アル・モニター:米国はトルコにユーフラテス川以東地域への監視部隊の進駐の見返りとしてアフリーンから撤退することを提案(2019年5月2日)

アル・モニター(5月2日付)は、米国がトルコに対して、アレッポ県北西部のアフリーン郡からのトルコ軍と反体制武装集団(国民軍)の撤退させることの見返りとして、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部(ユーフラテス川以東)へのトルコ軍監視部隊を駐留させることを提案したと伝えた。

同サイトによると、この提案は、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が先週、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・コバネ総司令官と会談した際に示され、たという。

提案に対して、コバネ総司令官は、トルコ軍と国民軍が撤退した場合の状況の変化を精査すると約束したという。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、al-Monitor, May 2, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃を避け住民数十世帯がトルコ国境に避難(2019年5月2日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、ハマー県北部やイドリブ県南部に対するロシア・シリア軍の激しい爆撃・砲撃を受けて非難した住民数十世帯が、トルコ国境に近いアティマ村に到着したと伝え、その写真を公開した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はロシア軍兵士4人を殺害したとする親トルコ武装集団の発表を否定(2019年5月2日)

ロシア国防省は声明を出し、トルコの支援を受ける国民解放戦線が5月1日の声明で、ハマー県ブライディージュ村にあるシリア軍基地を120ミリ迫撃砲で砲撃し、ロシア軍兵士4人を殺害したと発表したことに関して、「最近になってシリア領内でいかなるロシア軍兵士も死亡していない」と否定した。

スプートニク・ニュース(5月2日付)が伝えた。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Sputnik News, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県の反体制派支配地域へのロシア・シリア軍の爆撃・砲撃が続くなか、シリアのアル=カーイダはロシア軍司令部のあるラタキア県フマイミーム基地一帯を攻撃(2019年5月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカンスフラ村一帯を4回にわたり爆撃し、4人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、マアッラト・ハルマ村各所を5回、ナキール村一帯を2回、ハーッス村一帯の灌木地帯を3回、ハルーバ村一帯を複数回にわたって爆撃した。

一方、シリア軍もヘリコプターでフバイト村を「樽爆弾」で爆撃するとともに、同地を激しく砲撃した。

https://www.youtube.com/watch?v=6KpcRMgoqXU

シャーム解放機構に近いシャーム・ネット(5月3日付)は、シャーム解放機構がブライディージュ村にあるシリア軍拠点をフィール・ロケット弾で攻撃し、いわゆる「虎部隊」(スハイル・ハサン准将の部隊)の兵士18人以上を殺害、23人を負傷させたと伝えた。

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ラタキア県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月2日付)によると、シャーム解放機構が県北部トルコマン山地方のナブア・ムッル村近郊でシリア軍第11中隊(国境警備隊)の兵士4人を殺害した。

殺害は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア軍の攻撃に対する報復を目的とする「信者の民の胸を癒やす」作戦の一環で、シャーム解放機構はこの作戦ですでにシリア軍兵士30人以上を殺害しているという。

シャーム解放機構はまた、「信者の民の胸を癒やす」作戦の一環として、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地をグラッド地対地ミサイルで攻撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、シャーム解放機構が撃った30発以上のミサイルのうち、6発が基地の敷地内に着弾し、この砲撃で、ロシア軍兵士3人が死亡、11人が負傷、航空機1機が大破、車輌2台が炎上したという。

これに関して、SANA(5月2日付)は、緊張緩和地帯第1ゾーンで活動を続ける反体制武装集団が、県北部から地中海岸のジャブラ市郊外のブハドラムー村を砲撃し、住民1人が死亡、4人が負傷したと伝えた。

一方、ロシア当事者和解調整センターは、ハマー県北部のカルアト・マディーク町一帯で活動を続ける反体制武装集団が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県のフマイミーム航空基地に対して爆撃を試みた無人航空機(ドローン)複数機を撃破したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアンカーウィー村を複数回にわたって爆撃した。

シリア軍がヘリコプターでカフルヌブーダ町を「樽爆弾」で爆撃するとともに、同地一帯を激しく砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、これに対して、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室がムガイル村とブライディージュ村間の街道に仕掛けた爆弾を爆破し、シリア軍の車輌1台を破壊、兵士多数を殺傷した。

また、トルコの支援を受ける国民解放戦線が、カフルヌブーダ町一帯に進攻しようとしたシリア軍を撃退した。

一方、SANA(5月2日付)によると、県北部で活動を続ける反体制武装集団が、シリア政府支配下のムハルダ市一帯やムハルダ火力発電所を砲撃し、物的被害が出た。

これに対して、シリア軍は、フワイズ村、タッル・フワーシュ村、カフルヌブーダ町、シャリーア村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を21件(アレッポ県1件、イドリブ県3件、ハマー県16件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 2, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 3, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団はアレッポ県北部各所を砲撃(2019年5月2日)

アレッポ県では、ANHA(5月2日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のタッル・ジージャーン村、タッル・マディーク村をトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、アフリーン郡シーラーワー町近郊のスーガーニカ村、バイナ村を砲撃した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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米占領下のタンフ国境通行所に近いルクバーン・キャンプから数百人がシリア政府支配地域に帰国(2019年5月2日)

SANA(5月2日付)は、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数百人が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国したと伝え、写真と映像を公開した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから387人、ヨルダンから742人の難民が帰国、避難民1,394人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者1,394人)が帰宅(2019年5月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月2日付)を公開し、5月1日に難民1,129人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは387人(うち女性98人、子供165人)、ヨルダンから帰国したのは742人(うち女性259人、子供441人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は208,546人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者73,536人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者135,010人(うち女性40,308人、子ども68,466人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 437,826人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民1,394人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性4人、子供1人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは7人(うち女性3人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1,379人(うち女性344人、子供827人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は25,573人(うち女性8,008人、子供11,756人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,294,169人(うち女性386,397人、子供648,513人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した1,379人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1,379人(うち女性344人、子供827人)だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 2, 2019をもとに作成。

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