ロシア・シリア両軍の激しい爆撃・砲撃が続くなか、シリア軍がシャーム解放機構との戦闘の末にハマー県北部の要衝カルアト・マディーク町を含む複数町村を制圧(2019年5月9日)

シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県北部、アレッポ県西部に対するロシア・シリア両軍の攻撃が続き、ロシア軍戦闘機が46回、シリア軍戦闘機が126回にわたる爆撃を実施、シリア軍ヘリコプターが79回の「樽爆弾」を投下、地上部隊も630回あまりの砲撃を行った。

また、ANHA(5月9日付)は、ハマー県北部、イドリブ県各所に対するロシア・シリア軍の攻撃とシャーム解放機構などからなる反体制派との戦闘を受けて、トルコの占領下のアレッポ県アフリーン郡に避難した住民の数が約5万人に達していると伝えた。

一方、反体制派支配地域で活動するホワイト・ヘルメットは、ツイッターのアカウントで、4月26日から5月9日にかけてラマダーン月に入った6日以降、隊員を含む122人が死亡し、329人が負傷していると発表した。

また、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月9日付)は、サフル村での戦闘でシリア軍将兵29人を殺害したと伝えた。

同ネットによると、この2日で殺害されたシリア軍兵士は100人以上にのぼるという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがタマーニア町に「樽爆弾」4回を投下した。

またシリア軍地上部隊がサフル村、ザカート村、ズィヤーラ町に激しい砲撃を加えた。

これに対して、ANHA(5月9日付)によると、反体制武装集団が、シリア政府支配下のカルナーズ町を砲撃し住民多数が負傷した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月9日付)によると、トルコの支援を受ける国民解放戦線が、カフルヌブーダ町近郊やカルアト・マディーク町近郊、タッル・フワーシュ村近郊の前線でシリア軍部隊を攻撃し、兵士多数を殺害、戦車1輌を破壊した。

一方、ANHAやナハールネット(5月9日付)などによると、トルキスタン・イスラーム党が8日にシリア軍によって制圧されたカフルヌブーダ町で自爆攻撃を複数回にわたり敢行し、同地を一時奪還した。

これに対して、シリア軍は再び攻撃を強め、同地を再び奪還するとともに、シャーム解放機構との戦闘の末、戦略的要衝であるカルアト・マディーク町、トゥワイナ村、ウスマーン丘、カルカート村、ジャナービラ村、タッル・フワーシュ村、トゥワイナ、シャリーア村、シャイフ・イドリース村、バーブ・ターカ村を制圧した。

他方、SANA(5月9日付)によると、シリア軍がカルアト・マディーク町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がラタキア県との県境に位置するナビー・アイユーブ丘、第46中隊基地、イフスィム町、マアッラト・スィーン村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村を46回にわたり爆撃した。

またシリア軍戦闘機が、カフルヌブーダ町に39回、フバイト村に33回、ハーン・シャイフーン市に16回、ヒーシュ村に6回、ナキール村に2回、トゥラムラー村に2回、アービディーン村に2回、カンスフラ村に1回、ウンム・スィール村に2回、イフスィム町に2回の爆撃を行った。

シリア軍ヘリコプターも、カフルヌブーダ町に「樽爆弾」22回、フバイト村に22回、ハーン・シャイフーン市に12回、ヒーシュ村に4回、ナキール村に2回、カフルサジュナ村に2回、シャイフ・ムスタファー村に2回を投下した。

さらにシリア軍地上部隊がハーン・シャイフーン市、フバイト村、カフルヌブーダ町、サルジュ村に激しい砲撃を加えた。

一方、SANA(5月9日付)によると、シリア軍が、アブー・ズフール町一帯にあるシャーム解放機構、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構、そしてアンサール・ムジャーヒディーンを名のる組織の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

このほか、ANHA(5月9日付)によると、イドリブ市の革命地区にある殉教者アルマーザー・ハリール公園近くで爆弾が爆発し、住民1人が負傷した。

また、ハーン・シャイフーン市では、反体制武装集団の退去を求めるデモが発生した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がシャンナーン村に4回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊がカフルハムラ村、アレッポ市ムハンディスィーン地区、ズィルバ村に激しい砲撃を加えた。

