ロシア軍とトルコ軍が「平和の泉」地域への電力供給とアルーク村陽水所から政府・北・東シリア自治局の共同統治地域への水道水供給で合意(2021年8月8日)

アナトリア通信(8月8日付)は、ロシア軍とトルコ軍の高官がハサカ県の電気と水の供給不足を解消するための合意を交わしたと伝えた。

報道によると、合意は、トルコの占領下にあるいわゆる「平和の泉」地域(ハサカ県ラアス・アイン市一帯、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯)と、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市一帯およびタッル・タムル町一帯の電気と水の供給に関するもの。

「平和の泉」地域に居住する20万人分の電力の提供をロシアが保障する一方、その見返りとして、トルコがアルーク村の陽水所からハサカ市一帯とタッル・タムル町一帯地域への水道水の供給するという。

この合意に合わせて、ロシア軍とトルコ軍の使節団がアルーク村の陽水所を視察した。

AFP, August 8, 2021、Anadolu Ajansı, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコが支援するハサカ部族評議会のメンバーは元ダーイシュ、元ヌスラ戦線(2021年8月8日)

シリア人権監視団は、トルコの占領下にあるアレッポ県北東部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域で、トルコの支援のもとに結成されたハサカ部族評議会にバニー・サブア部族の代表して参加しているファイサル・ガンナーム氏が、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線のメンバーだったと発表した。

ガンナーム氏は1960年、ハサカ県カーミシュリー市生まれ。

ハサカ県ラアス・アイン市でヌスラ戦線に参加、それ以前はダーイシュのメンバーとしてイラクやハサカ県タッル・ハミース市での戦闘に参加していたという。

AFP, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

占領下のアレッポ県マーリア市でトルコが運営する病院によるシリア人医師解雇に抗議するデモ(2021年8月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のマーリア市にある市立病院前で住民数十人が、シリア人医師のウスマーン・ヒジャーウィー氏の解雇に反対するデモを行った。

この病院はトルコによって運営されており、ヒジャーウィー氏がトルコ人看護師が院内で働くシリア人歯科医を侮辱したことに抗議したことを受けて、解雇されるとともに、トルコ占領地での医療行為を禁じられたという。

AFP, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市でシリア国民軍に所属する東部自由人連合と第9師団が交戦(2021年8月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市中心街で、シリア国民軍に所属する東部自由人連合のメンバーが、同じくシリア国民軍に所属する第9師団のアブー・アブドゥー・アルールー司令官を殴打したのをきっかけに双方の戦闘員どうしが交戦した。

一方、SANA(8月8日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市北東のフーシャリーヤ村を砲撃した。

AFP, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フール・キャンプ内市場でダーイシュ・メンバーと思われる男性が発砲、イラク人難民1人死亡、イラク人難民2人とシリア人国内避難民1人が負傷(2021年8月8日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプ内の市場(フェズ第1市場)で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる男性が発砲し、イラク人難民1人が死亡、イラク人難民2人とシリア人国内避難民(IDPs)1人が負傷した。

一方、SANA(8月8日付)によると、フール・キャンプの複数区で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が立ち入り捜査を行い、居住者5人を拘束・連行した。

AFP, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で16人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で109人(2021年8月8日)

保健省は政府支配地域で新たに16人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者8人が完治し、1人が死亡したと発表した。

これにより、8月8日現在の同地での感染者数は計26,097人、うち死亡したのは1,920人、回復したのは22,051人となった。

SANA(8月8日付)が伝えた。

**

反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月8日に新たに109人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、10人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡13人、ハーリム郡41人、アリーハー郡11人、アレッポ県スィムアーン山郡2人、ジャラーブルス郡3人、バーブ郡3人、アフリーン郡34人、アアザーズ郡2人。

これにより、同地での感染者数は計26,910人、うち回復したのは23,293人、死亡したのは727人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1638815842989967/

AFP, August 8, 2021、ACU, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍と武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーとの対立が続くダルアー市ダルアー・バラド地区でシリア軍第4師団と武装集団との戦闘が続く(2021年8月8日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーとの対立が続くダルアー市ダルアー・バラド地区で、シリア軍第4師団と武装集団との戦闘が続いた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県10件、ラタキア県7件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, August 8, 2021、ANHA, August 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 8, 2021、Reuters, August 8, 2021、SANA, August 8, 2021、SOHR, August 8, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民305人と国内避難民(IDPs)241人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は691,675人、2019年以降帰還したIDPsは95,987人に(2021年8月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月8日付)を公開し、8月7日に難民305人(うち女性92人、子供155人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民305人(うち女性92人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は691,675人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者296,427人(うち女性88,089人、子ども150,898人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,775,160人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は920,955人(うち女性276,365人、子供469,389人)となった。

**

一方、国内避難民241人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは241人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は95,987人(うち女性36,433人、子供32,971人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,364,583人(うち女性418,992人、子供676,737人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 8, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.