反体制武装集団がトルコ軍とともにアフリーン住民12人を拉致、民家を司令部として転用(2018年7月4日)

アレッポ県では、ANHA(7月4日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡のムーバター村近郊のミールカーン村で、シャーム戦線がトルコ軍第3師団とともに住民12人を拉致、連行した。

また、末裔軍大隊が同じくムバーター村近郊のハッブー村の民家3件を接収し、司令部に改装した。

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘続く(2018年7月4日)

ダルアー県では、SANA(7月4日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)が撃った迫撃砲弾数十発がダルアー市サハーリー地区、パノラマ地区、カーシフ地区、ダーヒヤ地区に着弾し、住民複数人が負傷した。

これに対してシリア軍は、ヌアイマ村、ダルアー市旧税関地区から砲撃を続ける武装集団に反撃した。

一方、シリア政府の支配下に復帰した東ガーリヤ市では、シリア軍の勝利と反体制派との和解を祝う祝典が行われ、多数の住民が参加した。

SANA, July 4, 2018

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はブスラー・シャーム市の処遇をめぐる停戦交渉が失敗に終わったと発表する一方、停戦に向けた17項目からなる工程表を準備(2018年7月4日)

シャーム解放機構などダルアー県で活動を続ける反体制武装集団からなる南部中央作戦司令室は声明を出し、UNESCO世界文化遺産の円形劇場を擁するダルアー県ブスラーシャーム市の処遇をめぐるロシア側との停戦交渉が失敗に終わったと発表した。

声明によると、ロシア側が重火器の引き渡しに固執したために、交渉は決裂したという。

南部中央作戦司令室はまた別の声明で、「戦闘や脅迫に似た言葉での交渉は不可能だ。我々は国際社会の監視のもとで南部での交渉を行うことを要求する…住民、とりわけ革命家の権利と尊厳を保証するために交渉したい。なぜなら我々の革命は自由と尊厳のためのものだったからだ」と表明した。

そのうえで、「シリア全土で包括的な問題解決がなされるまで、この合意を現状に即した包括的合意、工程表をめざす」と述べた。

これに関して、イナブ・バラディー(7月4日付)は、3日にロシア軍代表団との停戦交渉を再開した反体制武装集団(南部中央作戦司令室)の交渉チームが、ロシア側に17項目からなる停戦のための工程表を示す準備をしていると伝え、その内容を明らかにした。


工程表の内容は以下の通りだという。

1. シリア南部で両当事者が即時戦闘停止する。
2. 「アサド軍」およびその治安部隊が同地域に進駐しないことを誓約する。
3. 「アサド軍」は攻撃以前に展開していた地域に撤退する。
4. 反体制派は随時重火器を引き渡すとともに、住民を帰還させる。
5. シリア政府の民政期間を復活させ、すべての職員を復職させる。
6. 首都ダマスカス、スワイダー県にいたる街道を再開する。
7. 地元部隊(反体制派)を支援するため、中火器で武装した中央部隊(シリア政府)を設置する。
8. 各地の治安維持を目的とする地元部隊を設置する。
9. 中央部隊はナスィーブ国境通行所一帯の防衛にあたる。
10. ナスィーブ国境通行所は文民の職人が管理し、ロシア軍憲兵隊がその警護にあたる。
11. ナスィーブ国境通行所とスワイダー県を結ぶ軍道は「アサド軍」が管理する。
12. アスタナ会議に従い逮捕者・拉致被害者問題を解決する。
13. 離反兵(脱走兵)を免罪する。
14. 免罪手続きを行うための施設を各地に設置する。
15. シリア全土で包括的な問題解決がなされるまで、この合意を現状に即した工程表と位置づける。
16. この合意はダルアー県、クナイトラ県全土に適用される。
17. ロシア政府がこの合意の保証国となる。

なお、南部中央作戦司令室のイブラーヒーム・ジャバーウィー報道官はロイター通信(7月3日付)に対して、「反体制派の交渉人が今日(3日)、ロシア軍士官とシリア南部の和平合意に向けた協議を再開した」と述べていた。

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しかし、SANA(7月4日付)によると、UNESCO世界文化遺産の円形劇場を擁するブスラー・シャーム市で活動を続けてきた反体制武装集団(スンナ青年旅団)が、ヨルダンとロシアの仲介による1日の停戦合意に従い、2日に続いてシリア軍に重火器の引き渡しを行った。

