北・東シリア自治局の執行評議会は省に相当する9委員会7局を設置、各共同委員長を任命(2018年10月3日)

9月6日に西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の大会で樹立が宣言された「北・東シリア自治局」はラッカ県アイン・イーサー市で第2回会合を開いた。

会合では、執行評議会が、省に相当する9の委員会と7つの局を設置し、9つの委員会の共同委員長を任命した。

任命された共同委員長は以下の通り:

内務委員会:アリー・ムスタファー・ハッジュー、ハイフィー・イブラーヒーム・ムスタファー
養育教育委員会:カウサル・ドゥークー、ラジャブ・マシュラフ
地方行政委員会:ジョゼフ・ラフドゥー、マイダヤー・ブーザーン
経済農業委員会:サルマーン・タウフィーク・バールードゥー、アマル・ハズィーム
財務委員会:ワラート・ハーッジ・アリー、サルワー・サイイド
文化芸術委員会:アブドゥッサッタール・シャカーギー、アーイシャ・アリー・ラジャブ
衛生環境委員会:ジュワーン・ムスタファー、ハターム・ハリール・ジャルド
社会問題委員会:ファールーク・マーシー、ビーリーファーン・ハサン
女性委員会:ジーハーン・ハドルー(男性委員長は任命されず)

また、7つの局は以下の通り:

防衛局
宗教教義局
渉外関係局
諮問局
情報局
石油地下資源局
開発計画局

ANHA, October 4, 2018

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、October 6, 2018、October 15, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Lenz News, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主評議会(YPG主体のシリア民主軍の政治母体)共同議長「政治的解決に向け、シリア政府と対話を行う用意がある」(2018年10月3日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のアミーナ・ウマル共同議長は、ANHA(10月3日付)のインタビューに応じ、シリア政府との関係に関して、政治的解決に向け、常にあらゆる対話を行う用意がある、と述べた。

ウマル共同議長は「シリア民主評議会は、すべての社会集団、政治団体を包摂する愛国的で民主的な政治プロジェクトで、シリア国民の苦難を終わら、対話と交渉を通じてシリア危機を解決することをめざしている」としたうえで、「評議会は、中央政府とシリア北東地域の間に存在する障害への対応を検討するようシリア政府に呼びかけたが、この今のところ結果を得ていない…。交渉の道のりは長いが、交渉は将来、シリア国民の利益に沿ったもの、そして紛争の終わりをもたらすだろう」と述べた。

ANHA, October 3, 2018

https://youtu.be/MJlRde-WhE8

 

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は2011年に「アラブの春」がシリアに波及して以降初めてアラブ湾岸諸国のメディアのインタビューに応じ、復興ヴィジョンを語る(2018年10月3日)

アサド大統領はクウェート日刊紙『シャーヒド』(10月3日付)の単独インタビューに応じた。

アサド大統領がアラブ湾岸諸国のメディアのインタビューに応じるのは、2011年に「アラブの春」がシリアに波及して以降ではこれが初めて。

イタンビューは首都ダマスカスの大統領官邸で、1時間半にわたって行われた。

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

**

「報道機関としてのあなた方の役割に感謝します。あなた方は、誰も本当のことを言おうとしないなかで、率直に、そして明白に意見を述べられてきました」。

「アラブ・メディアは、残念ながら、中東諸国、とりわけシリアのイメージを歪めようとするのに躍起なシオニスト・米国の報道機関の背後に追いやられてしまっている。彼らの情報戦とは、嘘と偽りを駆使した非常に酷いもので、人々は真実と虚偽の間で迷いでしまった。しかし、意識の高いシリア国民はSNSを通じて事態を注視してきた」。

「クウェートはメディアを通じて事態を監視する役割を果たしてきた。あなた方が民主主義、自由、表現といった伝統のある国にいなければ、そこようなことはなされなかったでしょう」。

「我々はおかげさまで、ほとんどの都市でテロ犯罪者を捕らえ、市民をテロから守る備えができました…。我々は地域復興を開始しました…。近い将来、シリアは全土においてその支配、そして法を回復するでしょう。アラブ性(ウルーバ)を誇るシリアのいかなる場所にも主権が及ばない状態にはならないでしょう」。

「多くのアラブ諸国と我々の間には深い相互理解があります。また西側諸国のなかには大使館を再開することを計画・準備している国もあります。西側諸国、そしてアラブ諸国の使節団が実際にシリアを訪れて、外交、経済、産業といった分野での関係再開の調整を行い始めています」。

