ロシア難民受入移送居住センター:23日に難民2,084人が新たに帰国(2018年7月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月24日付)を公開し、23日に難民2,084人がシリアに帰国したと発表した。

内訳は、レバノンからの帰国者2,038人(ザムラーニー国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者46人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は690万3,269人(うち女性207万979人、子供352万665人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 24, 2018をもとに作成。

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ホワイト・ヘルメット幹部はシリア国内の残されたメンバーに「バスに乗って北へ行くしかない」と告げる(2018年7月24日)

AFP(7月24日付)は、西側諸国が22日にイスラエルとヨルダンの協力を得て、ホワイト・ヘルメットのメンバー約400人をクナイトラ県からヨルダンに脱出させた件に関して、クナイトラ県の農村出身で、同地で医療活動にあたっているホワイト・ヘルメットのメンバーのイマードを名乗る20歳の男性の言葉を紹介した。

イマード氏は「彼ら(西側諸国)は(ホワイト・ヘルメットの)他のメンバーを救出した。だが、我々を脱出させないのか?…。我々は包囲されている」と吐露した。

イマード氏によると、23日にヨルダンでホワイト・ヘルメットの幹部が会合を開き、残されたメンバーの処遇について協議、会合の後、シリア国内に留まっているホワイト・ヘルメットのメンバーたちは、「残された唯一の選択肢は(シリア政府によって用意される)バスに乗って、北部の反体制派支配地域に迎うことだ」と告げられたという。

イマード氏は次のように述べ、シリア政府による報復への恐怖を露わにした。

「我々は、シリア軍の手に渡れば、捨てられたカードのようなものだ。慈悲などない。政権に捕らえられた者はみな行方が分からなくなっている。誰もどうなったか知らない」。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣、ゲラシモフ参謀総長はドイツのメルケル首相とシリア難民の帰還について協議(2018年7月24日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長は、ドイツとフランスを訪問した。

『ハヤート』(7月25日付)などによると、ドイツでは、アンゲラ・メルケル首相と会談し、シリア難民の帰還、紛争解決に向けた政治プロセスについて意見を交わした。

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レバノンのサアド・ハリーリー首相の事務所は声明を出し、駐レバノン・ロシア大使館の高官と会談し、シリア難民の帰還にかかる計画について意見を交わしたと発表した。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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ムンズィル国連シリア副代表「イスラエルによるシリア軍戦闘機撃墜はテロ組織との結びつきを改めて明らかにする行為」(2018年7月24日)

ムンズィル・ムンズィル国連シリア副代表は、国連安保理での会合で、イスラエルによるシリア軍戦闘機撃墜を厳しく非難した。

ムンズィル副代表は、クナイトラ県にあるダーイシュ(イスラーム国)のアジトを爆撃していたシリア軍戦闘機をイスラエルが撃墜したことに関して、「テロ組織との強い結びつきとテロ支援を改めて明らかにした」と指摘、「この強い結びつきは、一部外国の支援を受けて、テロ組織であるホワイト・ヘルメットのメンバー数百人をシリア南部からヨルダンに脱出させたことでも明らか」と批判した。

また、イスラエルによるゴラン高原占領についても、入植、抑圧、人種差別政策を行い、天然資源を略奪、シリア人を拉致し続けていると指弾、同地や兵力引き離し地域でダーイシュやヌスラ戦線(シャーム解放機構)と協力関係にあると批判した。

そのうえで、国連安保理決議第242号、第338号、第497号に従い、イスラエルの一連の侵害行為を阻止し、エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立に向けた必要な措置を直ちに講じるよう呼びかけた。

SANA, July 24, 2018

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍は、ダーイシュ(ハーリド・ブン・ワリード軍)拠点を爆撃するシリア軍戦闘機を撃墜(2018年7月24日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は声明で「ゴラン高原南部のイスラエル領空を侵犯したシリア軍のスホーイ戦闘機1機に向かってパトリオット・ミサイルを発射した…。この戦闘機をレーダーで捕捉、イスラエル領空内2キロの深さまで侵犯したため、迎撃した」と発表した。

