アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアレッポ県北西部で反体制武装集団戦闘員9人を殺害(2019年5月21日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡シャッラー村近郊のマシュアラ村で19日、反体制武装集団と交戦し、戦闘員8人を殺害、また20日にシーラーワー町近郊のバースータ村で東部自由人連合の拠点を爆破し、戦闘員1人を殺害したと発表した。

ANHA(5月21日付)が伝えた。

AFP, May 21, 2019、ANHA, May 21, 2019、AP, May 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2019、al-Hayat, May 22, 2019、Reuters, May 21, 2019、SANA, May 21, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 21, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県などへの爆撃を再開、シリアのアル=カーイダとトルコの支援を受ける反体制派はハマー県北部で大規模攻撃(2019年5月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから22日目となる5月21日、シリア・ロシア軍の爆撃が再開され、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘も続いた。

シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機による爆撃回数は26回、投下した「樽爆弾」の数は14発を記録、ロシア軍戦闘機も8回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は400発以上にのぼった。

これにより、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人0人、兵士・反体制武装集団戦闘員6人)増えて516人となった。

うち、180人が民間人(女性41人、子供38人を含む)、336人がシリア軍兵士および反体制武装集団戦闘員。

一方、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(5月21日付)は、複数の活動家の話として、トルコ軍がシャーム解放機構を教練するために緊張緩和地帯第1ゾーンに設置されているイドリブ県に増援部隊を派遣したと伝えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がサフリーヤ村を2回爆撃した。

また地上部隊が、カフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、シャフルナーズ村、サフリーヤ村、マイダーン・ガザール村、フワイジャ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はスカイラビーヤ市一帯を砲撃した。

両者は、カフルヌブーダ町一帯、ムガイル村、ハミーラート村、タッル・フワーシュ村、フワイズ村で、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団で激しく交戦した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)などは、シャーム解放機構とトルコの支援を受ける国民解放戦線が、5月8日にシリア軍によって制圧されたカフルヌブーダ町に対して大規模攻撃を行ったと伝えた。

攻撃では、シャーム解放機構が爆弾を積んだ車を特攻させ、シリア軍兵士多数を殺傷し、タッル・フワーシュ村、ハミーラート村などを奪還したという。

ただし、RT(5月21日付)によると、シリア軍はこの攻撃を撃破したという。

一方、SANA(5月21日付)によると、シリア軍がシャフシャブー山(イドリブ県)に面するガーブ平原のサフリーヤ村、カルーティーヤ村を通るシャーム解放機構の兵站戦を砲撃した。

このほか、国民解放戦線はジューリーン村にあるシリア軍の基地を砲撃したと発表した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がフバイト村を8回、ハーン・シャイフーン市を6回、ウライニバ村、アービディーン村、ヒーシュ村、ナキール村をそれぞれ2回爆撃し、ヘリコプターがアービディーン村、フバイト村、カッサービーヤ村に「樽爆弾」をそれぞれ4発、マガッル・ハマーム村に2発を投下した。

ロシア軍戦闘機もカッサービーヤ村、マガッル・ハマーム村をそれぞれ2回爆撃した。

シリア軍地上部隊はさらに、ハーン・シャイフーン市やダイル・サンバル村を砲撃した。

一方、SANA(5月21日付)によると、シリア軍がバアルブー村、アービディーン村、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃、これを破壊した。

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アレッポ県では、SANA(5月21日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、アレッポ市のマサーキン・サビール地区、シャイハーン交差点地区に着弾し、住民6人が負傷した。

これに対して、シリア軍は直ちにアレッポ市南部郊外の砲撃地点を砲撃し、反体制武装集団の戦闘員複数人を負傷させたという。

ANHA(5月21日付)によると、砲撃を行ったのはシャーム解放機構。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市ラーシディーン地区、ICARDA地区をそれぞれ2回爆撃した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)によると、シャーム解放機構がクルド山地方のクナイカ丘一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県1件、ラタキア県8件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県6件、イドリブ県4件、ラタキア県2件、ハマー県7件)確認した。

AFP, May 21, 2019、ANHA, May 21, 2019、AP, May 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2019、al-Hayat, May 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 21, 2019、Reuters, May 21, 2019、RT, May 21, 2019、SANA, May 21, 2019、SOHR, May 21, 2019、UPI, May 21, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュがハサカ県南部で米主導の有志連合の車列を攻撃、8人が死傷か(2019年5月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月21日付)を公開し、5月20日に難民1,020人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは381人(うち女性122人、子供207人)、ヨルダンから帰国したのは639人(うち女性192人、子供326人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は229,917人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者80,393人(うち女性24,026人、子ども40,511人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者149,524人(うち女性44,070人、子ども76,245人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 459,197人(うち女性136,864人、子供232,479人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民20人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは6人(うち女性3人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは6人(うち女性1人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは8人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は29,780人(うち女性9,343人、子供13,677人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,376人(うち女性391,902人、子供657,000人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した8人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 21, 2019をもとに作成。

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