有志連合の特殊作戦司令官を務めるジェラルド米少将「イランの存在はシリアの安定に寄与しない」(2018年7月8日)

有志連合の特殊作戦司令官を務める米軍のジェームズ・ジェラルド(James Jarrard)少将は、シリア国内におけるイランのプレゼンスに関して、アラビーヤ・チャンネル(7月8日付)に対して、「安定の実現に寄与しない。(イランのプレゼンスが)暴力やテロを生みだし、和平実現を阻む活動をもたらしているなか、我々はそれを支持できるものだとは見ていない…。イランの民兵の活動がテロとみなされるのか否かは、他の人が決めねばならない」と述べ、ロシアにイランの影響力排除に動くよう暗に求めた。

一方、米主導の有志連合のシリア国内での駐留に関して「シリア人が受け入れることのできる政治プロセスを完了させる」ことも視野に入れいているとの見方を示したうえで、「ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いは終わっていない。有志連合の主要な目標はダーイシュから解放された地域が浄化されるまで駐留を続けることだ。我々は安定が実現されることを確認し、シリア北東部の内務治安部隊を教練し、ダーイシュが復活しないようにしなければならない」と述べた。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、Alarabia, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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親政権日刊紙の『ワタン』:シリア政府とロジャヴァは近くハサカ県の石油施設局と石油販売権のシリア政府への移管に合意する見込み(2018年7月8日)

親政権日刊紙の『ワタン』(7月8日付)は、複数の反体制派消息筋の話として、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)が近く、ハサカ県の石油施設局と石油販売にかかる権限をシリア政府に移管する合意に達する見込みだとと伝えた。

同紙によると、シリア政府の高官からなる使節団が最近になって、ハサカ県のカーミシュリー市、ハサカ市、シャッダーディー市、ラッカ県のラッカ市、タブカ市を視察し、YPG幹部と会合を行ったという。

また、タブカ市には、ダム管理の専門家チームが首都ダマスカスから派遣され、ロジャヴァ所轄のダム管理委員会と会合を開き、その後、ティシュリーン・ダムを視察したという。

このほかにも、ダイル・ザウル県では、ロジャヴァの管理下にあるCONOCOガス工場をシリア政府とロシアの専門家グループが訪問した。

なお、シリア政府とロジャヴァの交渉に関して、ロジャヴァ側は否定している。

なお、これに関してロジャヴァ側は否定している。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018、al-Watan, July 8, 2018などをもとに作成。

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シリアとレバノンのキリスト教諸派の司教・主教はイタリアでの会合で「我々にとって最大の恐怖は世俗的な体制が、イスラーム過激派の政府にとって代わること」と表明(2018年7月8日)

イタリア南部のバーリ市で、シリアとレバノンのキリスト教諸派の司教・主教会議が開催され、司祭・主教らは、シリア難民を帰国させるための国際社会の支援を求めるメッセージをローマ法王フランシスコに送った。

ローマ・カトリック教会のジャーン・クライマーン・ジャーンバール・アレッポ司教区長は「戦争前には17万人いたアレッポのキリスト教徒は、今はもう6万人ほどしかいない。西側諸国に去った者は戻ってこないだろう。だが、近隣諸国に避難した人々は事情が違う」と述べた。

そのうえで「アサド政権以外の唯一の選択肢はイスラーム過激派の体制だ…。シリアは西欧風の民主主義を受け入れる準備ができていない」と付言した。

ジャーンバール司教区長は「アレッポはあなた方を待っている」というスローガンを掲げ、スイスなどで寄付を募り、難民のアレッポ市への帰還を支援してきた人物。

またダマスカスに首座を構えるシリア正教アンティオキア全東方総主教区のイグナティウス・アフレム2世カリーム総主教は「西側は体制転換に力点を置いた。だが、我々にとって最大の恐怖は世俗的な体制が、イスラーム主義的な政府にとって代わることです」と述べた。

一方、レバノンのマロン派教会のビシャーラ・ラーイー総大司教は、シリア難民に帰国を促した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月8日付)が伝えた。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県北西部のアフリーン郡を爆撃(2018年7月8日)

アレッポ県では、ANHA(7月8日付)が複数の地元消息筋の話として伝えたところによると、トルコ軍戦闘機複数機が22時、県北西部のアフリーン郡上空に飛来、アフリーン市とジンディールス町を結ぶ幹線道路沿いの複数カ所(ハーリタ村、マスキー村付近)、ラージュー村近郊の複数カ所を爆撃した。

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同じく、ANHA(7月8日付)によると、トルコの実質占領下のバーブ市近郊のカッバースィーン村でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、3人が死亡、6人が負傷した。

一方、トルコの実質占領下のアフリーン郡ラージュー村近郊のワーディー・ナシャーマ(キリイー・ティーラー)で反体制武装集団が森林に放火、2ヘクタールが全焼した。
http://www.hawarnews.com/ar/uploads/2018/07/08/171713_2018-7-8-sewdendena-derin-ihraje-e280ab28129e280ac.jpg

