トルコ占領下のアレッポ県北部各所に対するYPG系武装集団が攻勢を強めトルコ軍兵士1人が死亡、トルコ軍は北・東シリア自治局支配地域を砲撃、増援部隊派遣(2019年6月26日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のジャルバラ村にあるトルコ軍の拠点2カ所を攻撃し、トルコ軍兵士1人を殺害、3人を負傷させたと発表した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(6月26日付)によると、人民防衛隊(YPG)を主体とするシリア民主軍が、トルコ占領下のアフリーン市近郊のキーマール村にあるトルコ軍基地を砲撃し、トルコ軍兵士1人が死亡した。

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、「オリーブの枝」地域(アフリーン郡)で水曜日(26日)、PKK(クルディスタン労働者党)/YPG(人民防衛隊)の戦闘員との戦闘で、トルコ軍兵士1人が死亡、5人が負傷したと発表した。

ANHA(6月26日付)、アナトリア通信(6月26日付)などが伝えた。

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同じく、アレッポ県では、ANHA(6月26日付)によると、アフリーン市スィヤーサ通りでオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、トルコの支援を受ける東部自由人連合のメンバー1人が負傷した。

これに関して、オリーブの怒り作戦司令室は声明を出し、関与を認めた。

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一連の攻撃を受け、ANHA(6月26日付)によると、アレッポ県アアザーズ市近郊のカルジャブリーン村一帯で活動するトルコ軍と反体制武装集団は、北・東シリア自治局(アフリーン地域)とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイルーニーヤ村を砲撃した。

また、反体制武装集団がアフリーン市近郊にあるキーバール村(ヤズィード教徒の村)の住民2人を拉致した。

さらに、ドゥラル・シャーミーヤ(6月26日付)によると、人民防衛隊(YPG)を主体とするシリア民主軍に近いオリーブの怒り作戦司令室の攻勢を受け、トルコ軍は北・東シリア自治局(マンビジュ民政局)の支配下にあるマンビジュ市一帯とトルコ占領地域(ユーフラテスの盾地域)の境界地帯に重火器、兵員輸送車からなる増援部隊を派遣した。

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このほか、アレッポ県では、ANHA(6月26日付)によると、北・東シリア自治局(ユーフラテス地域)の支配下にあるコバネ(アイン・アラブ)市近郊の農地で火災が発生、8平方キロメートルが焼失した。

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ラッカ県では、ANHA(6月26日付)によると、北・東シリア自治局(タブカ民政局)統治下のタブカ市の第2地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

AFP, June 26, 2019、Anadolu Ajansı, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、ハマー県に対するシリア・ロシア軍の爆撃でホワイト・ヘルメットの隊員2人が死亡(2019年6月26日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから56日目となる6月26日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より13人(民間人13人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,943人となった。

うち、526人が民間人(女性102人、子供131人を含む)、631人がシリア軍兵士、786人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は100回を記録、ロシア軍も26回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は420発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でイドリブ市一帯、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ハザーリーン村、タッルアース村、バスィーダー村、スカイク村、カフルサジュナ村、ヒーシュ村、ルブア・ジャウズ村、シャイフ・ムスタファー市、ラカーヤー・サジュナ村、マダーヤー村、アービディーン村、ナキール村に対して爆撃を実施、地上部隊がフバイト村、タッルアース村を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、ジャバーラーおよびその一帯、タッルアース村、ヒーシュ村を爆撃した。

一連の爆撃により、イドリブ市近郊で女性1人を含む国内避難民4人、ハーン・シャイフーン市近郊でホワイト・ヘルメット隊員2人、マアッラト・ミスリーン市近郊で民間人2人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月26日付)によると、ホワイト・ヘルメットが乗っていた車を狙い、隊員2人を殺害したのはロシア軍だという。**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサフル村、カフルズィーター市およびその一帯、ジャビーン村、タッル・ミルフ村に対して爆撃を実施、地上部隊がムーリク市、カフルズィーター市、サフル村、ラターミナ町、ラトミーン村を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、ラトミーン村一帯を爆撃した。

一連の爆撃により、カフルズィーター市で民間人1人が死亡した。

一方、SANA(6月26日付)によると、シャーム解放機構がシリア政府支配下のシャイフ・ハディード村、ブライディージュ村、カルナーズ町の民家や農場を砲撃、女児1人が死亡した。

これに対してシリア軍は、サフル丘、カフルズィーター一帯で活動するシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点、兵站路に対する攻撃を拡大した。

対する、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、ブライディージュ村、カルナーズ町にあるロシア軍の作戦司令室とシリア軍第5軍団拠点を砲撃したと発表した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(アレッポ県2件、イドリブ県8件、ハマー県6件)確認した。

AFP, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

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ムアッリム外務在外居住者大臣は朝鮮労働党中央委員会副議長と会談(2019年6月26日)

北朝鮮を公式訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、平壌で朝鮮労働党中央委員会副議長で国際部長を勤める李洙墉(リ・スヨン)氏と会談した。

SANA(6月26日付)によると、会談では両国の友好関係の強化の方途、両国に対する米国など西側諸国の経済テロなどへの対応について意見が交わされた。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣兼副首相、タマーム・スライマーン在北朝鮮シリア大使、外務在外居住者省特別局長が同席した。

AFP, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「米政府は約束を守らねばならない。マンビジュ市の約90%はアラブ人のものだ」(2019年6月26日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、大阪でのG20参加に先だってアンカラのエセンボーア国際空港で開いた記者会見で、米国とシリアを厳しく非難した。

エルドアン大統領は「トルコはシリアのマンビジュ情勢を監視している…。米政府は約束を守らねばならない。なぜなら、マンビジュ市の約90%はアラブ人のものだからだ」と述べた。

一方、シリア政府については「イドリブ県にかかる合意に違反している」と非難、対応について米・ロシア両首脳と会談する付言した。

アナトリア通信(6月26日付)が伝えた。

AFP, June 26, 2019、Anadolu Ajansı, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

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米占領地(タンフ国境通行所一帯地域)に隣接するルクバーン・キャンプから避難民数百人がシリア政府支配地域に帰還(2019年6月26日)

SANA(6月26日付)によると、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプでの生活を余儀なくされていた避難民数百人が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国した。
AFP, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから326人、ヨルダンから975人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月26日付)を公開し、6月25日に難民1,301人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは326人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは975人(うち女性253人、子供429人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は277,172人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者93,483人(うち女性28,100人、子ども47,430人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者183,689人(うち女性29,536人、子ども50,152人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 506,452人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2019をもとに作成。

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