PYDの匿名消息筋:トルコとイランがシリア政府とYPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の交渉を中断させた(2018年10月6日)

バスニュース(10月6日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)を主導する民主統一党(PYD)の匿名消息筋の話として、イランとトルコがシリア政府に圧力をかけ、ロジャヴァ人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の交渉を中断させたと伝えた。

同消息筋によると、トルコとイランは、シリアにおけるクルド人問題の解決の解決が、両国のクルド人に波及することを嫌っているという。

同消息筋はまた、イランとつながりのあるシリア政府の治安当局が、クルド人とアラウィー派の対立を作り出そうとして、9月8日にカーミシュリー市でのシリア軍とロジャヴァ内務治安部隊(アサーイシュ)の衝突を画策したという。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、Basnews, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構と自由人軍がダーイシュ司令官2人を殺害(2018年10月6日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー通信(10月6日付)によると、シャーム解放機構と自由人軍がダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を要撃し、司令官2人を殺害した。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, October 6, 2018などをもとに作成。

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サーリフ人民議会議員は政令第16号がイラン人など外国人の宗教関係省勤務を認めるものだと批判(2018年10月6日)

ナビール・サーリフ人民議会議員(ラタキア選挙区A部門選出、無所属)はフェイスブックの自身のアカウント(https://www.facebook.com/nabil.saleh.370)で、9月20日に施行された政令第16号(http://www.syria-scope.com/wp-content/uploads/2018/09/مرسوم-وزارة-الاوقاف_.pdf)に関して、「宗教関係大臣に同省職員の国籍条件を除外する権限を定めた政令第16号の条項は、イラン人などの外国人が同省に入ることを許すものだ」としたうえで、ワスィーム・マウラーナー宗教関係大臣時間がシリア人ではなく、彼がこの条項を盛り込むんだと批判した。

政令第16号は、宗教関係省の同意を得ていないすべての宗教活動および宗教関係の財産を禁じることを定めた法律で、政府支持者のなかでも批判が相次いでいた。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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活動家らは悪性腫瘍の治療を行っているアスマー大統領夫人の写真を拡散し誹謗中傷(2018年10月6日)

反体制派系サイトのドゥラル・シャーミーヤ(10月6日付)は、複数の活動家が、最近になって撮影されたアスマー・アフラス大統領夫人の写真を拡散、誹謗中傷を活発化させていると伝えた。

大統領府は8月8日、アスマー夫人が悪性腫瘍の治療を始めたと発表していた(https://www.facebook.com/SyrianPresidency/)。

拡散されている写真は、抗ガン剤治療の副作用による脱毛を隠すように頭に布を巻いた夫人の写真。

Kull-na Shuraka’, October 6, 2018

写真を拡散した活動家の1人で離反士官のムスタファー・バックール氏は、フェイスブックのアカウントで「アサドの手でシリア人が化学兵器によって味わわされたものを、その妻であるアスマーはガンになって味わっている。アサドの化学兵器で犠牲となった人たちは数分間の拷問のような苦しみの後、殉教した。一方、アスマーは毎日拷問のような苦しみを味わい、なお死んでいない」などと綴っている。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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トルコの後押しを受ける国民解放戦線が、ロシア・トルコ首脳による非武装地帯設置合意に従い、重火器の撤去を開始(2018年10月6日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月6日付)が複数の軍消息筋の話として伝えたところによると、トルコの後押しを受ける国民解放戦線が、9月17日のロシア・トルコ首脳による非武装地帯設置合意に従い、重火器の撤去を開始した。

同消息筋によると、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、バラク・オバマ前米政権の支援を受け、最近までシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構と連携していた自由イドリブ軍が、県東部から戦車、重火器の撤去を始めたという。

ANHA(10月8日付)によると、イドリブ県ザーウィヤ山一帯の拠点に撤収。

国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官はテレグラムのアカウントで、ソチでの(ロシアトルコ両首脳による)非武装地帯設置合意に従い、前線における拠点や陣地をそのままとしたかたちで、重武装の撤去を開始した、と発表した。