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イスラエル軍がヒムス県中部のタイフール航空基地(T4)を爆撃(2018年7月8日)

シリア軍消息筋が、SANA(7月8日付)に明らかにしたところによると、イスラエル軍がシリア領空を侵犯し、ヒムス県中部のタイフール航空基地(T4)を爆撃、シリア軍防空部隊が応戦し、ミサイル複数発を撃破、爆撃に参加したイスラエル軍戦闘機1機に被害を与えた。

一方、スプートニク・ニュース(7月8日付)は、この爆撃でタイフール航空基地が被害を受けたと伝えた。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、Sputnik News, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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南部軍結成と合わせて停戦交渉のための新たな交渉チームが発足(2018年7月8日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月8日付)によると、ジャースィム市地元評議会の元議長で、南部中央作戦司令室の代理人として停戦交渉にあたっている危機管理チームのメンバーの一人でもあるアフマド・サーリフ氏が、7日に結成された南部軍に関して、「緊急の侵略に対抗するため」としつつ、「住民の安全を保証する合意を結ぶため新たな交渉チームが発足され…、交渉に向けた調整が開始された」と述べた。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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停戦に真っ先に応じたスンナ青年旅団がヨルダン国境地帯からブスラー・シャーム市への避難民移送作業を率先(2018年7月8日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月8日付)が、複数の地元消息筋の話として伝えたところによると、6日のシリア政府と南部中央作戦司令室の停戦合意に先立って、ブスラー・シャーム市での停戦に応じていたスンナ青年旅団の司令官アフマド・アウダ氏が、県南部の避難民をブスラー・シャーム市に移送する「新たな役割」を担っていると伝えた。

同サイトによると、スンナ青年旅団の車輌複数台が、国連やメディアの目をかいくぐるかのように、ヨルダン国境に押し寄せていた避難民をブスラー・シャーム市に移送する作業に参加しているという。

これに関して、複数の消息筋は、スンナ青年旅団が、国境地帯から避難民を排除するよう求めているヨルダンの圧力を回避しようとしている、あるいはロシアやシリア政府への誠意を示し、ブスラー・シャーム市一帯における指導者としての地位を認めさせようとしているといった味方をしているという。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はウンム・マヤーズィン村一帯を制圧し、反体制派支配下のダルアー市南部を事実上包囲(2018年7月8日)

ダルアー県では、SANA(7月8日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、シャーム解放機構などからなる南部中央作戦司令室との交戦の末、ウンム・マヤーズィン村、ダルアー市西方の丘陵地帯、防空大隊基地を制圧した。

syria.liveuamap.com, July 8, 2018

シリア人権監視団によると、シリア軍はウンム・マヤーズィン村一帯、ダルアー市南部を爆撃し、少なくとも4人が死亡した。

また爆撃を受けて、ブスラー・シャーム市一帯のダルアー県南部からの戦闘員およびその家族の退去は延期された。

一方、シャーム解放機構が主導し、南部中央作戦司令室に参加する堅固な建造物作戦司令室のフサイン・アブー・シャイマー氏は、ドゥラル・シャーミーヤ(7月8日付)に対して、シリア軍によるウンム・マヤーズィン村一帯の制圧によって、反体制派支配下のダルアー市南部が(事実上)包囲されたことを明らかにした。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はナスィーブ国境通行所に至る国際幹線道路の復旧工事を開始(2018年7月8日)

ダルアー県では、SANA(7月8日付)によると、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのの仲介によるシリア政府と南部中央作戦司令室の停戦合意(6日)を受けて、シリア軍が、シリア政府の支配下に復帰したナスィーブ国境通行所とヒルバト・ガザーラ町を結ぶ国際幹線道路を復旧工事を行い、爆発物や瓦礫の撤去を行った。

SANA, July 8, 2018

また、UNESCO世界文化遺産の円形劇場を擁するブスラー・シャーム市で活動していた武装集団がシリア軍に重火器の引き渡しを行った。

SANA, July 8, 2018

一方、UNOCHA(国際連合人道問題調整事務所)ヨルダン事務所のアンデルス・ペダーセン(Anders Pedersen)代表は報道声明を出し、「ジャービル国境通行所(ナスィーブ国境通行所)に近い自由貿易地区にいた150~200人の避難民は、そのほとんどが男性だったが、彼らはダルアー県にある自分達の町・村に帰宅した」と発表した。

ペダーセン氏はまた、「シリア側にいる避難民の数を特定することは現状ではできない」と付言した。

AFP, July 8, 2018、ANHA, July 8, 2018、AP, July 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2018、al-Hayat, July 9, 2018、Reuters, July 8, 2018、SANA, July 8, 2018、UPI, July 8, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年7月8日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月8日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監督チームも2件(場所は明示せず)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 8, 2018をもとに作成。

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