イドリブ県を中心とする反体制派支配地域で「移行期統治委員会(設置を)、アサドの悪党打倒を」と銘打ったデモが行われる、金曜日の抗議デモはこれで9週連続(2018年10月26日)

反体制派系サイトのザマーン・ワスル(10月26日付)は、イドリブ県各所、アレッポ県東部、ハマー県北部の反体制派支配地域で金曜の集団礼拝後にデモが行われ、数万人が参加したと報じた。

デモが行われたのは、イドリブ県のイドリブ市、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラト・ミスリーン市、サラーキブ市、カフルナブル市、ムハムバル村、マアッラト・ハルマ村、ハーリム市、ハーン・シャイフーン市、サルキーン市、ジスル・シュグール市、カフル・ウワイド村、カフルサジュナ村、カンスフラ村、サルマダー市、サルミーン市、ダーナー市、アティマ村避難民キャンプ、マアッルシューリーン村、マストゥーマ村、ハマー県のカフルズィーター市、ラターミナ町、ジャーヌーディーヤ町、アレッポ県のアアザーズ市、バーブ市、アフリーン市、ダーラト・イッザ市、バータブー村、ラタキア県のナリラヤー村など70の市町村。

金曜日にデモが行われるのは、これで9週連続。

デモは、「移行期統治委員会(設置を)、アサドの悪党打倒を」と銘打たれ、体制打倒、革命継続、ソチ合意(ロシア・トルコ両政府による非武装地帯設置合意)拒否などが主唱された。

Zaman al-Wasl, October 26, 2018

AFP, October 27, 2018、ANHA, October 27, 2018、AP, October 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2018、al-Hayat, October 28, 2018、Reuters, October 27, 2018、SANA, October 27, 2018、UPI, October 27, 2018、Zaman al-Wasl, October 26, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県北部で活動する反体制派はシリア政府の身分証明書が無効になったと住民に布告(2018年10月26日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月26日付)によると、トルコ国境に近い県北部の反体制派の拠点都市であるアアザーズ市の地元評議会は、住民に対して、シリア政府発行の身分証明書を破棄し、新たな身分証明書を取得するよう求める布告を発した。

同評議会によると、シリア政府発行の身分証明書は反体制派支配地域(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室所属組織支配地域)において無効で、新たな身分証明書を取得しなければ、学校、裁判所、警察などでの福祉サービスを受けられないという。

al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018

AFP, October 26, 2018、ANHA, October 26, 2018、AP, October 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018、al-Hayat, October 27, 2018、Reuters, October 26, 2018、SANA, October 26, 2018、UPI, October 26, 2018などをもとに作成。

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レバノンのマヤーディーン・チャンネルによると、イドリブ県の反体制派がホワイト・ヘルメットともに有毒ガスをイドリブ市近郊に移動させる(2018年10月26日)

レバノンのマヤーディーン・チャンネル(10月26日付)は、イドリブ県で活動する反体制武装集団が、ホワイト・ヘルメットとともにイドリブ市から同市近郊のヒルバト・アームード村に有毒物質を搬送したと伝えた。

AFP, October 26, 2018、ANHA, October 26, 2018、AP, October 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018、al-Hayat, October 27, 2018、Qanat al-Mayadin, October 26, 2018、Reuters, October 26, 2018、SANA, October 26, 2018、UPI, October 26, 2018などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県東部でYPG主体のシリア民主軍とダーイシュの戦闘続く(2018年10月26日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(10月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハジーン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

ANHA, October 26, 2018

AFP, October 26, 2018、ANHA, October 26, 2018、AP, October 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018、al-Hayat, October 27, 2018、Reuters, October 26, 2018、SANA, October 26, 2018、UPI, October 26, 2018などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は国連安保理で制憲委員会設置に向けた自身の試みが頓挫したことを認める(2018年10月26日)

国連安保理でシリア情勢への対応を協議する会合が開かれた。

会合は米国の要請によるもので、テレビ会議システムで会合に参加したスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、制憲委員会設置に向けた動きについての報告を行い、そのなかで、シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相が、国連の役割を認めなかったと非難し、設置の試みが頓挫したことを認めた。

また、アスタナ会議保障国であるロシア、トルコ、イランが制憲委員会の構成に関する新たな提案を用意し、国連に提示することでシリア・ロシア両政府が合意しているとしたうえで、この提案がバランスのとれたものであれば、自身が提示した3度目となる名簿案を撤回する用意があると述べた。

制憲委員会は150人から構成され、うち50人をシリア政府が、50人を反体制派が、そして50人をデミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が選ぶことになっている。

またこのなかから15人(シリア政府選出5人、反体制派選出5人、シリア問題担当国連特別代表選出5人)に新憲法草案の起草を付託することが基本方針となっている。

ANHA, October 26, 2018

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一方、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構やトルコの庇護を受ける国民解放戦線などの支配下にあるイドリブ県およびその周辺地域に関して、主権を回復する決意を改めて表明するとともに、米主導の有志連合の攻撃を違法と非難した。

ジャアファリー代表は、「イドリブはシリアのかけがえのない一部を構成している。国家には、同地の主権を回復する決意がある…。これは国連憲章や国際法が保障している権利である…。シリアはイドリブがテロの新たな温床となることを許さないだろう」と述べた。

また「米国が主導する有志連合は、テロ組織だけを標的とせずに爆撃しており、違法だ」などと述べた。

SANA, October 26, 2018

RT(10月26日付)、SANA(10月26日付)が伝えた。

AFP, October 26, 2018、ANHA, October 26, 2018、AP, October 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018、al-Hayat, October 27, 2018、Reuters, October 26, 2018、RT, October 26, 2018、SANA, October 26, 2018、UPI, October 26, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県を、反体制派はアレッポ市を砲撃(2018年10月26日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月26日付)によると、シリア軍が県東部のラッファ村を砲撃し、女性3人と子供3人を含む7人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(10月26日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がアレッポ市を砲撃、ナイル通りに放談が着弾した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月26日付)によると、シリア政府との和解に応じたシリア革命家戦線の元司令官アフマド・ファッルーフ氏がサナマイン市でシリア軍に拘束された。

AFP, October 26, 2018、ANHA, October 26, 2018、AP, October 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2018、al-Hayat, October 27, 2018、Reuters, October 26, 2018、SANA, October 26, 2018、UPI, October 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから168人、ヨルダンから256人の難民が帰国、避難民232人が帰宅(2018年10月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月26日付)を公開し、10月25日に難民424人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは168人(うち女性50人、子供84人)、ヨルダンから帰国したのは256人(うち女性77人、子供128人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は22,841人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者19,978人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者1,834人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は 252,121人(うち女性75,637人、子供128,541人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,529人(うち女性1,991,859人、子供3,319,765人)。

一方、国内避難民232人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは22人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県に帰宅したのは210人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は160,452人(うち女性48,622人、子供81,041人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,242,814人(うち女性373,620人、子供633,424人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 26, 2018をもとに作成。

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