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、‘Inab Baladi, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県で活動するシリア救国内閣が武装集団の嫌がらせを受け、閣僚が辞任(2018年7月4日)

オリエント・ニュース(7月4日付)は、イドリブ県の自治を担っていると主張するシリア救国内閣(ムハンマド・シャイフ首班)のイブラーヒーム・シャーシュー法務大臣が辞任したと伝えたうえで、その背景に、同内閣と同地で活動する反体制武装集団の間の対立や武装集団どうしの対立があったと伝えた。

同サイトによると、こうした対立のなかで、シリア救国内閣は嫌がらせを受け、支配地域での民政を妨害されたという。

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Orient News, July 4, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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シリア政府と国連地雷対策サービス部がMoUを交わす(2018年7月4日)

首都ダマスカスの外務在外居住者省で、シリア・アラブ共和国と国連地雷対策サービス部(UNMAS)との間で、地雷撤去にかかる了解覚書(MoU)の署名式が行われた。

シリア政府からはファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が、国連地雷対策サービス部(UNMAS)からはアグネス・マカイユ部長が署名式に参加した。

SANA(7月4日付)が伝えた。

SANA, July 4, 2018

AFP, July 4, 2018、ANHA, July 4, 2018、AP, July 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 4, 2018、SANA, July 4, 2018、UPI, July 4, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは12件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月4日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月4日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(ハマー県2件、アレッポ県6件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 4, 2018をもとに作成。

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親政権日刊紙『ワタン』:シリア政府とロジャヴァがハサカ県内の合同検問所、シリア軍徴兵事務所の設置で合意、シリア政府は国境通行所の管理を、ロジャヴァは石油鉱物資源大臣のポストを要求(2018年7月3日)

親政権日刊紙『ワタン』(7月3日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)とシリア政府が交渉の末に、YPGとシリア軍の合同検問所とシリア軍の徴兵事務所を県内各地に設置することで合意に達したと伝えた。

同紙によると、この合意を受けて、YPGは、カーミシュリー市などに掲揚していた旗、戦死者の写真、クルディスタン労働者党(PKK)指導者のアブドゥッラ・オジャラン氏の写真を撤去したという。

この合意に関して、トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』(7月3日付)は、ロシアと米国による最近の協議を経て実現したと伝えた。

同紙が複数の活動家の話として伝えたところによると、「合意は経済・教育面に関するもので、軍事面に関するものではないが、シリア政府はクルドの民兵(YPG)に、イラク国境に面するヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町の国境通行所とスィーマルカー(フーシュ・ハーブール)国境通行所、トルコ国境に面するダルバースィーヤ市、ラアス・アイン市の通行所を引き渡すとともに、石油・ガス田を石油鉱物資源省に移管するよう要求した」という。

これに対して、YPG側は、ロジャヴァ支配地域の学校でのアラビア語とクルド語教育の継続、クルド人の石油鉱物資源大臣への任命を求めたという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、カーミシュリー市庁(シリア政府)は、民主統一党(PYD)の旗が撤去されたのを受けて、シリア国旗、アサド大統領の写真を市内各所に配布したという。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018、Yeni Safak, July 3, 2018、al-Watan, July 3, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県マハッジャ町のシリア軍武器庫で大きな爆発、イスラエル軍の爆撃か?(2018年7月3日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、マハッジャ町近郊にあるシリア軍の武器庫で複数回にわたり大きな爆発が起きた。

爆発の原因は不明だが、複数の活動家はイスラエル軍の爆撃だとの見方を示している。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の司令官がダイル・ザウル県で暗殺される(2018年7月3日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(7月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令官の一人ハラフ・トゥルキー・ハビール氏がタキーヒー村近郊のアフマル地区で何者かの発砲を受け、同行していた1人とともに死亡した。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、Euphrates Post, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍は声明を出し、ダルアー県での反体制派に加勢する条件を提示(2018年7月3日)

ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、イスラエル占領下のゴラン高原に面するダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域を支配下に置くハーリド・ブン・ワリード軍は声明を出し、6月19日に激化したシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)の戦闘に関して、「背教者(ムルタッド)の側に立ち戦うことはなく…、カリフの権威のもとでのみジハードと戦闘を行う」と表明、反体制武装集団に対してダーイシュに忠誠(バイア)を近い、改悛し、背教を清算するよう呼びかけた。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)が伝えた。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム自由人イスラーム運動メンバーが爆弾の爆発に巻き込まれ、5人死亡(2018年7月3日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)の戦闘員が乗った車が、マストゥーマ村とアリーハー市を結ぶ街道を移動中に爆弾の爆発に巻き込まれ、5人が死亡、2人が負傷した。

