ロジャヴァはシリア軍にハサカ市、カーミシュリー市から政府関連施設、軍拠点の撤去を求め、アサーイシュ・YPGとシリア軍の間で緊張高まる(2017年6月7日)

ハサカ県では、ARA News(6月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュと人民防衛隊が、ハサカ市の治安厳戒地区に含まれるマサーキン地区、カダート通りに多数展開し、シリア軍に対して政府関連施設と軍拠点の撤去を要請、両者の間の緊張が高まった。

アサーイシュと人民防衛隊はまた、カーミシュリー市内でも隊員を展開させ、シリア軍に圧力をかけている、という。

ハサカ市とカーミシュリー市は、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割統治(共同支配)を行っており、これまでにもたびたび武力衝突が起こっている。

ARA News, June 8, 2017

 

『ハヤート』(6月9日付)によると、これにより、ハサカ市ではアサーイシュとシリア軍部隊が散発的に衝突しているという。

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クッルナー・シュラカー(6月9日付)によると、ハサカ市、カーミシュリー市の緊張は、シリア軍がラッカ県アブー・アースィー村西部の人民防衛隊拠点を砲撃したことへの対抗措置だという。

AFP, June 8, 2017、AP, June 8, 2017、ARA News, June 8, 2017、Champress, June 8, 2017、al-Hayat, June 9, 2017、Kull-na Shuraka’, June 8, 2017、June 9, 2017、al-Mada Press, June 8, 2017、Naharnet, June 8, 2017、NNA, June 8, 2017、Reuters, June 8, 2017、SANA, June 8, 2017、UPI, June 8, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県東部マスカナ市一帯にあるYPG主体のシリア民主軍拠点を砲撃(2017年6月7日)

アレッポ県では、ARA News(6月8日付)によると、4日に制圧した県東部におけるダーイシュ(イスラーム国)最後の拠点都市マスカナ市南部のユーフラテス川河畔に配置されていた西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点3カ所をシリア軍が砲撃した。

シリア民主評議会(シリア民主軍の政治部門)の共同議長を務めるイルハーム・アフマド女史はこの砲撃に関して、ツイッターで、「シリア民主軍のラッカ市解放作戦を妨害しようとしている」と非難した。

AFP, June 8, 2017、AP, June 8, 2017、ARA News, June 8, 2017、Champress, June 8, 2017、al-Hayat, June 9, 2017、Kull-na Shuraka’, June 8, 2017、al-Mada Press, June 8, 2017、Naharnet, June 8, 2017、NNA, June 8, 2017、Reuters, June 8, 2017、SANA, June 8, 2017、UPI, June 8, 2017などをもとに作成。

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シリア政府使節団が国連職員とともにダーイシュ支配下のハジャル・アスワド市(ダマスカス郊外県)に入り、停戦合意実施を最終調整(2017年6月7日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(6月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が籠城を続けるハジャル・アスワド市をシリア軍使節団が国連職員とともに訪れた。

訪問は、シリア政府とダーイシュが最近になって交わした停戦合意の実施方法を最終調整するためと見られる。

なお、ダーイシュはハジャル・アスワド市のほか、同市に隣接するダマスカス県タダームン区の一部、カダム区の一部、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの一部を支配下に置いている。

AFP, June 8, 2017、AP, June 8, 2017、ARA News, June 8, 2017、Champress, June 8, 2017、al-Hayat, June 9, 2017、Kull-na Shuraka’, June 8, 2017、al-Mada Press, June 8, 2017、Naharnet, June 8, 2017、NNA, June 8, 2017、Reuters, June 8, 2017、SANA, June 8, 2017、UPI, June 8, 2017などをもとに作成。

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シリア軍は米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室が撤退したアブド丘一帯(ダマスカス郊外県東カラムーン地方)に進軍(2017年6月7日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、親政権武装勢力がドゥマイル航空基地の東方約15キロに位置する東カラムーン地方一帯(アブド丘一帯)で、反体制武装集団と交戦した。

