イドリブ県でアサド政権だけでなく、トルコを批判する抗議デモ(2019年5月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するマアッラト・ヌウマーン市で、午後の礼拝後に抗議デモが行われ、参加者が「国民は体制打倒を望む」、「バッシャールを倒せ」といったシュプレヒコールの他に、「我々は、自ら掲げてきたトルコ国旗を降ろす。みな裏切り者だ。これで終わりだ」などと叫び、ロシア・シリア両軍の爆撃に対処しようとしないトルコへの不満を露わにした。

AFP, May 11, 2019、ANHA, May 11, 2019、AP, May 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2019、al-Hayat, May 12, 2019、Reuters, May 11, 2019、SANA, May 11, 2019、UPI, May 11, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がイドリブ県とハマー県を33回にわたり爆撃、シリア軍が「樽爆弾」69発を投下(2019年5月11日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が33回にわたって、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県に爆撃を行った。

爆撃の内訳は、イドリブ県のフバイト村およびその一帯が11回、カフルナブル市が3回、ファッティーラ村、アービディーン村、ワーディー・マルタフーン、マアッラト・ハルマ村、バーラ村がそれぞれ2回、ハマー県のアンカーウィー村が5回、フワイズ村が2回、ラタキア県のカッバーナ村が2回。

シリア軍もまた、イドリブ県各所にヘリコプターで「樽爆弾」を投下、その数は69発に及んだ。

**

イドリブ県では、SANA(5月11日付)によると、シリア軍がハーッス村、ヒーシュ村、カフルサジュナ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月11日付)によると、シャーム解放機構がブライディージュ村近郊のシリア軍基地を砲撃し、車輌1輌を破壊した。

シャーム解放機構はまた、カルカート村、ムスタリーハ村に進軍を試みたシリア軍を撃退した。

**

ラッカ県では、ANHA(5月11日付)によると、トルコ軍が、北・東シリア自治局支配下のタッル・アブヤド市近郊のカリー・スール村で男性1人に発砲した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県5件、ハマー県2件)確認した。

AFP, May 11, 2019、ANHA, May 11, 2019、AP, May 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2019、al-Hayat, May 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2019、Reuters, May 11, 2019、SANA, May 11, 2019、UPI, May 11, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから328人、ヨルダンから705人の難民が帰国、避難民15人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月11日付)を公開し、5月10日に難民1,033人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは328人(うち女性98人、子供167人)、ヨルダンから帰国したのは705人(うち女性212人、子供360人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は219,998人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者76,852人(うち女性23,203人、子ども38,762人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者143,146人(うち女性42,746人、子ども72,709人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 449,278人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民15人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは12人(うち女性5人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は28,249人(うち女性4,503人、子供5,633人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,296,845人(うち女性391,423人、子供656,533人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.