米国防総省はシリアの反体制派教練のため5億米ドルを2018年度予算に計上(2017年6月1日)

米国防総省は、イラクとシリアでイスラーム国(ダーイシュ)に対する「テロとの戦い」に参加する戦闘員を教練するために17億6,900万米ドルを2,018年度予算に計上したことを明らかにした。

複数メディアが国防総省からの情報として伝えたところによると、このうちの12億6,900万米ドルはイラク人戦闘員の教練、5億米ドルはシリア人戦闘員の教練に充てられるという。

国防省によると、この予算枠でシリア人戦闘員を新たに5,000人養成し、また3億9,300万米ドルを対戦車ミサイルなどの重火器を含む武器装備に充てるという。

ARA News(6月2日付)などが伝えた。

AFP, June 2, 2017、AP, June 2, 2017、ARA News, June 2, 2017、Champress, June 2, 2017、al-Hayat, June 3, 2017、Kull-na Shuraka’, June 2, 2017、al-Mada Press, June 2, 2017、Naharnet, June 2, 2017、NNA, June 2, 2017、Reuters, June 2, 2017、SANA, June 2, 2017、UPI, June 2, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラクの人民動員隊はハサカ県のロジャヴァ支配地域に侵攻し2カ村を制圧、YPG、PYD内で賛否両論(2017年6月1日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月1日付)によると、イラクの人民動員隊がシリア領内に侵攻し、ハサカ市南東部に位置する西クルディスタン移行期民政局支配下のクサイバ村とバワーリディー村の2カ村を制圧した。

ハサカ青年連合の複数の活動家によると、人民動員隊は5月31日にシリア領内に侵攻し、2カ村を制圧したという。

Aliraqnet, June 1, 2017

**

2カ村の制圧に関して、人民動員隊のアブー・マフディー・ムハンディス副司令官は「ニナワ県西部での人民動員隊の軍事作戦の目的は対シリア国境での掃討にあり、人民防衛隊はイラクの安全保障を脅かすイラク領外のダーイシュ(イスラーム国)のいかなる存在に対しても追撃を行う」と述べた。

一方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のタラール・スィッルー報道官は報道声明を出し、「我が部隊の支配地域に進入しようとする人民防衛隊のいかなる試みをも撃退する。我々は我々の支配地域へのいかなる部隊の進入も許さない」と述べた。

**

なお、メディア活動家のムハンマド・アフマド氏は、バスニュース(5月31日付)に対し、人民防衛隊のシリア領内への侵攻に関して、「宗派主義的な人民動員隊のシリア・クルディスタン領内への進入は、クルディスタン労働者党のシリアの一派である民主統一党(PYD)のクルド人部隊との完全なる合意のもとに行われている」と述べた。

また、PYD欧州機構の障害委員会のメンバーを務めるダーラー・ムスタファー氏も、バスニュースに対して「シリア・イラク国境は非常に長く、砂漠地帯の通行を完全に掌握することはできない。この地域で戦闘が続くなか、多少の国境侵害が時と場合によって生じるのは当然だ」と述べ、人民動員隊の領土侵犯を是認した。

そのうえで「必要が生じれば、我が部隊も国境を越えて、(イラク領内を)数キロまでダーイシュのメンバーを追跡するだろう」と付言した。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Basnews, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

停戦を拒否するアル=カーイダ系の2組織(シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動)が不和を解消(2017年6月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は共同声明を出し、砂漠地帯(ハマー県東部)での不和を解消することで合意したと発表した。

共同声明には、シャーム解放機構のアブー・ユースフ氏(ハサカ県)とシャーム自由人イスラーム運動のアブー・イスハーク(イドリブ県ジャルジャナーズ町)、仲介者となったシャイフ・アブドゥッラッザーク・マフディー氏が署名しており、双方が拘束中の捕虜全員の釈放、1月に対立を深めて以降に双方が設置したすべての検問所の撤去と不使用、メディアでの非難合戦の停止などが定められている。

Kull-na Shuraka’, June 1, 2017

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ラフマーン軍団、シャーム解放機構が、東グータ地方のアシュアリー農場一帯でイスラーム軍と交戦した。

戦闘はイスラーム軍の進攻を受けたもので、双方合わせて10人が負傷した。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は米軍の支援を受ける反体制武装集団が残留するダマスカス郊外県南東部の砂漠地帯を爆撃(2017年6月1日)

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(6月2日付)によると、シリア軍戦闘機が米軍の支援を受ける反体制武装集団(「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室)が展開する県南東部のビイル・カスブ地区、ダクワ丘一帯に対して空爆を実施した。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(6月1日付)によると、シリア軍・親政権武装勢力が仕掛けた爆弾がカフルシャムス町内で爆発し、住民15人が死亡、20人以上が負傷した。

スマート・ニュース(6月1日付)によると、死亡したのは第46師団(自由シリア軍)の戦闘員と民間人合わせて35人。

また、スーラ町と西ガーリヤ村を結ぶ街道で爆弾が爆発し、車で移動していたムハーリジーン・ワ・アンサール旅団の司令官2人が死亡、3人が負傷した。

一方、クッルナー・シュラカー(6月2日付)によると、シリア軍戦闘機がダルアー市内の反体制武装集団支配地域を「樽爆弾」で空爆し、17人が死亡した。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、June 2, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、SMART News, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領とアスマー夫人はダマスカス県バルザ区で反体制武装集団が釈放した34人およびその家族を慰問(2017年6月1日)