「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派)に参加する殉教者アフマド・アブドゥー軍団のウマル・サービリーン報道官(中佐)によると、シリア軍は、反体制武装集団が撤退したドゥマイル市近郊のアブド丘に進軍したという。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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米軍の支援を受ける革命特殊任務軍はヒムス県南東部のザクフ地区にダーイシュとの戦いのための新たな前哨基地を建設(2017年6月7日)

「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派)に参加する革命特殊任務軍は、ヒムス県南東部のザクフ地区に新たな基地を建設したと発表した。

革命特殊任務軍広報局のバラー・ファーリス氏によると、この基地は、タンフ国境通行所の北東約70キロ、ダイル・ザウル県ブーカマール市の南西130キロの地点に位置し、ダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦の前哨基地となるという。

『ハヤート』(6月8日付)が伝えた。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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イラン革命防衛隊が直接監督する「ファーティミーユーン」の司令官が、米軍が拠点化するシリア領内のタンフ国境通行所一帯での偵察活動中に「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室と交戦し死亡(2017年6月7日)

ヒムス県では、イランのABNA通信(6月7日付)によると、米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室(自由シリア軍砂漠諸派)との戦闘で、タンフ国境通行所一帯での偵察活動中だった民兵組織「ファーティミーユーン」の諜報司令官モハンマド・ホスニー氏(通称サルマーン)が死亡した。

『ハヤート』(6月8日付)によると、「ファーティミーユーン」はイラン・イスラーム革命防衛隊の直接監督のもと、シリア領内で活動を続けてきた組織で、アフガン人(ハザラ人)を主体とする。

「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室は、米主導の有志連合によるダマスカス郊外県東部のシリア軍拠点に対する空爆に呼応するかたちで、6日に「土地は我らのものだ」作戦を再開していた。

ABNA, June 7, 2017、AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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米軍の支援を受ける部族自由人軍はシリア軍との戦闘の末、ズィラフ刑務所(ダマスカス郊外県)を制圧(2017年6月7日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、米軍の支援を受ける部族自由人軍(「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室参加組織)が、シリア軍と戦闘の末に、ズィラフ・ダムに近い県東部のズィラフ刑務所を制圧した。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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イランが後援する外国人民兵は「シリア同盟者部隊」作戦司令室の名で声明を出し、米国への報復を示唆(2017年6月7日)

「シリア同盟者部隊」作戦司令室は声明を出し、タンフ国境通行所(ヒムス県)に向けて進軍を続けるシリア軍・親政権武装勢力の拠点・車列に対する6日の米主導の有志連合による空爆を非難するとともに、シリア領内および周辺諸国の米軍拠点に対して攻撃を行う能力を備えていると威嚇した。

クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、「シリア同盟者部隊」作戦司令室は、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構、これらの組織と連携する反体制武装集団に対するシリア軍の「テロとの戦い」に参加する外国人武装勢力((レバノンのヒズブッラー、イラク人民兵、アフガニスタン・パキスタン人(ハザラ人)民兵など)の連合体で、イランが後援している。

「シリア同盟者部隊」作戦司令室は声明のなかで、「いわゆる「対テロ有志連合」の名で米国が行った敵対行為は、不用意かつ危険な振る舞いであり、米国がテロに立ち向かっているとうそぶいていることの良い一例だ…。米国はシリア軍とその同盟者の血が安くないことを知ることになる。シリアおよびその隣国の彼らの拠点に打撃を与える能力は充分に備わっている」と主張した。

そのうえで、「米国は和平もテロとの戦いも望んでいない。シリア領内にテロの温床を維持し、米国の命令に従って任務が遂行されることを望んでいるのだ」と非難した。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍は米軍の支援を受ける「ハマード浄化のために我らは馬具を備えし」作戦司令室との対立が続くスワイダー県南東部に侵攻したダーイシュを撃退(2017年6月7日)