車はラタキア県北部の拠点に向かう途中だった。

なお、マストゥーマ村とアリーハー市を結ぶ街道では前日にも爆弾が爆発し、シャーム解放機構の戦闘員多数が負傷したという。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地が所属不明の無人航空機の攻撃を受ける(2018年7月3日)

ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)は、親政権の複数のサイトの情報として、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地が、過去48時間に所属不明の無人航空機による攻撃を複数回受け、同基地のロシア軍防空システムが迎撃したと伝えた。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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シリア政府との和解に応じ投降していたシャーム自由人イスラーム運動の幹部ら10人が逮捕され、テロ法廷に送検(2018年7月3日)

シリア軍およびその同盟勢力の軍事攻勢を分析するサイト「ノールス研究センター」(7月3日付)は、ダマスカス郊外県サルガーヤー山でシリア軍との停戦・和解に応じたシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)のメンバー10人を逮捕し、7月2日にテロ法廷に送検したと伝えた。

逮捕・送検されたのは、同地で活動を続けていたシャーム自由人イスラーム運動の司令官を務めていたムハンナド・シャンマート氏ら。

彼らは2016年2月21日にシリア政府との和解に応じ、武器を棄て投降していた。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Nors for Studies, July 3, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュのバグダーディー最高指導者の長男フザイファ・バドリー氏がヒムス県で戦死(2018年7月3日)

ダーイシュ(イスラーム国)に近いナーシル・ニュース(7月3日付)は、最高指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の長男のフザイファ・バドリー氏(15歳)が死亡したと報じた。

死亡報道によると、フザイファ・ハドリー氏は、ヒムス州の火力発電所でヌサイリー派(アラウィー派)とロシア人に対する特攻攻撃を行った際に殺害されたという。

戦死した時期は不明。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Nashir News, July 3, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室がロシア軍士官との停戦交渉を再開するなか、シャーム解放機構は停戦を「ハラーム中のハラーム」と批判(2018年7月3日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、ロシア側代表団と県南部で活動を続けている反体制武装集団の停戦交渉が再開された。

交渉はロシア側の要請によるものだという。

これに関して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団によって構成される南部中央作戦司令室のイブラーヒーム・ジャバーウィー報道官はロイター通信(7月3日付)に対して、「反体制派の交渉人が今日(3日)、ロシア軍士官とシリア南部の和平合意に向けた協議を再開した」と述べた。

ジャバーウィー報道官によると、反体制派側は、武器引き渡しや戦闘員の処遇に関してロシア側が提示していた要求リストへの回答を交渉の席に持参しているという。

 

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、ナワー最高司法評議会は声明を出し、反体制武装集団に対して、シリア政府との停戦・和解に応じないよう警告、停戦・和解に応じた場合は「前線の法廷で裁判にかける」と脅迫、徹底抗戦を呼びかけた。

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また、シャーム解放機構の幹部の一人で説教師のアブドゥッラッザーク・マフディー氏はテレグラムの自身のアカウントを通じてダルアー県での戦闘にかかるファトワーを出し、そのなかで、ロシアを保障国とするシリア政府との和解を「降伏に他ならず、ハラーム中のハラーム」とする判断を下した。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるアフリーン市で武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦(2018年7月3日)

アレッポ県では、ANHA(7月3日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン市アシュラフィーヤ地区にあるサーリフ・アリー小学校で未明に、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦した。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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シリアの外務在外居住者省は国外の難民に帰国を呼びかける(2018年7月3日)

外務在外居住者省の公式筋は、シリア国内での戦闘やテロによって国外への避難を余儀なくされてきたシリア人に帰国を呼びかけた。

同公式筋はSANA(7月3日付)に宛てた声明のなかで、「軍武装部隊がシリアで連戦連勝を収め、軍事作戦、和解プロセスを通じてテロから多くの地域が解放された」としたうえで、国外に避難したすべてのシリア人に帰国を呼びかけた。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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シリア軍がクハイル村を制圧するとともに、ダルアー市などを砲撃(2018年7月3日)

