2011年以降にトルコ国内で誕生したシリア人新生児は40万人以上、シリア難民360万人のうち60歳以上は10万人(2019年6月20日)

トルコ内務省高官は、シリアに「アラブの春」が波及した2011年以降にトルコ国内で生まれたシリア人新生児の数が40万人以上に達していることを明らかにした。

内務省移民局のアブドゥッラ・アヤズ局長は、首都アンカラで開催されたPAM(地中海議会会議)で以下のように発言した。

「トルコにおけるシリア人人口は若年層からなっている。トルコ国内にいるシリア人360万人のうち60歳以上は10万人に過ぎない…。危機発生以降、415万人以上のシリア人新生児がトルコ国内で誕生した」と述べた。

アナトリア通信(6月20日付)が伝えた。

AFP, June 21, 2019、Anadolu Ajansı, June 21, 2019、ANHA, June 21, 2019、AP, June 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 21, 2019、al-Hayat, June 22, 2019、Reuters, June 21, 2019、SANA, June 21, 2019、SOHR, June 21, 2019、UPI, June 21, 2019などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣「トルコがシリア国内から部隊を完全に撤退させ、反体制武装集団への支援を停止すれば、同国との関係を修復する用意がある」(2019年6月20日)

中国を訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、レバノンのテレビ局マヤーディーン・チャンネル(6月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで、トルコがシリア国内から部隊を完全に撤退させ、反体制武装集団への支援を停止すれば、同国との関係を修復する用意がある、と述べた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた「トルコにはシリアからの部隊撤退などしなければならないことがたくさんある。撤退しなければ、イスラエルのような占領国となるだろう」と批判しつつも、「シリア国内でのトルコ軍との軍事衝突は望まない」と付言した。

そのうえで「私が述べたことは、条件ではなく、隣国どうしの関係の論理を踏まえた基本原則だ」と強調した。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Qanat al-Mayadin, June 20, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍と反体制派が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃、トルコ占領下のアフリーン市で爆発が発生、バーブ市で反体制派どうしが交戦(2019年6月20日)

アレッポ県では、ANHA(6月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村(いずれもアフリーン郡)を砲撃した。

一方、トルコ占領下のアフリーン市では中心街のスィヤーサ通りで車に仕掛けられた爆弾が爆発し、反体制武装集団の戦闘員複数人が死傷した。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市内で、ハムザード師団とスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが交戦し、ハムザ師団の戦闘員1人が死亡、双方にそれぞれ3人の負傷者が出た。

衝突の原因は不明。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使がシリアを訪問し、アサド大統領と会談(2019年6月20日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使はシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

SANA(6月20日付)によると、会談では、シリア情勢の進捗、「テロとの戦い」などへのシリア・ロシアの取り組みなどについて意見が交わされ、ラヴレインティフ特使はシリア全土での治安と安定回復に向けて引き続き支援を行うことを確認した。

会談ではまた、政治プロセス活性化に向けた取り組みについても意見が交わされた。

会談には、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使が同席した。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県に激しい爆撃を続ける一方、「必勝」の戦いを続けるシャーム解放機構、国民解放戦線はハマー県北部でシリア軍兵士多数を殺害(2019年6月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから51日目となる6月20日、シリア軍は爆撃を実施、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より110人(民間人22人、シリア軍兵士35人、反体制武装集団戦闘員53人)増えて1,864人となった。

うち、485人が民間人(女性99人、子供120人を含む)、606人がシリア軍兵士、773人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は116回を記録、地上部隊による砲撃は780発以上におよんだ。

ロシア軍戦闘機による爆撃は確認されなかった。


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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ザカート村、カフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラーヤー村、アルバイーンに対して爆撃を実施した。

また地上部隊が、県北部、北西部の戦闘地域を砲撃した。

県北部での戦闘では、シリア軍および親政権民兵31人が死亡した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(6月20日付)によると、シャーム解放機構や国民解放戦線は「必勝」の戦いの一環として、タッル・ミルフ村およびジャビーン村一帯に進攻したシリア軍と激しく交戦し、兵士50人あまりを殺害したという。

一方、SANA(6月20日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、フバイト村、マアッラト・ハルマ村、アルマナーヤー村、カフルルーマー村、ヒーシュ村、トゥラムラー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、マストゥーマ村一帯、シャイフ・ムスタファー村、ジャッラーダ村、フーア市一帯、マアッラトミスリーン市一帯、ハザーヌー町、カフルサジュナ村、ナキール村に対して爆撃を実施した。

これにより、マアッラト・ヌウマーン市で、救急隊員3人と女性1人、ヒーシュ村で女性1人と子供4人を含む6人、カフルサジュナ村で子供2人、マアッラトミスリーン市で男性1人が死亡した。

また地上部隊が県南の戦闘地域を砲撃した。

一方、SANA(6月20日付)によると、シリア軍がカフルサジュナ村一帯でシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月20日付)によると、サフム・ジャウラーン村・ジッリーン村間の街道を移動中のシリア軍第4師団が何者かの要撃を受けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県1件、ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(イドリブ県1件、ハマー県4件)確認した。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 20, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

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