スワイダー県では、SANA(6月7日付)によると、シリア軍が県東部のカルア地区、ズィルフ・ダム一帯、フランス駐在所一帯に侵攻しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

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ヒムス県では、SANA(6月7日付)によると、シリア軍が「同盟部隊」とともに県東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、タドムル市南東のスッカリー採石所に近いゼノビヤー・リゾート、ファッリー丘からサワーナ町に至る地帯を制圧した。

SANA, June 7, 2017

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は親政権武装勢力とともにダーイシュ追撃を続け、アーラーク油田に近いムスタディーラ山地に連なる丘陵地帯に進軍した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月7日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のイーマーン・ガソリン・スタンド、パノラマ交差点一帯、ラッカ橋、第13連隊基地一帯、アイヤーシュ村燃料庫一帯などを空爆した。

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ハマー県では、スマート・ニュース(6月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がサラミーヤ市東部郊外のバルグースィーヤ村一帯、シャイフ・ハラール村南部の丘陵地帯などでシリア軍と交戦し、の戦略的丘1カ所を制圧した。

これを受け、ロシア軍と思われる戦闘機が同地を空爆した。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、SMART News, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が活動するダルアー市に対して激しい爆撃・砲撃を続ける(2017年6月7日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市各所(難民キャンプ地区、ダム街道地区など)を地対地ミサイルと思われる砲弾などで少なくとも54回にわたり砲撃した。

またシリア軍はヘリコプターで同地に「樽爆弾」25発以上を投下、さらに戦闘機によって16回もの空爆を実施した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、東グータ地方のフーシュ・ダワーヒラ村の反体制武装集団(イスラーム軍など)の拠点を地対地ミサイルと思われる砲弾で砲撃した。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ支配下のラッカ市西部入口に到達(2017年6月7日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ラッカ市西部のハルカル城丘を制圧し、ラッカ市西側の入口に到達した。

また米主導の有志連合がラッカ市内のジュマイリー地区にあるヌール・モスクの近くでダーイシュの車輌2台を爆撃、またブスターン公園内に配備されていた23ミリ機関砲を装備する車輌を破壊した。

なお、シリア人権監視団によると、ラッカ市では米主導の有志連合の空爆により過去48時間で民間人30人の死亡が確認されているという。

一方、ラッカ市内で住民に対する裁判で、「背教罪」や有志連合との「共謀罪」を宣告してきたダーイシュの幹部の一人アブドゥッラー・ジャルキーフ氏がシリア民主軍に投降したという。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構はイドリブ県南部にある同胞団系のシャーム軍団の本部3カ所を接収(2017年6月7日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月7日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、県南部のナキール村近郊にある親トルコでシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の本部3カ所を接収した。

接収に際して両者の間に戦闘は発生せず、シャーム軍団のメンバーは軽火器を携帯したまま、本部3カ所を放棄し、退去したという。

AFP, June 7, 2017、AP, June 7, 2017、ARA News, June 7, 2017、Champress, June 7, 2017、al-Hayat, June 8, 2017、Kull-na Shuraka’, June 7, 2017、al-Mada Press, June 7, 2017、Naharnet, June 7, 2017、NNA, June 7, 2017、Reuters, June 7, 2017、SANA, June 7, 2017、UPI, June 7, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2017年6月7日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月7日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件確認したと発表した。

ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームが確認した停戦違反の内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が2件、ダルアー県が2件、ハマー県が3件。

またトルコ側の監視チームも5件(ダルアー県4件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 7, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は6月6日、ラッカ県、ダイル・ザウル県で28回の爆撃を実施(2017年6月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月6日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して28回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ブーカマール市近郊(2回)、タンフ国境通行所近郊(1回)、ラッカ市近郊(17回)、タブカ市近郊(1回)で実施された。

CENTCOM, June 7, 2017をもとに作成。

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