アサド大統領はトルコ諜報機関関係者と非公式に会合、エルドアン大統領と直接会談する意思を示す(2019年5月14日)

アサド大統領は、トルコ諜報機関関係者との非公式会合で、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と直接会談する意思を示した。

トルコ人ジャーナリスト、メフメット・ユヴァ氏がトルコ日刊紙『アイドゥンルク』(5月14日付)の記事で明らかにした。

非公式会合に同席したというユヴァ氏によると、アサド大統領は「我々はトルコとの協力に前向き である。もし、それがシリアの国益に合致し、主権に反しないのであれば、我々はエルドアン大統領と会うだろう…。我々はロシアやイランを介してトルコと交渉はしない。トルコとシリアの士官どうしが多くの場所で交渉をしている…。もっとも重要な交渉は(ラタキア県)カサブ市の国境通行所で行われたし…、シリアの使節団はハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官ともイランの首都テヘランで会談した…。トルコ軍士官は政治家よりも我が国で起きていることを良く理解しており、エルドアン政権内ではシリアに関する意見の相違もある」と述べたという。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、Aydinlik, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領は定例閣議の議長を務め、シリア国民どうしのコニュニケーションを強化するための仕組みや戦略を構築する必要を強調(2019年5月14日)

アサド大統領は、イマード・ハミース内閣定例閣議の議長を務め、シリア国民どうしのコニュニケーションを強化するための仕組みや戦略を構築する必要を強調した。

SANA(5月14日付)によると、アサド大統領は、シリア国民どうしの効率的コニュニケーションを促進するには、政府が直面する危機的状況や非常事態についてでさえも、透明性を確保し、充分な情報を提供することがもっとも重要だと述べた。

そのうえで、そうすることで、国民が自らの生活に直接影響を及ぼす一連の問題に政府がどう取り組んでいるかを理解できるようになる、と付言した。

また、こうしたことが行われなければ、8年間にわたりシリア国民に敵対する勢力に資するような危機のイメージが作り上げられてしまうと警鐘を鳴らした。

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アサド大統領は首都ダマスカスで、アルメニア教会キリキア主教区カトリコス(主教)アーラーム1世(ペドロス・ケシシアン)と会談した。

SANA(5月14日付)が伝えた。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はシリア政府に「テロとの戦い」に向けた真の愛国的な協力関係を模索するよう呼びかける(2019年5月14日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県での人民防衛隊(YPG)主体にシリア民主軍による住民弾圧についてシリアの外務在外居住者省が国連に提出した書簡に関して、「ダイル・ザウル県を解放した我が軍に対するウソと偽り」と非難、シリア民主軍が今も同地でダーイシュ(イスラーム国)の残党の追跡を継続していると強調、シリア政府に「テロとの戦い」に向けた真の愛国的な協力関係を模索するよう呼びかけた。

シリアの外務在外居住者省は13日、国連事務総長と国連安保理議長宛に書簡を送り、ダイル・ザウル県のシュハイル村で5月9日に発生した人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による住民「虐殺」について報告、米主導の有志連合の支援を受けたシリア民主軍が、国家への復帰を望むダイル・ザウル県の住民を従わせようと、数々の虐殺を繰り返していると非難した。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局に投降したダーイシュ戦闘員と家族は3万6000人、うち1万3000人が外国人で、出身国当局に身柄が引き渡されたのは222人(2019年5月14日)

ANHA(5月14日付)によると、北・東シリア自治局は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に投降したダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員およびその家族についての統計調査を実施した。

調査結果によると、シリア民主軍に投降した戦闘員は6,000人以上で、このうちの約1,000人が50カ国あまりからシリア・イラクに潜入した外国人戦闘員だという。

また、戦闘員の家族は3万人以上で、うち1万2000人が外国人だという。

戦闘員とその家族は現在、北・東シリア自治局が運営する収容センターに収容されているが、同自治局は外国政府に収容者のリストを回付しており、現在までに222人の身柄がこれらの国に引き渡されているという。

身柄引き渡しに応じたのは、フランス、ロシア、スーダン、カザフスタン、スウェーデンなど。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、ラッカ県スルーク町郊外でダーイシュ(イスラーム国)の幹部の一人タラール・シャニール氏(アブー・ハマーム)を拘束したと発表した。

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ロシアのラヴロフ外務大臣がポンペオ米国務長官と会談(2019年5月14日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワを訪問したマイク・ポンペオ米国務長官と会談、シリア情勢、イラン情勢などについて意見を交わした。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、シリア情勢に関して、国連安保理決議第2254号を完全履行し、シリアの主権尊重と領土保全、テロ根絶を実現することで、難民帰還、人道問題の解決、そして紛争解決に向けた政治プロセスを推進する必要があると改めて強調した。

ポンペオ国務長官も「シリアでとるべき方法、我々は行い得ることをめぐる会談は極めて建設的だった…。我々には、政治的解決に向けていかに前進するかをめぐって、一連の共通利害がある。国連安保理決議第2254号とかかわりのある政治プロセスは中断してしまっている…。だが、米国とロシアはこの停滞を克服するためにともに行動できると考えている」と述べた。

