北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市で内務治安部隊の車を狙った爆弾テロが発生し、3人が負傷(2019年5月18日)

ラッカ県では、ANHA(5月18日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市タイヤール地区の街道脇に仕掛けられていた爆弾が爆発し、内務治安部隊の車が爆発に巻き込まれ、隊員3人が負傷した。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯を砲撃(2019年5月18日)

アレッポ県では、ANHA(5月18日付)によると、トルコが実質占領するカフルハーシル村とアアザーズ市で活動する反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯を20発以上の砲弾で砲撃した。

これに対し、アフリーン解放軍団が声明を出し、タッル・リフアト市近郊のマンナグ村、アイン・ダクナ村一帯でトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団と交戦、多数の戦闘員を殲滅したと発表した。

トルコ軍と反体制武装集団は15日から同地への攻撃を強めていたという。

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イスラエル軍はシリア領内に「ダブル・タップ」:シリア軍は前日に続いてイスラエルのミサイルを迎撃(2019年5月18日)

SANA(5月18日付)は軍消息筋の話として、シリア軍防空部隊がクナイトラ県方面から飛来した複数の「未確認飛翔体」を迎撃、これを撃破したと伝えた。

シリア人権監視団によると、「未確認飛翔体」はイスラエル軍戦闘機複数機が占領下のゴラン高原から発射したミサイルで、シリア軍航空部隊の迎撃で少なくとも1発が撃破され、2発がクナイトラ県の第90旅団基地一帯に着弾した。

イスラエル軍によるミサイル攻撃は2日連続。

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シリア人権監視団によると、シリア軍による停戦発表を受け、シリア・ロシア軍の爆撃は止み、戦闘も小康状態に入ったが、各地で爆撃、交戦が続いているとの報道も(2019年5月18日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア軍側が72時間の一時停戦に入ったと発表したことを受け、シリア・ロシア軍の爆撃は止み、シリア軍と反体制武装集団の戦闘も、ハマー県北部とラタキア県北部の一部を除いて小康状態となった。

シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターによる「樽爆弾」、戦闘機による爆撃、ロシア軍による爆撃はいずれも確認されなかった。

だが、イドリブ県南部、ハマー県北部では、国民解放戦線やイッザ軍が停戦拒否の姿勢を示したこともあり、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党を含む反体制武装集団と、シリア軍、親政権民兵による砲撃戦、戦闘が続いた。

これにより、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より7人(民間人7人、兵士・戦闘員0人)増えて481人となった。

うち、163人は民間人(女性37人、子供32人を含む)、308人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルカート村灌木地帯でシリア軍、親政権民兵と反体制武装集団が激しく交戦、シリア軍がアルバイーン村、マイダーン・ガザール村を砲撃、反体制武装集団もシリア軍の拠点に砲撃で応戦した。

シリア軍はこのほか、サルマーニーヤ村を砲撃した。

イバー・ネット(5月18日付)によると、シャーム解放機構がカルカート村灌木地帯でシリア士官1人を含むシリア軍兵士を殺害したと伝えた。

また、トルコの支援を受ける国民解放戦線がフワイズ村でシリア軍の装甲車をコルネット・ミサイル、TOW対戦車ミサイルを撃破、その映像を公開した。

一方、SANA(5月18日付)によると、シリア軍がシャフシャブー山に面するガーブ平原に配置されている拠点への攻撃を試みようとしたシャーム解放機構を撃退し、複数の戦闘員を殺傷した。

また、ハウワーシュ村、フワイジャ村一帯で活動する反体制武装集団がフワイズ村の拠点を砲撃したことに対し、シリア軍も砲撃で応戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フバイト村に対するロシア軍戦闘機の爆撃で負傷していた住民1人が死亡した。

一方、NHA(5月18日付)は、シリア人権監視団の発表とは裏腹に、ハマー県北部に移動しようとしていた反体制武装集団の車列を、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市一帯で爆撃したと伝えた。

