トルコのチャヴシュオール外務大臣は制憲委員会設置に向け「事態変更」を試みるロシアを批判(2018年10月4日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、1月のソチでのシリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会に関して「政権、反体制派、市民社会が三つの(制憲委員会メンバー候補者の)リストがあるが…、一部の国が政権にとって有利なようにバランスを変えようとしている」とロシアの姿勢を暗に批判、「事態はそのようにはならない」と述べた。

発言は、ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官が「制憲委員会の発足は困難だ。残念ながら、みなが建設的に考えている訳ではないからだ。だが、我々は建設的に作業を進めるため事態を変更しようとしている」と述べたことへの批判。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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トルコ領内でのサウジアラビア領事館による著名ジャーナリスト拘束への疑惑が強まるなか、トルコの庇護を受けるイドリブ県の反体制派は親サウジの反体制派への抗議デモを呼びかける(2018年10月4日)

ドゥラル・シャーミーヤ(10月4日付)は、トルコの影響下にあるイドリブ県やハマー県北部、そして同国の実質占領下にあるアレッポ県北部で活動を続ける活動家・組織が、5日午後に「交渉委員会は我々を代表していない」と銘打ったデモを呼びかけている、と伝えた。

交渉委員会とは、ジュネーブ会議での反体制派の代表組織として、サウジアラビアの肝煎りで2015年末に結成された最高交渉委員会のこと。

デモでは、アサド政権の打倒、ロシアに懐柔された最高交渉委員会の拒否などが訴えられる予定だという。

al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018

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なお、トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は3日、トルコ国内で2日に失踪した米国在住のサウジアラビア人ジャーナリストのジャマール・ハシュークジー(Jamal Khashoggi)氏に関して、記者団に対して「我々が得ている情報によると、サウジアラビア国籍のこの人物は現在も(イスタンブールのサウジアラビア)領事館にいる」と述べた。

カリン報道官によると、トルコ外務省と警察当局が事件について調査を行っているほか、トルコ政府もサウジアラビア政府高官に連絡をとっているという。

カシュークジー氏は2日、婚姻届を提出するために必要な書類を受け取るためにイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪れて以降消息を経ったままで、婚約者(トルコ人)は3日朝から、領事館施設の前でカシュークジー氏を待っているという。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Naharnet, Octoer 4, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動前総司令官で国民解放戦線指導評議会メンバー「トルコを煩わせないようにするため非武装地帯設置合意を受諾した」(2018年10月4日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線の指導評議会メンバーで、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動のハサン・スーファーン前総司令官は、シャーム自由人イスラーム運動系サイトのナダー・スーリヤー(10月4日付)の取材に応じ、ロシア・トルコ首脳が17日にイドリブ県で非武装地帯を設置合意したことに関して「我々は、敵国ロシアがそれ(非武装地帯設置合意)を長期間遵守するとは思っていない…シリア国民の革命は終わらないし、その闘争はイドリブ県境にいたる地域で、自由が得られるまで続く」と述べた。

スーファーン氏はまた、国民解放戦線が非武装地帯設置合意を(ロシア軍の同地への撤退を拒否しつつも)受諾したことに関して、「国民戦線は即座に同意したことで、トルコは、ロシア軍の非武装地帯への進入阻止にかかる文言にこだわることなく、ロシアと交渉できるようになった…。拒否することで、トルコを煩わせたくなかった」ためと述べた。

al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Nada’ Suriya, October 4, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「シリア国民が選挙を実施すれば、我々はシリアをあるべき「持ち主」に委ねる…。ロシアとシリア難民の帰還について合意した」(2018年10月4日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイスタンブールで開かれたフォーラムで演説し、「シリア国民が選挙を実施すれば、我々はシリアをあるべき「持ち主」に委ねるだろう」と述べた。

この選挙が何をするかについては明らかにしなかった。

エルドアン大統領はまた「ロシアとシリア難民の帰還について合意した…。トルコは難民の前で門戸を閉ざすようなことはしない。なぜならそれはトルコの価値観に反するからだ」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月4日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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YPGに近い「オリーブの怒り」作戦司令室はトルコの実質占領下にあるアフリーン郡(アレッポ県)で反体制派を攻撃(2018年10月4日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)に近い「オリーブの怒り」作戦司令室広報センターが声明を出し、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡のバッル村・シャイフ・リーフ村間の街道で2日、反体制武装集団を攻撃し、2人を殺害したと発表した。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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シリア軍がサファー丘でダーイシュ掃討戦を続けるなか、ロシア軍憲兵隊はスンナ青年旅団の戦闘員約150人を援軍として派遣(2018年10月4日)

ダマスカス郊外県では、SANA(10月4日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘一帯の岩石砂漠地帯(スワイダー砂漠)で、ダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を継続し、カブル・シャイフ・フサイン地区に向かって進軍、カアー・マナート地区を制圧した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月4日付)は、ロシア軍憲兵隊が、ダルアー県でシリア政府との和解に応じたアフマド・アウダ氏率いるスンナ青年旅団の戦闘員約150人を、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍との戦闘が続いているダマスカス郊外県サファー丘一帯に移送したと伝えた。

これに関連して、スワイダー24(10月4日付)は、第5軍団が、スンナ青年旅団の対ダーイシュ掃討戦への参加を求めるロシア軍の要請を正式に同意したと伝えた。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、Suwayda 24, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの戦闘の末、ダイル・ザウル県南東部の1カ村を制圧(2018年10月4日)

ダイル・ザウル県では、「テロ駆逐の戦い」を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターが声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、スーサ町近郊のムーザーン村を制圧したと発表した。

広報センターはまた、上バーグーズ村一帯、ハジーン市一帯でダーイシュと交戦し、拠点17カ所を制圧、21人を殲滅したと発表した。

AFP, October 4, 2018、ANHA, October 4, 2018、AP, October 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2018、al-Hayat, October 5, 2018、Reuters, October 4, 2018、SANA, October 4, 2018、UPI, October 4, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万5,694人が帰国、避難民124万32人が帰宅(2018年10月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月4日付)を公開し、10月3日に難民454人(うち女性135人、子供231人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は16,414人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者16,096人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万5,694人(うち女性7万3,704人、子供12万5,295人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,529人(うち女性199万1,892人、子供338万6,150人)。

一方、国内避難民254人が10月3日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万7,670人(うち女性4万7,693人、子供7万9,803人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は124万32人(うち女性37万2,404人、子供63万1,808人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、ロシア側監督チームが過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ハマー県2件、アレッポ県2件、ラタキア県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 4, 2018をもとに作成。

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