米国務省報道官はラタキア県でのシリア軍による化学兵器攻撃疑惑に関して「もしアサド政権が化学兵器を使用したら、米国とその同盟国は即座にそして適切に対応する」と警告(2019年5月22日)

米国務省のモーガン・オータガス報道官は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に近いイバー・ネットが19日にラタキア県クルド山地方カッバーナ村近郊のクナイバ丘をシリア軍が塩素ガスを装填した砲弾で攻撃したと伝えたことに関して、「もしアサド政権が化学兵器をしようしたら、米国とその同盟国は即座にそして適切に対応する」と警告した。

オータガス報道官は、19日の事件について「情報を収集している」としたうえで、「アサド政権が化学兵器を再び使用する兆候に目を向け続けている」と強調、「もしアサド政権が化学兵器をしようしたら、米国とその同盟国は即座にそして適切に対応する」と警告した。

一方、ホワイト・ヘルメットなどが、シリア軍やロシア軍による化学兵器使用を捏造としているとのロシアの発表について、作り話だと一蹴、シリアとロシアが2018年11月24日にアレッポ市近郊で反体制派による化学兵器使用を捏造したと反論、OPCWや国連の調査でも、アサド政権による化学兵器使用が証明されていると主張した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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フランス外務省はラタキア県でシリア軍が化学兵器を使用したとの反体制派情報に関して、OPCWが調査すべきと発表(2019年5月22日)

フランス外務省は声明を出し、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に近いイバー・ネットが19日にラタキア県クルド山地方カッバーナ村近郊のクナイバ丘をシリア軍が塩素ガスを装填した砲弾で攻撃したと伝えたことに関して、「シリアで化学兵器による攻撃が行われたとする最近の発言が調査されるべきだ…。我々はOPCWに全幅の信頼を置いている」と発表した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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トルコのアカル国防大臣「シリア軍がイドリブ県を攻撃しても、トルコ軍監視所は撤退させない」(2019年5月22日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、シリア・ロシア軍がイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯への攻撃を激化させていることに関して、同地に設置されているトルコ軍の監視所を撤収することはないと述べた。

アカル国防大臣は「(アサド)政権の攻撃を受けてイドリブ県の監視所を撤収することは絶対にない。どの場所でもそのようなことは起こらない…。トルコ軍部隊は展開地から撤退することはない」と述べた。

また「アサド政権は県南部での支配を拡大し、アスタナでの合意に違反しようとしている…。政権は「樽爆弾」、地上部隊の攻撃、爆撃を駆使して現状を覆すためにできるあらゆることを行っている」と批判した。

アナトリア通信(5月22日付)が伝えた。

AFP, May 22, 2019、Anadolu Ajansı, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省は反体制派がフマイミーム航空基地を砲撃したと発表(2019年5月22日)

ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県の緊張緩和地帯で活動する「テロリスト」がラタキア県のフマイミーム航空基地に向けてロケット弾8発を発射、ロシア軍がこれを撃破したと発表した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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シリア軍がカフルヌブーダ町(ハマー県)で反体制武装集団戦闘員30人以上殲滅する一方、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)を爆撃、民間人12人が死亡(2019年5月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから23日目となる5月22日、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より114人(民間人23人、兵士・反体制武装集団戦闘員91人)増えて630人となった。

うち、204人が民間人(女性41人、子供39人を含む)、390人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回、投下した「樽爆弾」の数は57発を記録、ロシア軍戦闘機も爆撃を行った。
また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は530発以上にのぼった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に5回、ハーン・シャイフーン市およびその一帯に5回、サラーキブ市に4回、マアッラト・ハルマ村とその一帯に3回、カフルサジュナ村に3回、ジスル・シュグール市、アービディーン村、スフーフン村、バーラ村、イシュタブリク村、シャイフ・ムスタファー村、アイン・ラールーズ村一帯、マガッル・ハマーム村、アリーハー市、カフルルーマー村一帯、アミーカ村、トゥラムラー村にそれぞれ2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」12発、アービディーン村、バアルブー村、スフーフン村にそれぞれ2発を投下した。

ロシア軍もマアッラト・ヌウマーン市に対して爆撃を行った。

シリア軍はまた、地上部隊がハーン・シャイフーン市、マアッラト・マーティル村、マアッラト・ハルマ村、アルマナーヤー村、ダイル・サンバル村を砲撃した。

同監視団によると、シリア軍戦闘機によるマアッラト・ヌウマーン市への爆撃で子供1人を含む民間人12人が、サラーキブ市への爆撃で民間人5人が、ジスル・シュグール市への爆撃で子供1人が、マアッラト・ハルマ村への爆撃で民間人2人が、シリア軍ヘリコプターによるスフーフン村への「樽爆弾」での爆撃で民間人1人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がシリア政府支配下の県北部への攻撃を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルヌブーダ町およびシャフシャブー山一帯に30回、ムーリク市、シール・マガール村、ハウワーシュ村にそれぞれ2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターがカフルヌブーダ町とその一帯(シャフシャブー山一帯)に「樽爆弾」27発、アンカーウィー村、フワイジャ村にそれぞれ3発、マイダーン・ガザール村に2発を投下した。

シリア軍はまた地上部隊がカフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村、ザカート村、シャフルナーズ村、サフリーヤ村、マイダーン・ガザール村、フワイジャ村、アンカーウィー村、ザクーム村を砲撃、反体制武装集団もスカイラビーヤ市各所を砲撃した。