Naharnet, July 24, 2018

アドライ報道官はまた、「同地では、早朝数時間前から、シリア領内での戦闘の兆候が顕著となっており、シリア軍航空部隊の活動が活発になっていた…。イスラエル軍は、警戒態勢を敷いており…、1974年の停戦合意への違反への対抗措置を継続する」と付言した。

この声明と前後して、ベンヤミン・ネタニヤフ首相も声明を出し、「我が国の防空兵器が先ほど、ゴラン高原南部の領空を侵犯したシリア軍のスホーイ戦闘機1機を撃墜した」と発表した。

そのうえで、ネタニヤフ首相は、「1974年の兵力引き離し協定に対する露骨な違反」と批判、「我々は、領土であれ、領空であれ、我が国の領域に対するいかなる侵入も許さない」と強調した

イスラエル軍が「領空」と主張しているのは、1974年の兵力引き離し協定に従って設置された停戦ラインの内側だが、同地は1967年にイスラエルが占領したシリア領のゴラン高原。

『ハアレツ』(7月24日付)は、イスラエル北部の住民が、迎撃ミサイル2発の軌跡を目撃、爆発音を耳にしたと伝えた。

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また、イスラエル軍のジョナサン・コンリカス報道官は記者団に対して、撃墜された戦闘機がヒムス県中部のタイフール航空基地(T4航空基地)を離陸、イスラエル軍は同機の動きを捕捉していた、と述べた。

コンリカス報道官はまた、パイロットの消息について、「おそらくシリアのゴラン高原の南部に墜落したと思われる…。操縦士2人の消息について情報は持っていない。パラシュートが観測されたとする報道も承知していない。操縦士が見つかったかも承知していない」と述べた。

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シリア軍消息筋は、SANA(7月24日付)に対して、「イスラエル軍はヤルムーク川河畔地域を見下ろすサイダー(・ジャウラーン村)一帯にある武装テロ集団の拠点をシリア領空から爆撃していた我が軍航空機の1機を狙い、彼らを守っていることが改めて確認された」と述べた。

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スプートニク・ニュース(7月24日付)は、シリア軍消息筋の話として、撃墜されたSu-24戦闘機は、操縦士のウムラーン・マルイー大佐のみが搭乗していたが、マルイー大佐は墜落直後に死亡したと伝えた。

同消息筋によると、同機にはもう1人搭乗を予定していたが、作戦開始直前に搭乗を見合わせていたという。

そのうえで、同消息筋は「撃墜された戦闘機はシリア領であるゴラン高原上空にすら入っておらず、シリア領空で狙われた」と付言した。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、Haaretz, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、Sputnik News, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアレッポ県コバネ(アイン・アラブ)市近郊の村の民家や車に発砲(2018年7月24日)

アレッポ県では、ANHA(7月24日付)によると、トルコ軍がコバネ(アイン・アラブ)市東部のアリー・シャール村の民家や走行中の車に向けて発砲した。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県でダーイシュと交戦、35キロ進軍(2018年7月24日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(7月24日付)によると、「ジャズィーラの嵐」作戦第2段階を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)と県東部のラウダ渓谷一帯で交戦し、バーグーズ村方面に35キロ進軍するのに成功した。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はトルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡で捕らえた住民を拷問の末に殺害(2018年7月24日)

ANHA(7月24日付)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡でアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動が住民2人を拉致、イドリブ県の拘置所に連行し、拷問にかけ、24日にヒルバト・ジャウズ村で殺害したと伝えた。

シャーム自由人イスラーム運動は家族に対して身代金を要求していた。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ県でダーイシュの幹部1人を殺害、1人を捕捉(2018年7月24日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー通信(7月24日付)によると、シャーム解放機構がジスル・シュグール市近郊にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点(通称「バラー・シーシャーニー」本部)を襲撃し、激しい戦闘の末、拠点の司令官を務めていたアブー・サイード・シーシャーニー氏を殺害、アブー・アーイシャ・サーヒリー氏を捕捉した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府との停戦合意に従い、投降を拒否した反体制武装集団戦闘員とその家族約900人を乗せてダルアー県ブスラー・シャーム市を発った大型バスの車列が、ムーリク市にある通行所に到着した。

