イラン政府とシャーム解放機構がイドリブ県のシーア派の町の住民・戦闘員退去に向け交渉(2018年7月16日)

『ハヤート』(7月17日付)は、複数の消息筋の話として、イドリブ県でシャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団の包囲を受けている12イマーム派(シーア派)の二つの町、フーア市とカファルヤー町からの住民・戦闘員の退去に向けた交渉が、シャーム解放機構とイラン政府関係者の間で行われた、と伝えた。

同紙によると、シリア軍が9月にイドリブ県に対する大規模攻撃を計画しているなか、同地攻略の「弱点」を払拭するために、フーア市とカファルヤー町の住民非難をめざしているという。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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米露首脳会談:トランプ大統領はイスラエルの安全保障とイランへの圧力を、プーチン大統領はゴラン高原の原状回復を強調(2018年7月16日)

ドナルド・トランプ米大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領はフィンランドの首都ヘルシンキで首脳会談を行い、シリア、北朝鮮、ウクライナ情勢などへの対応について意見を交わした。

『ハヤート』(7月16日付)によると、トランプ大統領はシリア情勢をめぐって、イスラエルの安全保障の確保、ランに対する圧力の継続を主張、対するプーチン大統領は、ゴラン高原の原状回復を強調した。

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ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、シリア北西部や南東部への米軍駐留に関して「大統領はダーイシュ(イスラーム国)殲滅がなされるまで、そしてイランの脅威が中東全域で続く限り、そこ(シリア)にいると明言したと思う」と述べた。

ABC(7月16日付)が伝えた。

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イランのホセイン・ジャーベリー・アンサーリー外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は16日のダマスカスでのアサド大統領との会談後、レバノンを訪問した。

アンサーリー外務副大臣は、シリア南部の戦況に関して「イランの顧問がシリア政府の要請を受けて同地で活動している…。彼らの滞在継続の是非はシリア政府の必要に応じるかたちで決定される」と述べた。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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ヨルダン軍はダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域を支配下に置くハーリド・ブン・ワリード軍(ダーイシュ)の戦闘員の数を1,000~1,500人と見積もる(2018年7月16日)

ヨルダン軍の北部地区司令官のハーリド・マサーイード准将は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、ダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域を支配下に置くハーリド・ブン・ワリード軍の戦闘員の数に関して、「現在1,000~1,500人ほどだ」との味方を示した。

ペトラ通信(7月16日付)が伝えた。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Petra News Agency, July 16, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ県でダーイシュ・メンバー8人を拘束(2018年7月16日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー通信(7月16日付)によると、シャーム解放機構が、サルミーン市に検問所多数を設置、また同市近郊の農場でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー8人を拘束した。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, July 16, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体は支配地域の文民局や地元評議会を統括する行政局の設置を決定(2018年7月16日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会がラッカ県タブカ市で第3回大会を3日間の日程で開幕した。

大会には、イルハーム・アフマド共同議長、リヤード・ダッラール共同議長、評議員270人、シリア各県からの代表、エジプト、欧州からの使節団、ロジャヴァ支配地域の民政局使節団が出席した。

また「北(バクル)クルディスタン」(トルコ)からも使節団が出席を予定していたが、トルコ当局によって阻止されたという。

大会は「政治解決と民主的で分権的なシリア建設に向けて」と題され、シリア民主軍が解放した地域の自治を担う各地の民政局や地元評議会を統合し、支配地域全域を統治する「統一自治局」を設置するために活動を続けることを採択した。

また、出席者はアミーナ・ウマル氏をアフマド氏の後任の共同議長に選出した。

ダッラール氏は共同議長に再選した。

大会はこのほか、執行機関にあたる議長評議会の評議員41人(うち女性20人)も選出した。

ANHA(7月16日付)、『ハヤート』(7月17日付)が伝えた。

ANHA, July 16, 2018

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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トルコ外務省報道官「マンビジュ軍事評議会によるYPG撤退完了宣言は大げさで事実を表していない」(2018年7月16日)

トルコ外務省のハミ・アクソイ報道官は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するマンビジュ軍事評議会がYPG軍事顧問のマンビジュ市からの撤収完了を宣言したことに関して、「大げさで、事実を表していない」と一蹴、「巡回任務が行われている一帯からのYPG、PKK(クルディスタン労働者党)のメンバーの撤退はいまだ続いている。(米国との)合同巡回任務の準備も続けられている」と付言した。

アナトリア通信(7月16日付)が伝えた。

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ドナルド・トランプ米大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は電話会談を行い、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

アナトリア通信(7月16日付)によると、電話会談は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で活動するマンビジュ軍事評議会がYPG軍事顧問のマンビジュ市からの撤収完了を宣言したのを受けたもので、「両首脳は、マンビジュ市の処遇にかかる工程表の実施が、シリアの危機解決に向けて協力するうえで大いに資する」旨確認したという。

AFP, July 16, 2018、Anadolu Ajansı, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー県北西部のハーッラ丘と4町村を制圧し支配地域を拡大(2018年7月16日)

ダルアー県では、SANA(7月16日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県北西部で反体制武装集団と交戦、ハーッラ丘(標高1,094メートル)、カフルシャムス町、ウンム・アウサジュ村、ティーハ村、ズィムリーン村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はクナイトラ県、ダルアー県、ダマスカス郊外県の県境に位置するいわゆる「死の三角地帯」に対して激しい爆撃・砲撃を続けた。

爆撃はアクラバー村、マール村、マール丘、ハーッラ丘一帯、ティーハ村一帯に対して集中的に行われ、シャーム解放機構のメンバー30人が死亡したという。

一方、シリア軍側もシャーム解放機構の要撃を受け、兵士12人が死亡した。

SANA, July 17, 2018

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の掌握下にあるマスハラ丘一帯を砲撃した。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダイル・ザウル県を爆撃し、住民8人を殺害(2018年7月16日)

ダイル・ザウル県では、SANA(7月16日付)によると、米主導の有志連合がブーカマール市近郊のスーサ町の民家を爆撃し、住民多数が死傷した。

『ハヤート』(7月17日付)は、地元活動家や複数消息筋の情報として、この爆撃で住民8人が死亡したと伝えた。

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同じくダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、県西部のフサイニーヤ町で地雷が爆発し、男性1人が死亡、女性が負傷した。

また、県西部のカスラ村近郊で爆発が発生、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のダイル・ザウル地元評議会の教育局長が乗った車が巻き込まれ、子供1人が死亡した。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは2件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月16日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月16日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県1件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月9日~7月15日までの7日間でシリア領内で11回の爆撃を実施(2018年7月16日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月9日~7月15日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

7月9日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月10日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月11日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月12日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し4回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は4回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月13日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は2回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月14日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して爆撃は実施されなかった。

7月15日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

CENTCOM, July 16, 2018をもとに作成。

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