同監視団によると、シリア軍戦闘機によるハウワーシュ村への爆撃で民間人1人が死亡した。

また、カフルヌブーダ町では、シリア軍が敷設した地雷の爆発により、イッザ軍などの反体制武装集団の戦闘員17人が死亡した。

さらにシャフシャブー山に面するガーブ平原、カフルヌブーダ町などでのシリア軍との戦闘で反体制武装集団の戦闘員18人が死亡した。

戦闘ではシリア軍側も15人が死亡した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がシリア政府支配下の県北部への攻撃を続けるシャーム解放機構などの反体制武装集団と交戦した。

他方、イッザ軍司令官のムスタバー・バックール大佐はドゥラル・シャーミーヤ(5月22日付)に対して、カフルヌブーダ町内の複数拠点を解放することに成功し、シリア軍戦車、装甲車などを破壊したと主張した。

国民解放戦線報道官のムスタファー・ナージー大尉も、ドゥラル・シャーミーヤ(5月22日付)に対して、カフルヌブーダ町での戦闘でシリア軍戦車複数輌を破壊したと主張した。

シャーム解放機構も同地でシリア軍装甲車を破壊したと主張している。

なお、シャーム解放機構は、カフルヌブーダ町を制圧したと発表したが、ロシア国防省はこれをただちに否定した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村に2回の爆撃を行う一方、ヘリコプターも同地に「樽爆弾」4発を投下した。

また、同地ではシリア軍と反体制武装集団が交戦、シリア軍兵士4人が死亡した。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月22日付)によると、シリア軍はカッバーナ村近郊のクナイバ丘の攻略を試みたが、シャーム解放機構が撃退、多数の兵士を殺傷したという。

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アレッポ県、シリア人権監視団によると、シリア軍がダクマーク村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(アレッポ県1件、ラタキア県11件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(アレッポ県1件、ラタキア県2件、ハマー県9件)確認した。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 22, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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アスマー大統領夫人がハマー市にある義肢センターを訪問(2019年5月22日)

大統領府は、アスマー・アフラス大統領夫人が、ハマー市にある義肢センターを訪問したと発表、その映像や写真をフェイスブックの公式アカウントで公開した。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/2414896615220823?__xts__%5B0%5D=68.ARB8Vu528G-rI_A9LPjL3jZ5gDYuIGe9ATL2j7VXiQKhaIzl8NrNPkwN6X9mQe8JNlkVqqq-VAikkGd2VerjLIgW_CSsmB3A0RWaWIovQM5SugUaPux_Ey7DYQphwKyqD68wh8ewTGGc5lWYEXa59-zn7P2EqYOt059OBYk2yEyiWAYShBjXCuShEOZ6wx00hD8rxPlS5i8pngY94LE8rXv6CAmosFO-HRb976sCKJyygyBl270mFOta51llGu7CZLLi8a0MEgWg_rgUfBvcgQavQK5Nez0ElKOVxcx8PqxOlh4-1a_5iZrx7s1Vbfgg3wLOBb9bEuMpelOW_F5A4qIzlg&__tn__=-R

https://www.youtube.com/watch?v=6eScPGxBmMY&feature=youtu.be&fbclid=IwAR24C9XrfcVK9UgHe8BpadYdbFV05A-legeSezZD9vTlMA8osAv4ImAz4iE

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UNHCR報道官:シリア政府の支配下に復帰した2018年7月以降、ダルアー県で少なくとも380人が逮捕・拘束されている(2019年5月22日)

UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)のマルタ・フルタド報道官は、ダルアー県がシリア政府の支配下に復帰した2018年7月以降、同地で少なくとも380人が逮捕・拘束されていると発表した。

このうちの150人は拘束から数日で釈放されたが、少なくとも230人は依然として拘束されているという。

フルタド報道官は「ダルアー県では多くの家族が失踪、ないしは拘束された親族について限られた情報しか得ておらず、まったく情報が掴めていない者もいる」と述べた。

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トルコの支援を受ける反体制武装集団がアレッポ県北部でバーブ軍事評議会の拠点を砲撃(2019年5月22日)

アレッポ県では、ANHA(5月22日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団が、バーブ市近郊のウーラーシュリーヤ村にあるバーブ軍事評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属)の拠点を重火器・中火器で攻撃、バーブ軍事評議会がただちに応戦、武装集団と交戦した。

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シリア・ロシアは、米軍駐留によって帰国が阻まれているルクバーン・キャンプの難民が1日に7人から10人死亡していると発表(2019年5月22日)

国外難民帰還調整委員会はロシア当事者和解調整センターは共同声明を出し、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に隣接するヨルダン国境のルクバーン・キャンプの難民の状況に関して、深刻な水、食糧不足が続き、劣悪な衛生環境のなかで、子供を中心に1日に7人から10人が死亡していると発表した。

4~5万人が収容されていたとされるキャンプの難民のうち、1万2967人は、両調整委員会の活動の甲斐あって、シリア政府支配地域への帰還を果たしているが、帰還を希望する難民は今も、米軍の支援を受ける「テロ集団」からキャンプを去るために金銭を要求されているという。

両調整委員会は米国に、ルクバーン・キャンプ、そして北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県のフール・キャンプに収容されている避難民の帰還を妨害しないよう呼びかけている。

AFP, May 22, 2019、ANHA, May 22, 2019、AP, May 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2019、al-Hayat, May 23, 2019、Reuters, May 22, 2019、SANA, May 22, 2019、SOHR, May 22, 2019、UPI, May 22, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから314人、ヨルダンから707人の難民が帰国、避難民11人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月22日付)を公開し、5月21日に難民1,021人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは314人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは707人(うち女性253人、子供429人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は230,938人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者80,707人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者150,231人(うち女性44,099人、子ども76,606人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 460,218人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民11人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性5人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,791人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,387人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 22, 2019をもとに作成。

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