シリア人権監視団:トルコは米軍撤退後のアフガニスタン・カーブル空港警護のため、シリア国民軍に戦闘員(傭兵)数百人を手配するよう要請(2021年8月22日)

シリア人権監視団は、複数の消息筋からの情報だとして、トルコの治安機関が、シリア国民軍を主導するスルターン・ムラード師団、ハムザ師団などの武装集団に対して、アフガニスタンに派遣する戦闘員(傭兵)数百人を手配するよう要請したと発表した。

同消息筋によると、派遣される戦闘員の任務は、米軍が撤退した後のカーブル国際空港の警護。

戦闘員の手配を要請されたシリア国民軍諸派は、ターリバーンとの戦闘が想定される任務が危険だとして拒否の姿勢を示しているという。

AFP, August 22, 2021、ANHA, August 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2021、Reuters, August 22, 2021、SANA, August 22, 2021、SOHR, August 22, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍のドローンがハサカ県カーミシュリー市西のハイムー村で負傷者収容センター前に停車していた車を攻撃し、職員3人負傷(2021年8月22日)

ハサカ県では、ANHA(8月22日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市西のハイムー村で負傷者収容センター前に停車していた車を攻撃し、これを破壊した。

内務治安部隊(アサーイシュ)によると、この攻撃で同センターの職員3人が負傷した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、ダルダーラ村、ダーダー・アブダール村、タッル・ズィヤーブ村、アッラーダ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で、警察(内務治安部隊、いわゆる「自由警察」)とシリア国民軍憲兵隊が打ち合いとなり、5人が負傷した。

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アレッポ県では、ANHA(8月22日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍が占領下のバーブ市の東に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のハムラ村、フータ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、この攻撃によって、アリーマ町からクライディーヤ村に至る地域に設置されているシリア軍の陣地が地対地ミサイルで狙われ、兵士2人が負傷した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍はまた、タッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、マルアナーズ村、シャワーリガ村、アルカミーヤ村、イルシャーディーヤ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコ占領下のアアザーズ市の南に位置するカフルハーシル村近郊で、シリア国民軍に所属する国民解放戦線北部特殊任務部隊の拠点を地対地ミサイルで攻撃し、戦闘員1人が死亡、3人が負傷した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍はさらに、マンビジュ市北西のヤールナリー村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍憲兵隊がアティマ村の近くに設置されているアリー国内避難民(IDPs)キャンプで子供1人を射殺した。

AFP, August 22, 2021、ANHA, August 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2021、Reuters, August 22, 2021、SANA, August 22, 2021、SOHR, August 22, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍はハサカ県マルズーカ村を包囲し、村のイマームと若者らを拘束、米軍はダイル・ザウル県ジュダイド・アカイダート村で空挺作戦を実施し、住民多数を拘束(2021年8月22日)

ハサカ県では、SANA(8月21日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市近郊のマルズーカ村を包囲し、村のイマームと若者8人を拘束、連行した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月21日付)によると、米軍の航空機(ヘリコプター)複数機がシリア民主軍を支援して、ジュダイド・アカイダート村で空挺作戦を実施し、住民多数を拘束、連行した。

AFP, August 22, 2021、ANHA, August 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2021、Reuters, August 22, 2021、SANA, August 22, 2021、SOHR, August 22, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で102人、北・東シリア自治局支配地域で149人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で835人(2021年8月22日)

保健省は政府支配地域で新たに102人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者25人が完治し、7人が死亡したと発表した。

これにより、8月22日現在の同地での感染者数は計26,901人、うち死亡したのは1,971人、回復したのは22,287人となった。

SANA(8月22日付)が伝えた。
保健省は政府支配地域で新たに80人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者19人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、8月21日現在の同地での感染者数は計26,799人、うち死亡したのは1,964人、回復したのは22,262人となった。

SANA(8月21日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに149人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、8月22日現在の同地での感染者数は計19,380人、うち死亡したのは770人、回復したのは1,921人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性84人、女性65人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市24人、カーミシュリー市44人、マーリキーヤ(ダイリーク)市22人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、ルマイラーン町3人、ダルバースィーヤ市2人、マアバダ(カルキールキー)町2人、アームーダー市5人、ラッカ県のラッカ市20人、タブカ市17人、アレッポ県のマンビジュ市5人、アイン・アラブ(コバネ)市2人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1668882713301659

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月22日に新たに835人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、49人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡53人、イドリブ郡143人、ハーリム郡329人、アリーハー郡65人、アレッポ県スィムアーン山郡17人、ジャラーブルス郡31人、バーブ郡19人、アフリーン郡152人、アアザーズ郡26人。

これにより、同地での感染者数は計30,604人、うち回復したのは23,768人、死亡したのは746人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1648923871979164/

AFP, August 22, 2021、ACU, August 22, 2021、ANHA, August 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2021、Reuters, August 22, 2021、SANA, August 22, 2021、SOHR, August 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、マルイヤーン村、マウザラ村一帯を爆撃(2021年8月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、マルイヤーン村、マウザラ村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍も、マウザラ村、バイニーン村、シャンナーン村一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村、サルマーニーヤ村、クライディーン村、カーヒラ村、アンカーウィー村、ダクマーク村、ザクーム村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるカフル・ハラブ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県9件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を17件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, August 22, 2021、ANHA, August 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 22, 2021、Reuters, August 22, 2021、SANA, August 22, 2021、SOHR, August 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民298人と国内避難民(IDPs)260人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は695,907人、2019年以降帰還したIDPsは97,397人に(2021年8月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月22日付)を公開し、8月21日に難民298人(うち女性90人、子供152人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民298人(うち女性90人、子供152人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は695,907人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者300,659人(うち女性90,360人、子ども153,057人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は925,187人(うち女性277,636人、子供471,187人)となった。

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一方、国内避難民260人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは260人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は97,397人(うち女性37,085人、子供33,117人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,365,993人(うち女性419,644人、子供676,883人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 22, 2021をもとに作成。

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