フェイスブックは、故アブドゥルバースィト・サールート氏についての書き込みを利用規約違反とみなし、反体制派系サイトのザマーン・ワスルTVなどのアカウントを凍結(2019年6月11日)

反体制派系サイトのザマーン・ワスル(6月11日付)は、フェイスブックが、ザマーン・ワスルTV、反体制活動家のマーヒル・シャラフッディーン氏、マーズィン・ナートゥール氏、在仏シリア人フォーラムなど多数のアカウントを凍結したと伝えた。

アカウント凍結は、ハマー県北部でのシリア軍との戦闘で死亡したアブドゥルバースィト・サールート氏についての書き込みを行ったことが利用規約の違反にあたるためだという。

サールート氏は「革命の守護者(ゴールキーパー)」、「革命のサヨナキドリ」として西側諸国で注目を浴びてきたが、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県一帯の反体制派支配地域で、同機構と共闘関係にあるイッザ軍の傘下に身を置いて武装闘争を継続していた。

AFP, June 11, 2019、ANHA, June 11, 2019、AP, June 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2019、al-Hayat, June 12, 2019、Reuters, June 11, 2019、SANA, June 11, 2019、SOHR, June 11, 2019、UPI, June 11, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米財務省は、国連職員らが住居として利用する首都ダマスカスのフォーシーズン・ホテルやその経営者らを新たな制裁対象に追加(2019年6月11日)

米財務省外国資産管理室(OFAC)は、シリア政府とつながりがあるとされるビジネスマンのサーミル・ファウズ氏と兄弟のアーミル・ファウズ氏、フサイン・ファウズ氏、ファワズ家が経営するアマーン・ホールティングス社、ラナー・チャンネル、フォーシーズン・ホテル(ダマスカス県)など16の個人・法人を新たな制裁対象に追加した。

AFP, June 11, 2019、ANHA, June 11, 2019、AP, June 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2019、al-Hayat, June 12, 2019、Reuters, June 11, 2019、SANA, June 11, 2019、SOHR, June 11, 2019、UPI, June 11, 2019などをもとに作成。

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トルコとその支援を受ける反体制派は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃、住民1人が死亡、3人が負傷(2019年6月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃、市内に砲弾7発以上が着弾、少なくとも3人が負傷した。

ANHA(6月11日付)によると、砲撃を行ったのはトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団で、住民1人が死亡、3人が負傷した。

ANHA(6月12日付)によると、トルコ軍と反体制武装集団は晩にも砲撃を行い、1人が負傷した。

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一方、トルコ国防省は、タッル・リフアト市一帯での9日の戦闘で、人民防衛隊(YPG)戦闘員10人を殺害したと発表した。
アナトリア通信(6月11日付)が伝えた。

AFP, June 11, 2019、Anadolu Ajansı, June 11, 2019、ANHA, June 11, 2019、June 12, 2019、AP, June 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2019、al-Hayat, June 12, 2019、Reuters, June 11, 2019、SANA, June 11, 2019、SOHR, June 11, 2019、UPI, June 11, 2019などをもとに作成。

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「必勝」の戦いと銘打って反転攻勢を続けるシリアのアル=カーイダはイドリブ県、ハマー県、ラタキア県で戦果を上げる一方、シリア・ロシア軍も同地への爆撃を続行(2019年6月11日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから42日目となる6月11日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より12人(民間人5人、シリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,508人となった。

うち、392人が民間人(女性83人、子供95人を含む)、507人がシリア軍兵士、609人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は22回以上を記録、ロシア軍戦闘機も13回の爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は260発以上におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでアービディーン村、トゥラムラー村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市を5回にわたり爆撃した。

シリア軍の爆撃により、ハーッス村で女性2人が、ハーン・シャイフーン市で男性1人、マアッラト・ヌウマーン市で男性1人が死亡した。

シリア軍はこのほかにも地上部隊がハーン・シャイフーン市、アービディーン村灌木地帯、カッサービーヤ村、アブー・ズフール町一帯、県東部の放棄された大隊基地、ナージヤ村、ビダーマー町、マルアンド村を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、「必勝」の戦い作戦(6月7日開始)と銘打って、シリア軍への反撃を継続するシャーム解放機構は、カッサービーヤ村にあるシリア軍の武器弾薬庫を爆破した。

また、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月11日付)によると、シャーム解放機構は県東部で「ムジャーヒディーン」の動きを捕捉していたとの容疑で多数を拘束した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ムーリク市、サイヤード村に対して爆撃を実施した。

ロシア軍もザカート村、ハスラーヤー村、カフルズィーター市、ラターミナ町を8回にわたり爆撃した。

一方、SANA(6月11日付)によると、シリア軍は、タッル・ミルフ村近郊で、爆弾を搭載したシャーム解放機構の無人航空機(ドローン)1機を撃破した。

また、ハッターブ村東部の農地で反体制武装集団による砲撃を原因とする火災が発生した。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、「必勝」の戦い作戦(6月7日開始)と銘打って、シリア軍への反撃を継続するシャーム解放機構は、ジューリーン村にあるシリア軍基地を攻撃、武器弾薬庫を爆破した。

またトルコの支援を受ける国民解放戦線もヒヤーリーン町にあるロシア軍基地を砲撃したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がズィルバ村、ザンマール町を砲撃し、ズィルバ村で女児1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月11日付)によると、シリア軍がカッバーナ村一帯のシャーム解放機構の拠点複数カ所への突入を試みたが、シャーム解放機構がこれを撃退、兵士5人を殺害、10人を負傷させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(ハマー県2件、ラタキア県10件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(イドリブ県9件、ハマー県7件)確認した。

AFP, June 11, 2019、ANHA, June 11, 2019、AP, June 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 11, 2019、al-Hayat, June 12, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2019、Reuters, June 11, 2019、SANA, June 11, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 11, 2019、SOHR, June 11, 2019、UPI, June 11, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから354人、ヨルダンから632人の難民が帰国、避難民36人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月11日付)を公開し、6月10日に難民986人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは354人(うち女性107人、子供180人)、ヨルダンから帰国したのは632人(うち女性190人、子供322人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は257,378人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者88,042人(うち女性26,566人、子ども44,820人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者169,336人(うち女性50,832人、子ども86,348人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 486,658人(うち女性146,056人、子供248,090人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民36人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは17人(うち女性6人、子供6人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは19人(うち女性6人、子供4人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,536人(うち女性9,567人、子供14,008人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,132人(うち女性392,126人、子供657,774人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した19人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 11, 2019をもとに作成。

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