北・東シリア自治局はフール・キャンプに収容されていたダーイシュ・メンバーの家族148人の身柄をウズベキスタン政府に引き渡す(2019年5月29日)

北・東シリア自治局の渉外関係局(外務省に相当)のカマール・アーキフ報道官は、ハサカ県カーミシュリー市で記者会見を開き、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって拘束・保護され、フール避難民キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)のウズベキスタン人メンバーの家族(女性と子供)148人の身柄をウズベキスタン政府に引き渡したと発表した。

記者会見にはウズベキスタン政府の高官も同席した。

ANHA(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアとシリアはルクバーン、フール両キャンプの避難民が「米国に管理された武装ギャング」に人質にとられていると非難(2019年5月29日)

シリア国外難民帰還調整委員会とロシア当事者和解調整センターは共同声明を出し、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内のヨルダン国境との緩衝地帯に位置するヨルダン国境のルクバーン・キャンプと、北・東シリア自治局の支配下にあり、有志連合が駐留するハサカ県のフール・キャンプの状況に関して、「米国に管理された武装ギャング」によって避難民が人質にとられていると非難した。

声明によると、ルクバーン・キャンプからは3月23日以降、1万3337人がシリア政府支配地域への帰還を果たしたが、約3万人が非人道的な状況下でキャンプにとどまることを余儀なくされている。

キャンプに身を寄せる避難民は85%以上が帰還を希望しているという。

一方、フール・キャンプの状況はさらに劣悪で、過去4ヶ月間で収容者数が4倍に増加、7万3000人とされる避難民が非衛生で劣悪な環境に置かれているという。

シリア国外難民帰還調整委員会はロシア当事者和解調整センターはこうした状況を鑑み、国際社会、国連関連機関、人道支援機関に対して、米国に影響力を行使し、同国が違法に占領する地域から即時撤退を求めるよう呼びかけた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

殉教者アフマド・アブドゥー軍団がルクバーン・キャンプの防御を強化するとして泥壁の家200棟を破壊・撤去(2019年5月29日)

ザマーン・ワスル(5月29日付)は、米軍が占領するヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動を続ける殉教者アフマド・アブドゥー軍団が、同地に面するヨルダン北東部国境地帯に位置するルクバーン・キャンプの防御を強化するとして、工兵部隊が空き家となったキャンプ内の泥壁の家の撤去作業を開始したと伝えた。

撤去作業は28日に開始され、これまで200棟が破壊、撤去されたという。

作業は、ダーイシュ(イスラーム国)が空き家をアジトや隠れ家として使用するのを阻止するためだという。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019、Zaman al-Wasl, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県北部での戦闘に参加する元反体制派をスハイル・ハサン准将指揮下の民兵が背後から銃殺(2019年5月29日)

レバノン日刊紙『ムドン』(5月29日付)は、匿名情報筋の話として、タッル・フワーシュ村の前線で、シリア軍第5軍団に所属し、反体制武装集団との戦闘に参加していた元反体制武装集団の司令官がスハイル・ハサン准将指揮下の民兵(「トラ部隊」)によって背後から撃たれて死亡したと伝えた。

殺害されたのは、シリア政府と和解し、戦闘に参加していた「サルスール」を名のる前線司令官で、「トラ部隊」は随行していた5人にも発砲、1人が死亡、4人が負傷しハマー軍事病院に搬送されたという。

**

一方、ハウラーン自由人連合は、複数の地元消息筋の話として、25日にダルアー県ダーイル町南部の学校近くで、元反体制武装集団メンバーのニダール・ハワーミダ氏が、軍事情報局のメンバーと思われるグループによって射殺されたと発表した。

ハワーミダ氏はシリア政府との和解を拒否していたという。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、al-Mudun, May 29, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのアカル国防大臣はロシアに対してイドリブ県へのシリア軍の攻撃を停止させるよう求める(2019年5月29日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するシリア・ロシア軍の激しい攻撃が続いていることに関して、「我々はロシアとイドリブ県における早急な安定の実現と停戦に向けて連絡を取り続けている」と述べた。

アカル国防大臣は「ロシアにはさまざまなチャンネルがあり、このために行動している」と付言、「シリア政府はこの地域に対して陸と空から攻撃を続けており、数万の女性、子供、老人が非難を余儀なくされている…。悲劇だ」と非難した。

アナトリア通信(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2019、Anadolu Ajansı, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカスとオマーンの首都マスカットを結ぶ定期旅客便再開(2019年5月29日)

シャーム・ウィングス社は声明を出し、ダマスカスとオマーンの首都マスカットを結ぶ定期旅客便を再開したと発表した。

定期旅客便は週2回、月曜日と木曜日に就航するという。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はハサカ県で空挺作戦を敢行し、ダーイシュのメンバー15人を拘束(2019年5月29日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍特殊部隊とともに、県南部のカーナー村で空挺作戦を敢行し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー約15人を拘束した。

https://www.youtube.com/watch?v=WOenSmCnP9s

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍がイドリブ県などへの攻撃を続け、反体制派戦闘員43人、民間人18人が死亡(2019年5月29日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから1ヶ月目となる5月29日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より61人(民間人18人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員43人)増えて925人となった。

うち、303人が民間人(女性63人、子供72人を含む)、622人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(353人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回、投下した「樽爆弾」の数は46発を記録、ロシア軍戦闘機も15回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は565発以上にのぼった。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアリーハー市、シャイフ・ムスタファー村、ハーン・シャイフーン市、カンスフラ村、スフーフン村、アービディーン村、サルジャ村、カルサア村、マアッルズィーター村、ムサイビーン村一帯、ウライニバ村、タルナバ村一帯、ナキール村、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、ハッサーナ村、カッサービーヤ村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでフバイト村、バーラ村、アービディーン村、ナキール村、ウライニバ村、マアッラト・ハルマ村一帯、カフルズィーター市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、県南部各所を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、フバイト村一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月29日付)によると、サルジャ村に対するシリア軍の爆撃で女性5人、子供1人を含む民間人7人が死亡、バーラ村では「樽爆弾」によって子供2人を含む民間人3人が死亡した。

またフバイト村に対する爆撃で、ロシア軍は燃料気化爆弾を使用し、民間人3人が死亡したという。

一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月29日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊が「アサド政権」のために活動する一家3人を拘束したと伝えた。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、人民抵抗連隊が、反体制派支配地域の境界地帯でシリア軍の進軍に備えるため、「汝のくにを防御せよ」と銘打った作戦を開始したと発表した。

**

ハマー県では、SANA(5月29日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町、シャトハ町、サルハブ市、スカイラビーヤ市を砲撃し、女性1人が死亡、7人が負傷した。

これに対して、シリア軍はイドリブ県のカフルサジュナ村、バーラ村一帯から県北部に進入・展開したシャーム解放機構に対して砲撃を加えた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は戦闘機でクマイナース村に爆撃を実施、地上部隊が県北部各所を砲撃した。

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月29日付)によると、トルコの支援を受ける国民火砲戦線がカルア山にあるシリア軍拠点複数カ所を襲撃し、兵士多数を殺傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部各所を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が、県西部各所を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(ハマー県2件、アレッポ県1件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、May 30, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.