シリア軍はシャーム解放機構との戦闘の末ハマー県北部の要衝カフルヌブーダ町を制圧(2019年5月8日)

ハマー県では、シリア人権監視団やANHA(5月8日付)によると、シリア軍は、シャーム解放機構の支配下にあるカフルヌブーダ町、フワイジャ村一帯、ラターミナ町、カフルズィーター市を砲撃し、複数の民間人が死傷した。

シリア軍はまた、ハマー県北部の反体制派支配地域を進軍し、戦略的要衝であるカフルヌブーダ町とバーナ村を制圧した。

カフルヌブーダ町制圧により、シリア軍はカルアト・マディーク町とイドリブ県のハーン・シャイフーン市を結ぶ街道する幹線道路や、ハマー県のガーブ平原、とイドリブ県のシャフシャブー山一帯を結ぶ道路を遮断することに成功した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(5月8日付)によると、シャーム解放機構の戦闘員がカフルヌブーダ町でシリア軍に対して、自爆攻撃を行い、兵士数十人を殺傷したほか、サフル丘一帯で戦車3輌を撃破したという。

他方、SANA(5月8日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカルナーズ町を砲撃し、住民複数人が負傷した。

これに対し、シリア軍はカフルヌブーダ町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、ANHA(5月8日付)によると、ロシア・シリア軍の戦闘機が、ハーン・シャイフーン市、トゥラムラー村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、ワーディー・アリー、マアッラト・ハルマ村、タフターヤー村、ラアス・アイン村を爆撃した。

ANHA(5月8日付)によると、一連の爆撃で民間人5人が死亡した。

シリア軍はまたカッサービーヤ村に対して砲撃を行った。

一方、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がフバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月8日付)によると、シリア軍の爆撃により、ハーン・シャイフーン市で民間人3人が死亡、11人が負傷、シャンナーンで女性1人と女児1人が死亡、複数が負傷した。

またハラーキー村に対するシリア軍の砲撃で民間人1人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(5月8日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などの支配下にあるカフルハムラ村、マンスーラ村、アレッポ市西部郊外を砲撃した。

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ラタキア県では、サウト・アースィマ(5月8日付)によると、シリア政府との和解に応じ、マーヒル・アサド少将が実質司令官を務める第4師団に配属された反体制武装集団「ザーキヤ・ワ・バッカーラ」が、クルド山のアブー・アスアド丘でトルコの支援を受ける国民解放戦線の攻撃を受けて、8人が死亡した。

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ダマスカス県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月8日付)によると、シリア政府との和解に応じた反体制武装集団の一つであるシリア革命家戦線の司令官だったムフリフ・カンナーニー氏が、服用した薬品によって中毒を起こし、搬送先の病院で死亡した。

同サイトは、軍事情報局が毒薬を服用させたと疑っている。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月9日付)によると、ダルアー市内のバハール地区の墓地近くに仕掛けられていた爆弾が爆発し、シリア政府との和解に応じたダルアー市自由警察の元司令官のアブー・フクム・ファールージー氏が死亡した。

AFP, May 8, 2019、ANHA, May 8, 2019、AP, May 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2019、May 9, 2019、al-Hayat, May 9, 2019、Reuters, May 8, 2019、SANA, May 8, 2019、Sawt al-‘Asima, May 8, 2019、UPI, May 8, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア両軍はフマイミーム航空基地に対するロケット弾攻撃を回避(2019年5月8日)

ロシア当事者和解調整センターのヴィクトール・クプチシン(Viktor Kupchishin)司令官(少将)は、ロシア・シリア両軍の防空部隊が、イドリブ県の緊張緩和地帯で活動する反体制武装集団がシリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県のフマイミーム航空基地に向けて発射したロケット弾12発を撃破したと発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県6件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(イドリブ県4件、アレッポ県3件、ハマー県7件)確認した。

AFP, May 8, 2019、ANHA, May 8, 2019、AP, May 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2019、al-Hayat, May 9, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 8, 2019、Reuters, May 8, 2019、SANA, May 8, 2019、UPI, May 8, 2019などをもとに作成。

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パレスチナ解放軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県を中心とした反体制派支配地域での戦闘に参加(2019年5月8日)

パレスチナ解放軍は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県を中心とした反体制派支配地域に対するシリア軍の攻撃に参加している様子を撮影した写真をフェイスブックのアカウントで公開した。

写真には「イドリブ郊外にある尊厳と忠誠の拠点で、パレスチナ解放軍の英雄たちは、シリア・アラブ軍の有志とともに、来たるべき勝利を作り出しそうとしている」とのキャプションがつけられている。

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トルコ占領下のアレッポ県北西部で反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦(2019年5月8日)

アレッポ県では、ANHA(5月8日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン郡ラージュー町近郊のハーッジ・ハリール村で7日晩、東部自由人連合とハムザ師団が交戦した。

戦闘は略奪品の分配をめぐる双方の口論がきっかけだったという。

また、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市近郊でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発した。

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ハマー県北部へのロシア・シリア軍の攻撃を逃れ住民がトルコ占領下のアレッポ県北西部に避難する一方、米国の影響下にあるヨルダン国境地帯のルクバーン・キャンプから難民数百世帯が帰還(2019年5月8日)

アレッポ県では、ANHA(5月8日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン郡ラージュー町近郊のハーッジ・ハリール村などに、ハマー県カフルヌブーダ町一帯に対するロシア・シリア軍の攻撃を避けて避難してきた住民数十世帯が到着した。

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SANA(5月8日付)によると、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数百世帯が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国した。

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また、ヨルダンで暮らしていたシリア難民もダルアー県のナスィーブ国境通行所を通じて帰国を続けた。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「シャーム解放機構は今後も報復を受ける…。テロの巣窟を根絶する」(2019年5月8日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣がモスクワで会談し、シリア情勢などへの対応について協議した。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、米国の支援を受ける北・東シリア自治局支配下のシリア北東部において、米国が国連の諸決議に反する行為を行っていると懸念を表明、シリアの領土統一を維持する必要があると強調した。

また、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯(第1ゾーン)での緊張に関して、アスタナ会議の枠組みに沿った政治的解決について協議したことを明らかにするとともに、シリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に対してシャーム解放機構が無人航空機(ドローン)やロケット弾によって攻撃を試みていることについては「シャーム解放機構はもちろん報復を受けた、これからも報復を受ける…。テロの巣窟を根絶する」と述べた。

ザリーフ外務大臣も、アスタナ会議の枠組みに沿った政治的解決の必要を強調した。

SANA(5月8日付)が伝えた。

AFP, May 8, 2019、ANHA, May 8, 2019、AP, May 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2019、al-Hayat, May 9, 2019、Reuters, May 8, 2019、SANA, May 8, 2019、UPI, May 8, 2019などをもとに作成。

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