ダルアー県では、SANA(7月3日付)によると、シリア軍が県東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦を続け、クファイル村を制圧、地雷・爆発物の撤去を完了し、同地の治安と安定を回復した。

シリア軍はまた県西部では、タファス市などで、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団だけでなく、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の拠点を攻撃した。

シリア人権監視団も、ティーラ村一帯、サマン丘、タファス市一帯でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘が再開、シリア軍はタファス市、タイバ町、ムザイリーブ町、ダルアー市ダルアー・バラド地区を砲撃したと発表した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(7月3日付)によると、このほかにも、ナワー市、サイダー町、マターイヤ村、ジッリーン村がシリア軍の砲撃、爆撃を受けた。

これに対して、南部中央作戦司令室はサマン丘前線でシリア軍と親政権民兵を要撃したという。

 

一方、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のリズ・サロセル(Liz Throssell)報道官は報道声明を出し、ヨルダン政府に対して避難民のために国境を開放するよう求めていることを明らかにした。

ロイター通信(7月3日付)が伝えた。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月3日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ハマー県1件、ラタキア県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 3, 2018をもとに作成。

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トルコの実質占領下のアレッポ県アフリーン郡でアタテュルクが第一次大戦中の対英戦で使用した屋敷が発見される(2018年7月2日)

アナトリア通信(7月2日付)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県北西部のアフリーン郡ラージュー町で、ムスタファ・ケマル・アタテュルクがエルサレム防衛のための司令所として使用した屋敷が見つかったと伝えた。

ハタイ県ムスタファ・ケマル大学で歴史学を研究するスレイマン・ハテプオール博士によると、アタテュルクは第1次大戦中、エルサレム(パレスチナ)防衛のための軍事計画を策定するためにこの屋敷を使用したという。

ハテプオール博士によると「アタテゥルクはパレスチナの第7軍司令官に着任し、1918年10月にアレッポに入り、その後アフリーンに移動、オスマン軍部隊とともにクトマ駅に進駐した…。そこで、クルド人、アラブ人の民衆からなる抵抗ネットワークを構築し、予備部隊を編成、クトマでの英軍との戦闘で勝利を収めた」という。

地元消息筋によると、屋敷はアタテゥルクの滞在中にオスマン軍を支援した同地の名士の1人ハニーフ・アーガー氏が所有しており、1890年に建設された石造りの建物だという。

AFP, July 2, 2018、Anadolu Ajansı, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織の奇襲を受け、ロシア・シリア両軍がハマー県北部のトルコ軍監視所近くを爆撃・砲撃(2018年7月2日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月2日付)によると、ロシア軍戦闘機がムーリク市東部の農地を爆撃、これと合わせてシリア軍もラハーヤー村、マアルカバ村、ブワイダ村、アトシャーン村一帯を砲撃した。

ロシア軍が爆撃を行った地点はトルコ軍の監視所から700メートルほどの距離にしていたという。

なお、複数の活動家によると、攻撃は、フッラース・ディーンによるバッザーム丘奇襲を受けたものだという。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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ハマー県北部で新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーンがシリア軍拠点を奇襲(2018年7月2日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月2日付)によると、アル=カーイダの幹部アブー・ハマーム・シャーミー氏の指導のもと、シリア北部で活動する新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーンが県北部のバッザーム丘にあるシリア軍拠点複数カ所を奇襲、これを制圧した。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はハサカ県南東部のダーイシュ支配地域を解放(2018年7月2日)

ハサカ県では、ANHA(7月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が6月30日、7月1日の2日間で県南東部ダシーシャ村南部の数十の村・農場をダーイシュ(イスラーム国)から解放した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月2日付)によると、シリア民主軍が制圧したのは、イラク国境に近いザルカーン村など。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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米上院議員2人からなる使節団が、米軍が進駐するロジャヴァ支配下のマンビジュ市を訪問(2018年7月2日)

アレッポ県では、ANHA(7月2日付)によると、共和党のリンゼー・オーリン・グラム上院議員(キャロライナ州選出)と民主党のシンシア・ジーン・シャヒーン上院議員(ニューハンプシャー州)らからなる米国使節団が、有志連合を主導する米軍が進駐する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のマンビジュ市を訪問した。

使節団はマンビジュ市および同郊外民主民政評議会施設前で、ロジャヴァ人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会幹部および、民政局幹部の出迎えを受け、市内を視察した。