「近い将来、このテロ戦争の内幕が暴かれ、政治的ゲームに変化が生じ、シリアが民族の大義を支援するという枢軸的な役割を回復するでしょう。また、その前に、すべての避難民が自らの都市、町、村に戻るでしょう」。

al-Shahid, October 3, 2018

「ロシアの役割は確固たるものとなっており、中国、インド、そしてその他の友好国とも協力しています…。国際社会のパワーバランスは、今後変化し、より良くなるでしょう」。

「我々は今後、産業復興を開始し、中東地域においても秀でていたシリアの産業を支援するでしょう。さまざまな企業が、地元の企業、アラブ諸国や諸外国との合弁企業のいかんにかかわらず、支援を受け、復旧を遂げるでしょう」。

「我々は農業にも高い関心をもっちえます。この地域で品質の高い果物、野菜を生産してきたのはシリアです。我々は農産物を世界中に輸出したいと考えています」。

「さらに、観光、芸術、文化の門戸を開くでしょう。シリアはかつて、文化、芸術、創造に富んだ国だったからです…。ダマスカスに来て、どのような感想を持ちましたか?」。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、al-Shahid, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領「シリアでの戦争が終結し、シリア政府が要請すれば、ロシア軍は撤退する」(2018年10月3日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、首都モスクワでのエネルギー関係の会議で、シリア駐留ロシア軍の駐留の是非に関して、「シリアでの戦争が終結し、シリア政府が要請すれば、撤退する」と述べた。

AFP(10月3日付)などが伝えた。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

英日刊紙:ダーイシュのバグダーディー指導者の末子が2017年9月にロシア軍の爆撃で死亡(2018年10月3日)

『デイリー・メール』(10月3日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者の末子が2017年9月22日、ロシア軍による爆撃で死亡していたと伝えた。

バグダーディー氏には息子が5人いる。

なお、長男のフザイファ・バドリー氏(15歳)もヒムス県の発電所によるロシア・シリア軍の爆撃で2017年11月に死亡している。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、Daily Mail, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコとシリアが「アラブの春」のシリアへの波及に伴う両国関係悪化以降初となる治安会合を開催(2018年10月3日)

トルコ日刊紙『アイドゥンルク』(10月3日付)は、トルコとシリアが、2011年の「アラブの春」のシリアへの波及に伴う両国関係悪化以降初となる治安会合を開催した、と伝えた。

同紙によると、会合は先週(9月末)にイランの首都テヘランで開催され、両国の治安関係者が出席した。

トルコ側からはハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官が出席、シリア側の代表者の詳細については明らかにしなかった。

会合では、「イドリブ県解放の問題、中東情勢などが多角的に議論された」という。

al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、Aydinlik, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相「ロシアとトルコの合意がイドリブ県解放に向けた一歩となることを望む」(2018年10月3日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、マヤーディーン・チャンネル(10月3日付)のインタビューに応じ、そのなかで「ロシアとトルコの合意(イドリブ県での非武装地帯設置にかかる合意)がイドリブ県解放に向けた一歩となることを望む」と述べた。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Qanat al-Mayadin, October 3, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGはトルコの実質占領下のアフリーン郡でハムザ師団、スルターン・ムラード師団を攻撃(2018年10月3日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターが、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ラージュー町近郊とバルバラ村一帯で2日にトルコ軍の支援を受けるハムザ師団(第2師団)、スルターン・ムラード師団(第1軍団)を攻撃したと発表した。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はサファー丘でダーイシュとの戦闘を続ける(2018年10月3日)

ダマスカス郊外県では、SANA(10月3日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘の岩石砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)を追撃し、制圧地域を拡大した。

AFP, October 3, 2018、ANHA, October 3, 2018、AP, October 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2018、al-Hayat, October 4, 2018、Reuters, October 3, 2018、SANA, October 3, 2018、UPI, October 3, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万5,240人が帰国、避難民123万9,778人が帰宅(2018年10月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月3日付)を公開し、10月2日に難民487人(うち女性147人、子供249人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は15,960人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者15,642人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万5,240人(うち女性7万3,569人、子供12万5,064人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,529人(うち女性199万1,892人、子供338万6,150人)。

一方、国内避難民343人が10月2日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万7,416人(うち女性4万5,605人、子供7万9,684人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万9,778人(うち女性37万2,195人、子供63万1,540人)となった。

**

ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県3件、ラタキア県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 3, 2018をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.