kull-na Shuraka’, June 6, 2017

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ヒムス県では、SANA(6月6日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との末、タドムル市北東部の丘陵地帯全域を制圧した。

シリア軍はまた、ジュッブ・ジャッラーフ町東部、アーラーク油田一帯、ファースィダ村、ハッバー村、ヤティーヤ山、T3近郊でダーイシュの拠点を攻撃した。

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ハマー県では、SANA(6月6日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、サラミーヤ市東部郊外のジャニー・アルバーウィー村、南マクサル村、北マクサル村、ティバーラト・ディーバ村、アブー・イッズ村、アブー・フバイラート村、クライブ・サウル村、アブー・ハナーヤー村、タナーヒジュ村、ガルグースィーヤ村、フワイル丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブガイリーヤ村(ルーワード団地)、第137連隊基地、ダイル・ザウル市南部のパノラマ交差点一帯などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(6月6日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のパノラマー交差点一帯、サヌーフ丘一帯、バルーク丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の県西部の拠点複数カ所が所属不明の航空機の爆撃を受けた。

AFP, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 6, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、SANA, June 6, 2017、Sham FM, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー市一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦を続ける(2017年6月6日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がダルアー市各所(難民キャンプ地区など)を空爆するとともに、地上部隊が地対地ミサイルと思われる砲弾で同地を砲撃、マンシヤ地区でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月6日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市ダルアー・バラド地区、マンシヤ地区一帯の住宅街を砲撃し、9人が負傷した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月6日付)によると、イドリブ市西部のワーディー・ナスィーム地区で、シャーム解放機構のメンバーが乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、メンバー3人が死亡した。

Kull-na Shuraka’, June 6, 2017

AFP, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 6, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、SANA, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2017年6月6日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月6日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件確認したと発表した。

ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームが確認した停戦違反の内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が5件、ラタキア県が3件。

またトルコ側の監視チームも7件(ダルアー県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、ラタキア県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2017をもとに作成。

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米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派)はタンフ国境通行所一帯からのシリア軍・親政権武装勢力掃討を目的とした「土地は我々のものだ」作戦を再開(2017年6月6日)

ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派)を主導する東部獅子軍は、SNSを通じて声明を出し、ヒムス県タンフ国境通行所へのシリア軍・親政権武装勢力の進軍を阻止するために5月31日に開始していた「土地は我らのものだ」作戦を再開すると発表し、ダマスカス郊外県東部のサーナー火力発電所、ザーザー検問所、サブア・ビヤール地区、シャフミー交差点、ジュライガム交差点一帯にあるシリア軍および親政権武装勢力の拠点に対して攻撃を行ったことを明らかにした。

AFP, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 6, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、SANA, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は不法占拠するシリア領内のタンフ国境通行所に向けて進軍するシリア軍・親政権武装勢力の拠点を再び爆撃(2017年6月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、事前の警告を無視して、シリア南部の「緊張緩和地帯」内に進軍した「親シリア体制部隊」(pro-Syrian regime forces)に対して爆撃を行ったと発表した。

この部隊は、戦車1輌、装甲車1輌、対空兵器数基、武装した車輌複数台、兵士60人以上からなり、ヒムス県南東部のタンフ国境通行所に有志連合およびその「協力部隊」(partner forces)を脅威にさらしたという。

Wikipedia, June 6, 2017

なお、声明によると、有志連合は、タンフ国境通行所一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」に参加するシリアの「協力部隊」を教練・指導してきたという。

また、有志連合は、シリアの体制軍、親体制部隊との戦闘は望んでいないが、親体制部隊が「緊張緩和地帯」から退去しなければ、自衛行為をとる、と主張した。

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米高官が匿名を条件にロイター通信(6月7日付)に明らかにしたところによると、空爆は米軍戦闘機が実施したという。

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有志連合が不法に占拠しているシリア領のタンフ国境通行所は、ロシア、トルコ、イランの署名をもって5月6日に発効した「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」において、「緊張緩和地帯」には設置されていない。

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有志連合の空爆に関して、シリア軍消息筋はSANA(6月6日付)に対して、有志連合が午後5時40分にヒムス県東部のシャヒーマ地区を通るタンフ街道沿いのシリア軍拠点1カ所を空爆し、多数の兵士が死亡、物的被害が出たことを明らかにしたにしたうえで、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構をはじめとするテロ組織に対して「テロとの戦い」を続けるシリア軍およびその同盟者に対する敵対行為から手を引くよう警告した。

また、シリア人権監視団によると、米軍の空爆で、シリア軍士官1人と非シリア人戦闘員16人が死亡したという。

CENTCOM, June 6, 2017、AFP, June 6, 2017、AP, June 6, 2017、ARA News, June 6, 2017、Champress, June 6, 2017、al-Hayat, June 7, 2017、June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 6, 2017、al-Mada Press, June 6, 2017、Naharnet, June 6, 2017、NNA, June 6, 2017、Reuters, June 6, 2017、June 7, 2017、SANA, June 6, 2017、UPI, June 6, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は6月5日、ラッカ市だけで24回の爆撃を実施(2017年6月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月5日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して40回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は35回で、ブーカマール市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(9回)、ラッカ市近郊(24回)で実施された。

なお、CENTCOMは6月4日の空爆の戦果について声明を発表していない。

CENTCOM, June 6, 2017をもとに作成。

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