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ロシア国防省は声明を出し、セルゲイ・ショイグ国防大臣がトルコのフルシ・アカル国防大臣と電話会談を行い、イドリブ県の情勢への対応について協議したことを明らかにした。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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退役兵士への国民社会支援基金の手当支給が始まる(2019年5月14日)

SANA(5月14日付)は、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、アレッポ県、ハマー県の国民社会支援基金で、退役兵士が行った支援申請に基づき、第1回目となる手当支給が行われたと伝えた。

国民社会支援基金のルワイユ・アルナジー総裁によると、14日にはラッカ県とイドリブ県の申請者に対しても手当の支給が行われるという。

今回の手当支給の対象となる退役兵士は申請者3万4723人のうちの1万1392人で、月額3万5000シリア・ポンドの手当が支給される。

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ロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃が続くなか、反体制派はシリア政府支配下のアレッポ市ナイラブ・キャンプ地区を砲撃、民間人6人が死亡(2019年5月14日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃と、反体制武装集団との戦闘が続き、シリア軍戦闘機による爆撃回数は56回、ヘリコプターによる「樽爆弾」投下数は142発、ロシア軍戦闘機による爆撃は14回、シリア軍が撃った迫撃砲・ロケット弾の数は730発に及んだ。

この戦闘で、民間人10人(シリア政府支配地域で6人、反体制派支配地域で4人)、反体制派戦闘員11人、シリア軍兵士7人が死亡した。

戦闘が激化した4月30日以降の戦闘による犠牲者は398人に達し、うち民間人の数は138人(子供22人、女性30人)となった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフバイト村を11回、ハーン・シャイフーン市を7回、ヒーシュ村を4回、トゥラムラー村を3回、ジスル・シュグール市を2回、カッサービーヤ村を2回、ジャバーラー村を2回、カフルサジュナ村を2回爆撃し、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」28発、ヒーシュ村に14発、トゥラムラー村に10発、バアルブー村に6発、ハーン・シャイフーン市に6発、フィキーア村に2発、ラカーヤー村に2発、アービディーン村に2発、フライフィル村に2発、マダーヤー村に2発、カフル・アイン村に2発を投下した。

シリア軍戦闘機はまた、ハーッス村、ヒーシュ、タッフ村、サラーキブ市に機銃掃射を行った。

ロシア軍戦闘機も、トゥラムラー村に8回、ウンム・ニール村に2回、ジスル・シュグール市に2回の爆撃を行った。

これらの爆撃で、ジスル・シュグール市で女児1人を含む2人が死亡、またヒーシュ村で1人が死亡した。

なお、シリア軍はこのほかにも地上部隊がフバイト村、トゥラムラー村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフワイズ村およびフワイジャ村を10回、クライディーン村を2回爆撃し、ヘリコプターがフワイズ村に「樽爆弾」19発、ハウラーター村に2発、フワイジャ村に2発、ダイル・サンバル村に2発、カフルズィーター市に2発、シャフルナーズ村に2発を投下した。

ヘリコプターによる「樽爆弾」投下で、シャフルナーズ村へので1人が死亡した。

シリア軍戦闘機はまた、ラターミナ町に機銃掃射を行った。

ロシア軍戦闘機も、カラ・ジュルン村に2回の爆撃を行った。

シリア軍はこのほかにも地上部隊がカフルズィーター市、フワイジャ村、カストゥーン村を砲撃した。

なお、ANHA(5月14日付)によると、シリア軍が制圧していたタッル・ミルフ村、カルカート村、シャイフ・イドリース村、ハマーミーヤート村、ジャビーン村、バーブ・ターカ村、シャリーア村を反体制武装集団が奪還したという。

また、シャーム解放機構がカルアト・マディーク町で爆弾を仕掛けた車を爆破した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がカッバーナ村を14回爆撃し、ヘリコプターがカッバーナ村に「樽爆弾」35発を投下した。

シリア軍は地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(5月14日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市西部のナイラブ・キャンプ地区が反体制武装集団の砲撃を受け、子供3人を含む6人が死亡した(シリア人権監視団によると、女性1人を含む6人が死亡)。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルナーハー村、マアーッラト・アルティーク村、フライターン市、ハーン・アサル村、マンスーラ村、ザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(ハマー県31件、イドリブ県2件、アレッポ県1件、ラタキア県5件)確認した。

AFP, May 14, 2019、ANHA, May 14, 2019、AP, May 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2019、al-Hayat, May 15, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2019、Reuters, May 14, 2019、SANA, May 14, 2019、SOHR, May 15, 2019、UPI, May 14, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから319人、ヨルダンから491人の難民が帰国、避難民19人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月14日付)を公開し、5月13日に難民810人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは319人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは491人(うち女性153人、子供261人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は222,848人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者77,843人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者145,005人(うち女性43,530人、子ども73,941人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 452,128人(うち女性135,688人、子供230,481人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民19人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性2人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは8人(うち女性2人、子供5人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,016人(うち女性9,117人、子供13,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,297,612人(うち女性391,676人、子供657,134人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2019をもとに作成。

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