ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県3件、ラタキア県4件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 22, 2018をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県3件、ラタキア県4件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 22, 2018をもとに作成。
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ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月21日付)を公開し、20日の難民帰還はなかったと発表した。
なお、過去2ヶ月間で帰国したシリア難民の数は1,207人。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 21, 2018をもとに作成。
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『ハヤート』(7月22日付)は、フランスの複数の高官の話として、フランス政府が21日、人道支援物資および医療物資約50トンをロシア側に供与したと伝えた。
AFP(7月21日付)によると、物資搬送は、ロシア貨物航空機(An-124)に積まれ、シャトロー空港から、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に運ばれ、シリア政府の支配下に復帰したダマスカス郊外県東グータ地方の住民に配給されるという。

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ロシア大統領府は声明を出し、ヴラジミール・プーチン大統領とフランスのフランソワ・オランド大統領が電話会談を行い、シリア危機の解決に向けた人道面での対応について集中的に意見を交わしたことを明らかにした。
電話会談は、ダマスカス郊外県東グータ地方の住民を支援するためのロシアとフランスによるイニシアチブの一環として行われたという。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、マイク・ポンペオ米国務長官と電話会談を行った。
外務省の声明によると、この会談で、両外相はシリアにおける人道危機解決に向けた協力の可能性について意見を交わした。
AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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トルコのアナトリア通信(7月21日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配地域に進駐している米軍が、ラッカ市内に巨大な刑務所を建設した、と伝えた。
複数の消息筋の情報によると、この巨大刑務所は、拘束したダーイシュ(イスラーム国)のメンバーを収容するための施設で、看守、取調官などはすべて米国人で、極秘で運営されているという。
AFP, July 21, 2018、Anadolu Ajansı, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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トルコとドイツは、米国、西欧諸国、アラブ諸国、オーストラリア、日本など40カ国以上を代表して、国連安保理議長と国連事務総長宛に法律第10号への正式な抗議文書を提出した。
抗議文書は、法律第10号が、シリア難民の財産没収を認める内容で、それが現実のものとなれば難民帰還の機会が奪われると警鐘を鳴らしている。
4月2日に施行された法律第10号(都市再開発法)は、開発地域内の私有地を接収し、同地域での新規プロジェクトにかかる収益の一部を配当金として所有者に支払い、補償を行うことなどを定めている。
同法では、シリア政府による開発地域設定後、1ヶ月以内に当局が域内の土地所有者に配当金補償についての告知を行い、これを受諾した所有者は配当金を受け取る一方、この申し出を拒否する所有者は30日以内に土地の所有権を証明する必要がある。
なお、ワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣は6月2日の記者会見で、シリア政府による開発地域設定後、譲渡を希望しない所有者は、30日以内に土地の所有権を証明するとした規定に関して、「猶予期間を修正し、1年とした」ことを明らかにした。
AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にある県南西部のヤルムーク川河畔地域に対してシリア・ロシア両軍が爆撃を行い、子供11人を含む26人が死亡、数十人が負傷した。
AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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クナイトラ県では、SANA(7月21日付)によると、シリア政府との停戦合意に従い、県内で活動を続けてきた反体制武装集団の戦闘員とその家族のイドリブ県への退去が行われた。
2回目となる21日の退去作業では、シリア政府が用意した大型バス48台に戦闘員数百人が家族とともに分乗し、クナイトラ県を後にした。

また、シリア軍はナブア・サフル村、ムラッバアート村、ムナイティハート村、マジュドゥーリヤー村、クーム・バーシャー村、アイン・バーシャー村、ウンム・バーティナ村、マムティナ村、ラスム・ハワーリー村、ラスム・ハラビー村、ズバイダ村、ムシャイリファ村、ヤルザン村の制圧を完了した。
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ダルアー県では、SANA(7月21日付)によると、ロシア軍当事者和解調整センターの仲介によるシリア政府との停戦合意に従い、マハッジャ町、ナワー市で活動を続けてきた反体制武装集団戦闘員250人とその家族がシリア政府によって用意された大型バスに20台に分乗し、イドリブ県に退去した。
また、ムザイリーブ町とヤードゥーダ村で活動を続けてきた反体制武装集団が重火器、中火器を引き渡した。

AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、無人航空機1機がシリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に向かって飛来、ロシア軍が防空兵器でこれを撃破したと発表した。
AFP, July 21, 2018、ANHA, July 21, 2018、AP, July 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2018、al-Hayat, July 22, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 21, 2018、Reuters, July 21, 2018、SANA, July 21, 2018、UPI, July 21, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月21日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ラタキア県5件、アレッポ県1件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームも1件(ハマー県)の停戦違反を確認した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 21, 2018をもとに作成。
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ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月20日付)を公開し、19日に難民335人がシリアに帰国したと発表した。
内訳は、レバノンからの帰国者293人(ザムラーニー国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者42人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
なお、過去2ヶ月間で帰国したシリア難民の数は1,207人となった。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2018をもとに作成。
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米雑誌『タイム』(7月20日付)は、米匿名高官2人の話として、米国がシリア国内で活動を続けてきたホワイト・ヘルメットのメンバーとその家族の救出に関する計画を最終決定した、と伝えた。
それによると、米国、英国、カナダの主導のもとに、彼らをまず隣国に脱出させ、その後、英国、ドイツ、オランダ、そしておそらくカナダに移送、同国に定住させるという。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、Time, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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『ハヤート』(7月21日付)は、トルコの実質占領下にあるバーブ市などアレッポ県北東部の住民に対して、新たなIDカードが配布されたと伝えた。
このIDカードはトルコ製で、トルコ当局がデータのすべてを管理しているという。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が電話会談を行い、シリア情勢、とりわけ占領下ゴラン高原に隣接する南東部情勢への対応について意見を交わした。
ロシア大統領府によると、会談ではシリア情勢の正常化に向けて意見が貸されたが、イスラエル首相府によると、会談においてネタニヤフ首相はプーチン大統領に、「シリア国内のイランの軍事プレゼンスに対抗する」ことを強調したという。
この電話会談の直後、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣とイスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防大臣が電話会談を行い、シリア南西部の情勢について意見を交わした。
イスラエル国防省によると、会談ではシリアでの両国の軍事的な連携の強化について確認、ゴラン高原の状況について検討したという。
『ハヤート』(7月21日付)が伝えた。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)は、シリア政府がダルアー県での反体制武装集団との停戦に際して、投降と免罪を希望する戦闘員に11項目からなる誓約文書を提示していると伝え、文書の画像を公開した。
誓約文書は、元戦闘員に、法律に基づかないかたちでのデモを行わないこと、公共財に対する破壊行為を行わないこと、破壊行為を扇動しないこと、政府、軍、治安部隊を批判しないことなどを求めているという。



AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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イドリブ県では、「オリーブの怒り」作戦司令室が声明を出し、カフルサジュナ村とヒーシュ村を結ぶ街道で、トルコの支援を受けるシャーム軍団の戦闘員を襲撃、メンバー1人を殺害した。
ANHA(7月20日付)が伝えた。
「オリーブの怒り」作戦司令室は、7月1日に結成が発表された組織で、イドリブ県、アレッポ県でのトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団に対する抵抗を目的としている。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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ハサカ県では、ANHA(7月20日付)によると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)が共同支配するハサカ市アズィーズィーヤ地区で水道局近くで爆弾が爆発し、1人が負傷した。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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イドリブ県では、SANA(7月20日付)によると、イランとシャーム解放機構の合意に基づき、反体制武装集団の包囲を受けてきたフーア市、カファルヤー町の全住民の退去が前日に引き続いて行われた。
住民の移送作業は、シリア政府によって用意された大型バス98台、救急車輌10台によって行われ、120人がラタキア市、600人がアレッポ市近郊のジャブリーン村にある仮設居住センターに向かった。
これにより、フーア市、カファルヤー町に留まっていた住民6,900人全員が退去 し、同地は無人となった。
また、武装集団が拉致していたイシュタブリク村住民33人が釈放され、ラタキア市に移送された。

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『ハヤート』(7月21日付)によると、フーア市、カファルヤー町から退去した住民・民兵のなかに含まれていたヒズブッラーの戦闘員6人がレバノンに帰国した。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、July 21, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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ダルアー県では、SANA(7月20日付)によると、ロシア軍当事者和解調整センターセンター仲介によるシリア政府とクナイトラ県の反体制武装集団の停戦合意に伴い、武装集団側の勢力が弱化したのを受けて、シリア軍が県北西部のナースィリーヤ村、アブー・カトフ村、ムカイビラ村、アイン・フライハ村、アブー・ガーラ村、クサイバ村、マンカラト・アラーム村、ザクザカ農場、アイン・マカーム村、マザーイラ村、ラスム・バジュラス村、ラスム・カター村、スワイカ村、マンシヤト・スワイカ村、アイン・ザイトゥーン村、ラスム・ムンバティフ村、ダワーヤ・カビーラ村、ダワーヤ・サギーラ村などを制圧した。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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クナイトラ県では、SANA(7月20日付)によると、ロシア軍当事者和解調整センター仲介によるシリア政府と同地で活動を続けてきたシャーム解放機構を除く反体制武装集団の停戦合意を受けて、当局への投降を拒否した戦闘員とその家族の第1陣が、シリア政府によって用意された大型バス55台に分乗して、イドリブ県に退去した。
第1陣で退去したのは、戦闘員数百人とその家族で、ウンム・バーティナ村でバスに分乗し、クナイトラ県を後にした。
シリア人権監視団によると、退去したのは戦闘員とその家族2,800人。

AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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ロシアの国防省と外務省は、国外難民と国内避難民の帰還を支援するための合同調整センターの計画策定会合を開催した。
会合は公開され、メディア関係者も同席した。

ロシア国防省によると、合同調整センターの設置の経緯、目的、活動内容などは以下の通り:
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合同調整センターは、シリア軍による反体制派支配地域の制圧、ロシアの支援を受けたかたちでの治安回復、インフラ復旧作業が行われるなか、国外避難民および国内避難民の帰還と復興を推し進めることが重要だとの認識のもとに設置された。
16日にフィンランドの首都ヘルシンキで行われたヴラジミール・プーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談でも、この分野を前進させることを確認、ロシア側は米国側に対して、そのための具体的な提案を行った。
提案の内容は、レバノン、ヨルダンに退去している難民の帰還のための航空機の手配、ヨルダンの首都アンマンにある(米国の)当事者和解調整センターを母体とするロシア・米国・ヨルダン・グループの設置、同様のセンターのレバノンでの設置、インフラ支援のための合同グループの設置、などを骨子とする。
セルゲイ・ショイグ国防大臣の決定に従い、シリア国内でも難民帰還とイフラ復旧支援に向けたセンターを既に設置している。
合同調整センターは、ロシアの国防省、外務省、および関係省庁の代表と、関係各国の代表から構成され、国防省の国家防衛管理センターが所轄、またシリアの首都ダマスカスに難民受入移送居住センターの本部、対レバノン国境および対ヨルダン国境に支部を設置し、実務を担当する。
2011年以降、シリアから、トルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、ドイツ、英国、スウェーデンなどに逃れた難民(そして移民)の数は690万人に達する。
当初見込みでは、170万人(レバノンから8万9000人、トルコから30万人、ヨルダンから15万人、イラクから10万人、エジプトから10万人、欧州諸異国から20万人)が近い将来にシリアに帰国可能で、まずはレバノンとヨルダンからの帰国に着手する予定である。
現在のところ、紛争の被害が少ない76の居住地区に33万6,500人が収容可能で、またダマスカス県、ダマスカス郊外県東グータ地方、ハマー市、ヒムス市、アレッポ市のインフラが復旧すれば、55万~60万人を3~6ヶ月のうちに収容可能になる。
シリアの都市、町、村のインフラは40~70%が破壊されている。
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一方、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、国内避難民の避難状況と難民の帰国状況の詳細を報告した。
それによると、6月27日以降、4万5,343人が南西部(ダルアー県、クナイトラ県)の緊張緩和地帯から避難、うち6,255人がジャバーブ村(ダルアー県)とラサース村(スワイダー県)に避難民キャンプに収容された(現在、両キャンプにとどまっているのは1,081人)。
イドリブ県の緊張緩和地帯内にあるフーア市、カファルヤー町から6,100人の市民がアレッポ県のジャブリーン村の避難民キャンプに移送された。
一方、2018年1月以降、外国から帰国したシリア難民の数は10万1,976人に達した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2018をもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月20日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ラタキア県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2018をもとに作成。
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アレッポ県では、ANHA(7月20日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ジンディールス町近郊のクーラーン村で、東部自由人連合とファールーク大隊が、略奪品の分配をめぐって対立、交戦した。
AFP, July 20, 2018、ANHA, July 20, 2018、AP, July 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2018、al-Hayat, July 21, 2018、Reuters, July 20, 2018、SANA, July 20, 2018、UPI, July 20, 2018などをもとに作成。
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トルコ国営のアナトリア通信(7月18日付)は、複数の匿名消息筋の情報として、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)が、ダイル・ザウル県の石油・ガス田や関連施設の処遇をめぐって合意に達した、と伝えた。
それによると、シリアの石油鉱物資源省は、YPG主体のシリア民主軍が掌握しているダイル・ザウル県の石油パイプラインのメンテナンスをカナダの企業に委託する契約を結んだ。
契約期間は6ヶ月だという。
また、合意では、シリア民主軍が掌握する石油・ガス田で採掘された石油・ガスをシリア政府支配下の精製施設に供給すること、その見返りとしてシリア民主軍支配地域にシリア政府が電気をはじめとする福祉を提供することも定められているという。
原油については、シリア民主軍支配下のウマル油田、タナク油田から、シリア政府支配下のティーム油田を経由し、ヒムス県の精製所にパイプラインで供給され、ガスは、シリア民主軍支配下のウマル油田、タナク油田、ジャフラ油田から、同じくシリア民主軍支配下のCONOCOガス工場を経由して、シリア政府支配下のティーム油田、そして最終的にはヒムス県のジャンダル火力発電所に供給されるという。
AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
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アレッポ県では、ANHA(7月19日付)によると、トルコの実質占領下にあるジンディールス町近郊のクーラーン村、ハーッジ・イスカンダル村、ナスリーヤ村、ムッラー・ハリール村、ダイル・ブラート村で反体制武装集団どうしが交戦した。
AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(7月20日付)によると、米主導の有志連合が県北東部のビイル・アズラク地区に近いダーイシュ(イスラーム国)の拠点を爆撃し、戦闘員15人以上が死亡した。
また西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、ラウダ村でダーイシュと交戦したと発表した。
AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
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SANA(7月19日付)によると、シャーム解放機構とイランが交わした合意に従い、イドリブ県で反体制武装集団の包囲を受けていたフーア市、カファルヤー町の住民がシリア政府によって用意された大型バスや救急車輌に分乗し、同地から避難、アレッポ県アレッポ市郊外のジャブリーン村に設置された仮設居住センターに到着した。