なお、ロイター通信(10月6日付)もまた、複数の消息筋の話として、トルコの支援を受ける反体制派が6日早朝から重火器の撤去を開始したと伝えた。

一方、『ハヤート』(10月8日付)が、「自由シリア軍」司令官筋の話として伝えたところによると、シャーム軍団は、イドリブ県のアブー・ズフール町一帯およびジスル・シュグール市一帯、ハマー県北西部のガーブ渓谷一帯、ラタキア県北東部のトルコマン山一帯から重火器の撤退を開始したという。

al-Hayat, October 7, 2018

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、October 8, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、October 8, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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ロシアのボグダノフ外務副大臣「イドリブ県の非武装地帯設置合意は暫定的なもので、目的はテロリストを根絶し、武器を放棄しない戦闘員を打破することにある」(2018年10月6日)

ロシアのミハエル・ボグダノフ外務副大臣はスプートニク・ニュース(10月6日付)の取材に対して、「イドリブ県の合意(非武装地帯設置合意)は暫定的なもので…、その目的はテロリストの巣窟を根絶し、武器を放棄しない戦闘員を打破することにある」と述べた。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、Sputnik News, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍装甲車複数輌および兵士数十人がダイル・ザウル県南東部に展開し、YPG主体のシリア民主軍と対峙(2018年10月6日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(10月6日付)によると、ロシア軍装甲車複数輌および兵士数十人が5日、県南東部のブーカマール市近郊のユーフラテス川右岸(西岸)の複数カ所に展開した。

同地には、「イランの民兵」の拠点が複数あり、対岸のユーフラテス川左岸(東岸)には、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が展開し、サイヤール村一帯の拠点を強化している。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、Euphrates Post, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県西部(非武装地帯)でシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの後押しを受ける国民解放戦線が交戦後、停戦合意(2018年10月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、イドリブ県に近いミーズナーズ村、カフルヌーラーン村に侵攻し、トルコが後援する国民解放戦線と数時間にわたり交戦した。

この戦闘で、シャーム解放機構はミーズナーズ村を砲撃し、住民多数が負傷した。

ミーズナーズ村、カフルヌーラーン村は、17日にロシア・トルコ両首脳が設置合意した非武装地帯内に位置する。

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その後、シャーム解放機構と国民解放戦線は事態を収拾するため停戦合意を交わした。

合意は4項目からなり、戦闘が発生したミーズナーズ村一帯およびカフルヌーラーン村一帯での市民生活の回復と戦闘の回避、双方が拘束した逮捕者の即時釈放、指名手配者の法廷での即時審理などが定められている。

Kull-na Shuraka’, October 6, 2018

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの交戦、スーサ町、シャフア村、マラーシダ村に向けて進軍を続ける(2018年10月6日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(10月6日付)によると、「テロ駆逐の戦い」を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を続け、スーサ町近郊、シャフア村近郊、マラーシダ村近郊に到達した。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はサファー丘でダーイシュへの攻撃を続ける(2018年10月6日)

ダマスカス郊外県では、SANA(10月6日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘の岩石砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点への攻撃を続けた。

AFP, October 6, 2018、ANHA, October 6, 2018、AP, October 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2018、al-Hayat, October 7, 2018、Reuters, October 6, 2018、SANA, October 6, 2018、UPI, October 6, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万6,009人が帰国、避難民124万599人が帰宅(2018年10月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月6日付)を公開し、10月5日に難民153人(うち女性46人、子供78人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は16,729人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者16,411人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万6,009人(うち女性7万3,797人、子供12万5,452人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,529人(うち女性199万1,892人、子供338万6,150人)。

一方、国内避難民227人が10月5日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万8,237人(うち女性4万7,809人、子供7万9,955人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は124万599人(うち女性37万2,878人、子供63万2,456人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県2件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも3件の停戦違反(ハマー県)を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 6, 2018をもとに作成。

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