視察訪問には、民政局立法評議会のファールーク・マーシー共同議長、執行評議会のムハンマド・シャイフー共同議長、シリア・ムスタクバル党のイブラーヒーム・カフターン党首、マンビジュ軍事評議会のムハンマド・アブー・アーディル総司令官も同行した。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構はロシアによる退去要請を拒否、ダルアー県住民に徹底抗戦を呼びかける(2018年7月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)は「屈辱ではなく死を」と題した声明を出し、軽火器を棄ててシリア南部から退去する旨ロシアから要求されたと暴露したうえで、この申し出を拒否し、ダルアー県の住民に対して徹底抗戦を呼びかけた。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー県ムサイフラ町を制圧(2018年7月2日)

ダルアー県では、SANA(7月2日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、ムサイフラ町を制圧、地雷・爆発物を撤去し、同地の治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、ダルアー市西部郊外および南東部郊外でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦を継続、旧税関地区で武装集団と激しく交戦した。

SANA, July 2, 2018

 

syria.liveuamap.com, July 2, 2018

これに対し、シャーム解放機構がダルアー市東カーシフ地区を砲撃し、61歳の男性1人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はタファス市を砲撃した。

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なお、シリア人権監視団によると、ロシア・シリア両軍の攻撃が激化した6月19日以降、ダルアー県での死者数は132人(うち子供25人、女性23人)に達しているという。

また、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ヨルダン事務所のムハンマド・ヒワーリー報道官はロイター通信(7月2日付)に対して、ダルアー県での戦闘激化に伴う避難民が、27万人に達していると述べた。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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UNESCO世界文化遺産の円形劇場を擁するブスラー・シャーム市の反体制武装集団が停戦合意に応じ重火器引き渡しを始める一方、ロシアとの交渉で決裂した危機管理チームは徹底抗戦を呼びかける(2018年7月2日)

SANA, July 2, 2018

ダルアー県では、SANA(7月2日付)によると、UNESCO世界文化遺産の円形劇場を擁するブスラー・シャーム市で活動を続けてきた反体制武装集団(スンナ青年旅団)が、ヨルダンとロシアの仲介による1日の停戦合意に従い、シリア軍に重火器の引き渡しを始めた。

https://youtu.be/Dzb3QDzeyHU

syria.liveuamap.com, July 2, 2018

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一方、ロシアとの停戦交渉で決裂した(暫定)危機管理チームは声明を出し、「狭量な個人的利害を実現するため、革命家の誠実さと勇気を利用しようとする者がいる」として、ロシア軍代表団と停戦合意を交わしたブスラー・シャーム市の反体制武装集団(スンナ青年旅団)などを暗に批判、「総動員令」を発すると宣言し、「武器を手にできるすべての者に最寄りの戦闘地域に向かう」よう呼びかけた。

AFP, July 2, 2018、ANHA, July 2, 2018、AP, July 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2018、al-Hayat, July 3, 2018、Reuters, July 2, 2018、SANA, July 2, 2018、UPI, July 2, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月2日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月2日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県4件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 2, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は6月25日~7月1日までの7日間でシリア領内で20回の爆撃を実施(2018年7月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、6月25日~7月1日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

6月25日は、シリア、イラク領内のいずれにおいても爆撃は実施されなかった。

6月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(5回)、シャッダーディー市近郊(3回)に対して行われた。

6月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(5回)、シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。

6月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

6月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ブーカマール市近郊(2回)、シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。

6月30日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は2回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。

7月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は0回だった。

CENTCOM, July 2, 2018をもとに作成。

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英軍はシリア国内での極秘特殊作戦で5,800米ドル相当の航空機を失う(2018年7月1日)

英紙『サンデー・タイムズ』(7月1日付)は、英空軍の航空機C130Jハージュリーズがシリア国内での特殊任務中に強制着陸を余儀なくされ、甚大な被害を被ったと伝えた。

同紙によると、今日着陸した航空機は、シリア領内での極秘特殊作戦を終え、英軍特殊部隊の兵士を乗せて飛行していたという。

この事件ののち、英空軍は5,800米ドル相当のこの航空機の登録を抹消したという。

AFP, July 3, 2018、ANHA, July 3, 2018、AP, July 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 3, 2018、al-Hayat, July 4, 2018、Reuters, July 3, 2018、SANA, July 3, 2018、The Sunday Times, July 1, 2018、UPI, July 3, 2018などをもとに作成。

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