到着した住民のうち、緊急の治療を要する患者・負傷者約50人は、アレッポ大学病院に搬送された。
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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月19日付)は、シャーム解放機構とイランの合意において解放が約束されている逮捕者1,500人の名簿を入手したと伝え、その一部を画像で公開した。
なお、合意では、アサド政権の刑務所で拘置されている「革命家」1,500人、ヒズブッラーが拘束している捕虜36人、フーア市、カファルヤー町で拘束されている民間人4人の釈放の解放が定められている。

AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
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ダルアー県では、SANA(7月19日付)によると、シリア軍が県北西部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦を続け、ヒルバト・ティール村、シャイフ・サアド村を制圧した。
一方、県北西部のダイル・ブフト村でシリア軍の勝利を祝い、「テロとの戦い」を支持する集会が開かれ、住民らが参加した。
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イスラエルのデブカ・ファイル(7月19日付)は、占領下ゴラン高原の兵力引き離し地域に向かって進軍するシリア政府側の部隊のなかでシーア派民兵が占める割合は82%に達していると主張した。
AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、Debka, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
クナイトラ県では、シリア人権監視団などによると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構を除く反体制武装集団がロシア軍当事者和解調整センターの仲介によりシリア政府と停戦合意を交わした。
シリア人権監視団、SANA(7月19日付)、スプートニク・ニュース(7月19日付)、ヒズブッラーの戦争広報局によると、合意は、①シャーム解放機構が活動する地域を除くクナイトラ県の全域での戦闘停止、②反体制武装集団による重火器・中火器の引き渡し、③投降を希望しない「テロリスト」の登録とイドリブ県への退去、④投降した戦闘員の免罪、⑤ロシア軍憲兵隊の展開、⑥1974年の兵力引き離し協定に基づいてシリア軍(第90旅団、第61旅団など)の展開が定められた地域への進駐、⑦ウンム・バーティナ村、ルワイヒーナ村にあったUNDOF拠点、そしてジャービヤ丘の反体制武装集団からの退去など、を骨子とする。
なお、SANA(7月19日付)によると、この合意を受け、投降を希望しない戦闘員を退去させるためにシリア政府が用意した大型バス10台がウンム・バーティナ村に入ったという。



AFP, July 19, 2018、ANHA, July 19, 2018、AP, July 19, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2018、al-Hayat, July 20, 2018、Reuters, July 19, 2018、SANA, July 19, 2018、UPI, July 19, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月19日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ラタキア県)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームも1件(ハマー県)の停戦違反を確認した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, July 19, 2018をもとに作成。
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