ANHAによると、ロシア軍戦闘機はまた、シャーム解放機構の拠点に対しても爆撃を行ったという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)によると、シリア軍は未明にマアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、カフルヤディーン村を砲撃し、マアッラト・ヌウマーン市では女性2人と女児1人を含む4人が、カフルルーマー村では2人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市近郊で、シリア駐留ロシア軍の司令部があるフマイミーム航空基地に対する無人航空機(ドローン)の爆撃や砲撃と思われる大きな爆発音が聞こえた。

これに関して、SANA(5月18日付)は、反体制武装集団がジャブラ市近郊のシャラーシール村とフワイズ村を砲撃し、住民1人が死亡、複数が負傷したと伝えた。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団が撃った砲弾は15発以上。

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アレッポ県では、ANHA(5月18日付)によると、反体制武装集団が未明にアレッポ市の第3000住宅計画地区を砲撃、シリア軍が応戦した。

また、トルコの支援を受ける反体制武装集団の戦闘員数百人を乗せた車列が、アフリーン市南のガザーウィーヤ村の通行所を経由して、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握る反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に入り、ハマー県北部、イドリブ県南部の前線に向かった。

ANHA(5月19日付)によると、イドリブ県に入ったのは、アブー・ハサンを名のる司令官が率いるバドル殉教者軍のメンバー110人。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県5件、アレッポ県1件、ハマー県10件)確認した。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、May 19, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構と共闘するイッザ軍はシリア軍側が発表した停戦を拒否(2019年5月18日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官は、ロシアとトルコが合意したとされる72時間の停戦に関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)に対して「停戦に関していかなる提案が行われても、国民解放戦線によって一切拒否される」と述べた。

その理由として、ムスタファー報道官は「シリア軍が最近になって占領した地域からの停戦、数十人が犠牲となり、数十万人に避難生活を余儀なくしている無垢の市民への野蛮な砲撃の停止をロシアの停戦が保障していないのが、拒否の理由だ」と強調した。

また、国民解放戦線に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動のジャービル・アリー・バーシャー総司令官も「宗派主義民兵(シリア軍のこと)が占領下村々から撤退しない限りは停戦を拒否する…。我々はアッラーの許しのもと戦いのさなかにある」と表明、戦闘員に戦闘継続を呼びかけた。

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シャーム解放機構と共闘し、ハマー県北部で戦闘を続けているイッザ軍の司令官の1人マフムード・マフムード大尉はツイッターのアカウント(https://twitter.com/alaza_aza)を通じて「現状において停戦に言及することは、あからさまな反逆行為だ…。それ(停戦)は敵が力を蓄え、隊列を再編するための時間稼ぎだ」と綴り、停戦を拒否する姿勢を示した。

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シリア軍前線司令官は「イドリブ県、ハマー県、ラタキア県で72時間の停戦に入った」と述べる一方、反体制派はこれを否定し「停戦協議は継続中で発効していない」と主張(2019年5月18日)

スプートニク・ニュース(5月18日付)は、とシリア軍前線司令官(匿名)の情報として、イドリブ県、ハマー県、ラタキア県で72時間の停戦に入ったと伝えた。

同司令官によると、停戦は今日の深夜(17日24時=18日0時)に発効し、期限は72時間だという。

停戦の理由について、この司令官は明らかにしなかった。

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イナブ・バラディー(5月18日付)が、国民解放戦線のアブー・スブヒー・ナッハース政治局長の話として伝えたところによると、停戦は、ロシアの要請に基づき、ロシアとトルコの間で協議されているが、協議は継続中で発効はしていないという。

AFP, May 18, 2019、ANHA, May 18, 2019、AP, May 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2019、al-Hayat, May 19, 2019、‘Inab Baladi, May 18, 2019、Reuters, May 18, 2019、SANA, May 18, 2019、Sputnik News, May 18, 2019、SOHR, May 18, 2019、UPI, May 18, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから321人、ヨルダンから642人の難民が帰国、避難民11人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月18日付)を公開し、5月17日に難民963人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは321人(うち女性32人、子供53人)、ヨルダンから帰国したのは642人(うち女性194人、子供330人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は226,767人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者79,187人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者147,580人(うち女性44,303人、子ども75,254人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 456,047人(うち女性136,864人、子供232,479人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民11人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性4人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,540人(うち女性3,864人、子供4,767人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,136人(うち女性387,092人、子供649,426人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 18, 2019をもとに作成。

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