アサド大統領はアスマー・アフラス夫人とダマスカス県バルザ区で反体制武装集団に捕捉されていた34人およびその家族と面談した。

SANA, June 1, 2017

SANA(6月1日付)が伝えた。

クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、34人は、ロシアの仲介によりシリア政府と同地の反体制武装集団が交わした停戦合意に基づき、反体制武装集団およびその家族のイドリブ県、アレッポ県(ジャラーブルス市)への退去が完了したのを受けて、29日に反体制武装組織の一つ第1旅団によって釈放され、国防隊に身柄が引き渡されていた。

Kull-na Shuraka’, May 31, 2017

 

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, May 31, 2017、June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダン軍参謀長はシリア領内へのヨルダン軍部隊の進駐を否定(2017年6月1日)

ヨルダン軍統合参謀委員会議長のマフムード・アブドゥルハリーム・フライハート大将は、退役軍人とのイフタールの席上でシリア情勢について言及、そのなかで、「複数のメディアで言われているようなシリア領内へのヨルダン軍の進駐」は事実に反すると述べた。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプで籠城を続けてきた反体制武装集団(シャーム解放機構)負傷兵16人が停戦合意に従ってイドリブ県に退去(2017年6月1日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプで籠城を続けてきた反体制武装集団(シャーム解放機構)負傷兵16人が、イドリブ県フーア市、カファルヤー町とダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からの戦闘員・住民の避難にかかるファトフ軍とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラー間の停戦合意に従って、同地をあとにし、イドリブ県方面に向かった。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合の爆撃でダーイシュのバーレーン人幹部が死亡(2017年6月1日)

「ラッカは沈黙によって惨殺される」(6月1日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)のバーレーン人幹部の一人でシャリーア学者のトゥルキー・ビンアリー氏が、5月29日に米主導の有志連合のラッカ県に対する空爆で死亡したと伝えた。

これに関して、ダーイシュに近い複数のSNSアカウントは、ビンアリー氏の死亡を認めつつも、ハイル州(ダイル・ザウル県)に対する有志連合の空爆で死亡したとしている。

Kull-na Shuraka’, June 1, 2017

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Raqqa-sl, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍はラッカ市近郊で空挺作戦を実施し、ダーイシュのメンバー多数を殺害、司令官1人を拘束(2017年6月1日)

ラッカ県では、『ハヤート』(6月2日付)によると、米軍がラッカ市北部のシュナイナ村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して空挺作戦を実施した。

空挺作戦は米空軍ヘリコプター6機が参加して実施され、シュナイナ村に降下した空挺部隊は、ダーイシュと交戦し、戦闘員多数を殺害、また司令官1人を拘束したという。

**

同じく、ラッカ県では、ARA News(6月1日付)によると、タブカ市とラッカ市の間に位置するマンスーラ市一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

『ハヤート』(6月2日付)によると、シリア民主軍はまた、米主導の航空支援を受けバアス・ダム南側の入口一帯でダーイシュとの戦闘を続け、マンスーラ市南部のアブー・シャジャラ村を制圧した。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機はラッカ市から撤収しようとしたダーイシュの車列を爆撃し、戦闘員80人以上を殲滅(2017年6月1日)

ロシア国防省は声明を出し、30日深夜、ラッカ市からヒムス県東部方面に撤収を試みようとしていたダーイシュ(イスラーム国)の車列をシリア駐留ロシア空軍の航空部隊が爆撃し、戦闘員80人以上を殲滅、タンクローリー8輌、乗用車53台、武装したピックアップ・トラック17台を破壊した。

SANA, June 1, 2017

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はダイル・ザウル県、ヒムス県、ハマー県でダーイシュと交戦(2017年6月1日)

ダイル・ザウル県では、SANA(6月1日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市の心臓外科病院近くにあるユーフラテス川通行所一帯、フワイジャト・サクル、サルダ山一帯、ハウィージャト・マリーイーヤ村、ブガイリーヤ村を空爆・砲撃し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員多数を殲滅した。

**

ヒムス県では、SANA(6月1日付)によると、シリア軍が県東部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、マヌーフ村、アブー・タッラーハ村、ハーン・スィッラ村、ウンク・ハワー村、アブー・タバービール村、ジュッブ・ハブル村、グナイマート村などを砲撃した。

**

ハマー県では、SANA(6月1日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市東方一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、バルグースィーヤ村、アルシューナ村、アブー・フバイラート村、アカシュ村、ウンム・ミール村、ティバーラト・ディーバ村でダーイシュ拠点に対して集中的な空爆・砲撃を実施した。

AFP, June 1, 2017、AP, June 1, 2017、ARA News, June 1, 2017、Champress, June 1, 2017、al-Hayat, June 2, 2017、Kull-na Shuraka’, June 1, 2017、al-Mada Press, June 1, 2017、Naharnet, June 1, 2017、NNA, June 1, 2017、Reuters, June 1, 2017、SANA, June 1, 2017、UPI, June 1, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは14件の停戦違反を、トルコ側は12件の違反を確認(2017年6月1日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月1日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件確認したと発表した。

ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームが確認した停戦違反の内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が5件、ダルアー県が2件、ラタキア県が2件、ハマー県が5件。

またトルコ側の監視チームも12件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、ダルアー県4件、ヒムス県3件、アレッポ県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間に、クナイトラ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は1,535市町村、武装組織の数は219組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 1, 2017をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は5月31日、ラッカ県、ダイル・ザウル県で23回の爆撃を実施(2017年6月1日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月31日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して30回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は23回で、ブーカマール市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)、ラッカ市近郊(14回)で実施された。

CENTCOM, June 1, 2017をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.