一方、ANHA(5月9日付)によると、反体制武装集団が、シリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町、カフルハムラ村、アナダーン市、フライターン市、マンスーラ村、ハーン・アサル村、第46中隊基地、アレッポ市ライラムーン地区、ザフラー地区、記者協会地区を地対地ミサイルなどで激しく攻撃し、住民13人が死亡した。

こうしたなか、ANHAによると、トルコ軍がアレッポ市ラーシディーン地区に設置していた監視所から部隊を撤退させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がカッバーナ村一帯に13回の爆撃を行った。

またシリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」9回を投下した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県1件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(アレッポ県8件、イドリブ県4件、ラタキア県2件、ハマー県1件)確認した。

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 9, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, May 9, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構と共闘する「穏健は反体制派」のイッザ軍はハマー県カフルヌブーダ町とカルアト・マディーク町の喪失の理由は4つあったと指摘(2019年5月9日)

シャーム解放機構と共闘関係にある「穏健は反体制派」のイッザ軍のジャミール・サーリフ少佐は、ツイッターのアカウントで、ハマー県カフルヌブーダ町とカルアト・マディーク町の喪失に関して、①反体制派がアスタナやソチでの会議を信用してしまったこと、②政治姿勢が定まっていない者たちが屈してしまったこと、③ロシアとの取引を行わなかったこと、④政治的決断が遅れたことが敗因だと綴った。

https://twitter.com/jamelalsaleh0/status/1126554561571885056?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1126554561571885056&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F135077

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019などをもとに作成。

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EUとドイツはロシア・シリア両軍による攻撃を「受け入れられない国際法違反」と非難、「シャーム解放機構を口実とするな」と警告(2019年5月9日)

欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県北部、アレッポ県西部の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア軍の攻撃が激化していることに関して、「受け入れられない国際法違反」と批判した。

モゲレーニ上級代表は「シリア北西部での最近の軍事情勢の悪化は、学校、病院などに対して爆撃や砲撃が行われ、さらには「樽爆弾」が使用されており、受け入れられない国際法違反にあたる…。多くの人名が失われ、深刻な被害がシリアの人々に生じている」としたうえで、「EUはソチ合意の保証国であるロシアとトルコに、その履行遵守を求める」と述べた。

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ドイツ外務省は声明を出し、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県北部、アレッポ県西部の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア軍の攻撃が激化していることに関して「ロシアは、アサド政権が壊滅的攻撃を行うことの口実としてシャーム解放機構を利用してはならない」と発表した。

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下のアレッポ県北部を砲撃(2019年5月9日)

アレッポ県では、ANHA(5月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるスーガーニカ村、アキーバ村を砲撃した。

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、アレッポ県北部のタッル・リフアト市一帯に展開する人民防衛隊(YPG)に対して、トルコ軍が反撃を加えたと発表した。

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍が住民を射殺したのを受け、各地で抗議デモが再燃(2019年5月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(5月9日付)、ユーフラテス・ポスト(5月9日付)が複数の住民筋の話として伝えたところによると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシュハイル村で住民に対して発砲し、6人を殺害、4人を負傷させた。

同情報筋によると、シリア民主軍は、シュハイル村のカトフ地区を2時間以上にわたり包囲、米主導の有志連合ヘリコプター1機を同地を低空で旋回するなか、地区内に突入、住民に対して無差別に発砲、多数の住民を拘束したという。

シュハイル村では、シリア民主軍による住民殺害に対する抗議デモが発生したが、シリア民主軍はこれに対しても発砲し、1人が死亡した。

デモ再発に関して、シリア民主軍交換は匿名を条件にAP(5月9日付)の取材に応じ、「ダイル・ザウル県での抗議行動はシリア政府、その同盟者であるイラン、そしてトルコを利するもので、ダーイシュ(イスラーム国)への勝利を無に帰する」と懸念を表明した。

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また、SANA(5月9日付)が複数の住民筋の話として伝えたところによると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市、ダマーン村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行や犯罪行為に抗議し、同地からのシリア民主軍と米軍の退去を求めるデモが再び発生し、住民が参加した。

同情報筋によると、デモはシリア民主軍がシュハイル村で住民に発砲し、6人を殺害したことを受けて再燃したという。

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、Euphrates Post, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019などをもとに作成。

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