ロシア難民受入移送居住センター:28~30日に難民832人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は4,144人に(2018年7月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月31日付)を公開し、28~30日に難民832人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は4,144人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者3,826人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は690万3,269人(うち女性207万979人、子供352万665人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018をもとに作成。

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シリアの反体制派は拉致しているイタリア人と日本人の動画を相次いで公開(2018年7月31日)

AFP(8月1日付)は、シリア国内で反体制派に拉致されているイタリア人と日本人の動画が7月31日までに相次いで公開されたと伝えた。

動画が公開されたのは、イタリア人のアレサンドゥロ・サンドリニ(Alessandro Sandrini)氏と日本人フリー・ジャーナリストの安田純平氏。

サンドリニ氏は2016年10月にトルコで拉致され、その後シリアに移送されたとされ、ビデオのなかで、撮影日が7月19日だと述べている。

Huff Post Video, August 1, 2018

一方、安田氏はシリア国内に不法入国した2015年半ばに消息を絶ち、シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)によって拉致されたとされている。

インターネットで公開されたビデオで、安田氏は日本語で「わたしの名前はウマルです。韓国人です。きょうの日付は2018年7月25日、とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」と述べている。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Huff Post Video, August 1, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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シリア政府代表団がユーフラテス川東岸のラッカ県アイン・イーサー市を訪問、YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの戦闘で殺害されたシリア軍兵士の遺体を代表団に引き渡す(2018年7月31日)

『ハヤート』(8月1日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ラッカ県での戦闘でダーイシュ(イスラーム国)によって殺害された兵士の遺体44体を、シリア政府当局に引き渡したと伝えた。

複数の活動家やクルド系のメディアによると、シリア政府の使節団は7月31日、シリア民主軍に伴われてラッカ県の北部、ユーフラテス川左岸(東岸)に位置するアイン・イーサー市を訪問したが、これに先立って、アイン・イーサー市近郊の第93旅団基地での戦闘でダーイシュに捕らえられ、処刑されたシリア軍兵士の遺体44体をシリア民主軍から引き渡されたという。

シリア民主軍が発表した声明によると、アイン・イーサー市近郊で最近になって発見された遺体遺棄現場で発見されたという。

遺体は、シリア政府使節団により、アレッポ軍事病院に移送され、身元特定が行われるという。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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UAE諜報機関長官が大使館再開に向けてシリアを極秘訪問(2018年7月31日)

アラビー21(7月31日付)は、複数のアラブ匿名消息筋の情報として、UAE(アラブ首長国連邦)諜報機関のアリー・ムハンマド・シャーミスィー連邦身元国籍局長官がシリアの首都ダマスカスを秘密裏に訪問し、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長と会談した。

同消息筋によると、UAE政府はダマスカスの大使館再開の準備を進めているという。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、‘Arabi 21, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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YPGはトルコ実質占領下のアフリーン郡でスルターン・ムラード師団の戦闘員1人を殺害(2018年7月31日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターは声明を出し、アレッポ県アフリーン郡各所でトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団への攻撃を続け、28日にスルターン・ムラード師団の戦闘員1人を殺害したと発表した。

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アレッポ県では、ANHA(7月31日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン市内のラージュー街道で、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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スワイダー県砂漠地帯でシリア軍・親政権民兵がダーイシュと交戦(2018年7月31日)

スワイダー県では、ANHA(7月31日付)によると、県東部および北東部の砂漠地帯でシリア軍および親政権の民兵(住民)が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

戦闘は、ガイダ村一帯で激しく行われた。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は、フマイミーム航空基地への無人航空機に対抗するかたちで、イドリブ県西部、ハマー県北西部の反体制派支配地域を激しく攻撃(2018年7月31日)

イドリブ県では、『ハヤート』(8月1日付)がホワイト・ヘルメットの地元幹部の情報として伝えたところによると、シリア軍が県西部のビダーマー町、ナージヤ村などに、白リンを装填した砲弾50発あまりを撃ち込み、住民の財産や農地が被害を受けた。

また、複数の地元活動家によると、シリア軍はフバイト村に対しても砲撃を加えた。

シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市、ラタキア県の山岳地帯、そしてハマー県のガーブ渓谷に囲まれた三角地帯に対して、シリア軍が激しい砲撃を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がイドリブ県ジスル・シュグール市一帯への砲撃と合わせて、タッル・ワースィト村、カルクール村、ズィヤーラ町、マシーク村、サルマーニーヤ村、ガーブ渓谷の火力発電所一帯地域、ジスル・シュグール市郊外などに対して行われた。

ダマスカス郊外県では、SANA(7月31日付)によると、バービッラー市、ヤルダー市、バイト・サフム市でシリア軍の工兵部隊が爆発物などの撤去作業中に、反体制武装集団の武器庫を発見、大量のイスラエル製武器弾薬を押収した。

SANA, July 31, 2018

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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反体制武装集団支配地域からフマイミーム航空基地に向けて飛来した無人航空機をロシア軍が撃破(2018年7月31日)

ロシア国防省は、反体制武装集団支配地域(イドリブ県方面)から29日深夜にシリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に接近した所属不明の無人航空機1機を撃墜したと発表した。

SANA, July 31, 2018

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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クナイトラ県で活動を続けていた反体制武装集団戦闘員のイドリブ県への退去が終了し、同県から反体制派完全消滅(2018年7月31日)