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, July 24, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が活動を続けるダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地帯を南進し、21カ村を制圧(2018年7月24日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が活動を続ける県南西部のヤルムーク川河畔地域に、ロシア・シリア軍の戦闘機が80回以上にわたり爆撃を行った。

爆撃は、サフム・ジャウラーン村、タスィール町、アイン・ズィクル村などに対して行われた。

またサイダー・ジャウラーン村一帯、ジュムーア丘一帯、ジュライン村一帯でシリア軍とハーリド・ブン・ワリード軍が交戦した。

一方、SANA(7月24日付)によると、シリア軍はタスィール町、ジュムーア丘一帯でダーイシュの陣地を砲撃し、第一防衛線を突破した。

シリア軍はまたこれに先立ち、ハーリド・ブン・ワリード軍支配地域の北部一帯で続け、21カ村を新たに制圧した。

新たに制圧したのは、マヒール村、ラフィード町、ラスム・ハサン村、北ハイラーン村、南ハイラーン村、ラスム・アズラーイール村、ラスム・ブンヤーン村、ラスム・ザアルーラ村、ガディール・ブスターン村、アブー・クライア村、アブー・ティーナ村、マアルカ村、ジュバイラ村、マドゥーラ村アブー・ハシャーン村、ウンム・クークス村、ムハイウバ村、マシーダ村、バッサ村、バッカール村、東バッカール村。

syria.liveuamap.com, July 24, 2018

AFP, July 24, 2018、ANHA, July 24, 2018、AP, July 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2018、al-Hayat, July 25, 2018、Reuters, July 24, 2018、SANA, July 24, 2018、UPI, July 24, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月24日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月24日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県4件、アレッポ県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 24, 2018をもとに作成。

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シリア政府との和解に応じた「自由シリア軍」のメンバーたちが、シリア・ロシア両軍とともにダルアー県南西部でのダーイシュ系組織との戦闘に参加(2018年7月24日)

『ハヤート』(7月24日付)は、シリア南部の複数の消息筋の話として、シリア政府との和解に応じた「自由シリア軍」のメンバーたちが、シリア・ロシア両軍とともにダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を使うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあるダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域での戦闘に参加していると伝えた。

戦闘に参加しているのは、革命軍、スンナ青年旅団、クナイトラ軍事評議会の戦闘員。

同消息筋によると、「自由シリア軍諸派は、ダーイシュの脅威がより深刻だという共通認識のもと、ダーイシュの問題を終わらせることが最優先だという点で意見が一致している…。自由シリア軍は南部で常にダーイシュと戦ってきた…。進軍しなければ、(ダーイシュの)陣地や地雷は残されたままとなり、同地の複雑な地理もあり…、自由シリア軍と政権軍の地上部隊にロシアが航空支援を行うことで、理解が一致した」という。

同消息筋はその一方で、「自由シリア軍のなかには、シリア軍との協力のありようをめぐって懸念もある。ロシアはシリア全土の安定の保証国となったことを踏まえたとしても、ロシアはシリア人の望みに従うかたちでシリア情勢を収束させるだろうか、それとも体制を徐々に強化していくのだろうか…。見通しがきかないなかで、伸長に歩を進める必要がある」と述べ、シリア政府との今後の関係への不安を表明した。

反体制武装集団の戦闘参加は、ロシアの仲介のもと、ナワー市で活動していた組織の幹部とシリア軍士官が行って会合で決定されたという。

複数の反体制派筋によると、この会合では、和解合意の実施の仕組みや離反兵の待遇について話し合われ、反体制武装集団元戦闘員500人をナワー市での治安維持のための部隊として編成すること、シリア軍・治安部隊との合同検問所の設置、離反兵の免罪手続きのためのセンターの設置などで合意したという。

AFP, July 23, 2018、ANHA, July 23, 2018、AP, July 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 23, 2018、al-Hayat, July 24, 2018、Reuters, July 23, 2018、SANA, July 23, 2018、UPI, July 23, 2018などをもとに作成。

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