クナイトラ県では、SANA(7月31日付)によると、シリア政府との停戦合意に基づき、ジュバーター・ハシャブ村で活動を続けてきた反体制武装集団戦闘員とその家族が、シリア政府によって用意された大型バス6台に分乗し、イドリブ県に退去した。

これにより、投降(和解)を拒否する戦闘員の退去は完了し、クナイトラ県で反体制派は完全消滅した。

投降した戦闘員の免罪手続きは近日中に実施されるという。

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ダルアー県では、SANA(7月31日付)によると、ナワー市でシリア軍による同地解放を祝う祝典が開催され、住民らが参加した。

SANA, July 31, 2018

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は逃亡しようとしたハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員とその家族34人以上を処刑する一方、ヨルダン国境方面に逃走した戦闘員約60人が投降(2018年7月31日)

シリア人権監視団によると、シリア軍と親政権民兵が、ダルアー県のヤルムーク川河畔地域から脱出しようとして、軍の検問所を通過しようとしたハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員とその家族34人以上を処刑したという。

シリア人権監視団によると、ハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員約100人が、シリア軍によるシャジャラ町制圧時(30日)に、ヨルダン国境沿いに位置するディヤーン村方面に逃走した。

戦闘員らは逃走に際して、住民を「人間の盾」として利用したが、ロシア・シリア軍の追撃と爆撃により、最終的には約60人が投降した。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の残党らの退去に向けた交渉が行われるも決裂、ロシア軍が激しい爆撃を敢行(2018年7月31日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の残党約100人を、「捕虜とされる人々」(戦闘員の家族のこと)150人とともに、ダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域からダーイシュが活動を続ける砂漠地域に退去させるための交渉が行われたが、決裂したと発表した。

同監視団によると、決裂を受け、ロシア軍戦闘機が、県南西部に残されたハーリド・ブン・ワリード軍の拠点を激しく爆撃、シリア軍による同地の完全解放がもたらされたという。

スワイダー24(7月31日付)によると、残党らの退去の見返りとして、ハーリド・ブン・ワリード軍側は、スワイダー県東部襲撃で拉致連行した女性・子供約30人の釈放を求められていたが、交渉に参加したスワイダー県の代表団は、ハーリド・ブン・ワリード軍が女性・子供の釈放の条件として同県でのシリア軍の攻撃停止と撤退、住民の戦闘への不参加などを求めたことを拒否したという。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、Suwayda 24, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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アスタナ10会議閉幕、ロシア、イラン、トルコはシリアの主権、領土保全、そして周辺諸国の国家安全保障を脅かそうとする「分離主義的動き」に抵抗することを確認(2018年7月31日)

ロシアの避暑地ソチで29日に開幕したアスタナ10会議は2日間の日程を終え閉幕した。

閉幕声明では、アスタナ会議の保証国であるロシア、イラン、トルコが、シリアの統一、独立、主権、領土保全を守り、テロとの戦いを継続する意思を示した。

声明の主な内容は以下の通り:

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保証国は、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アル=カーイダとつながりがあるすべての個人、組織、計画、政体を根絶するため、シリアでのテロと戦うことを決意する。

会議に参集した当事者は、3カ国(保証国)が引き続きシリア情勢について調整を行うことで合意し、シリアの主権、領土保全、そして周辺諸国の国家安全保障を脅かそうとする分離主義的動きに抵抗することを決意する。

ソチでの国民対話大会と国連安保理決議第2254号の決定に合致したジュネーブでの制憲委員会の活動を早急に開始するための環境を準備すべく、シリア人主導によるシリアでの政治的県警正常化プロセスを前身させるため、当事者が共同の取り組みを継続する。

9月にジュネーブでの和平協議を再開するとのスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の方針に同意する。

シリア国民の日常生活の回復を支援し、避難民・難民の帰還に向けた協議を開始する。

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アナトリア通信(7月31日付)は、会議に詳しい消息筋の話として、ロシア、イラン、トルコは、シリア政府と反体制派の信頼構築に向けて、「実験的」な拘置者・人質の交換を行うことで合意したと伝えた。

AFP, July 31, 2018、Anadolu Ajansı, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあったダルアー県南西部を完全解放(2018年7月31日)

ダルアー県では、SANA(7月31日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍に対する攻撃を続け、ヤルムーク川河畔地域のクーヤー村、バイト・アーラ村を制圧した。

これにより、シリア軍は、ダルアー県南西部に残存していたハーリド・ブン・ワリード軍の支配地域を完全解放し、イスラエルとの停戦ライン沿いの全地域がシリア政府の支配下に復帰した。

syria.liveuamap.com, July 31, 2018

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は6件の違反を確認(2018年7月31日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月31日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(アレッポ県8件、ラタキア県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも6件(アレッポ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月23日~7月29日までの7日間でシリア領内で7回の爆撃を実施(2018年7月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月23日~7月29日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

7月23日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して爆撃は実施されなかった。

7月24日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

7月25日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対する爆撃は実施されなかった。

7月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

7月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は6回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対する爆撃は実施されなかった。

なお、7月22日に関して、シリア領内のブーカマール市近郊に対して実施された4回の爆撃が、前回の発表内容に含まれていなかったとの訂正がなされた。

CENTCOM, July 31, 2018をもとに作成。

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