英財務相はアスマー・アフラス大統領夫人のおじでビジネスマンのタリーフ・アフラス氏に対する金融制裁を解除(2021年8月17日)

英『テレグラフ』(8月17日付)やイナブ・バラディー(8月18日付)は、英財務省は先週、アスマー・アフラス大統領夫人のおじでビジネスマンのタリーフ・アフラス氏(1951年、ヒムス市生まれ)に対する金融制裁を解除したと伝えた。

英政府が制裁解除を行うのはEU脱退後初めて。

解除の理由は不明。


EUは2011年9月にアフラス氏、を制裁対象に加え、英最高裁判所は、2014年に同氏がシリアへの食品輸入の対価として米国の企業に2600万ドルを支払わなかったとして、12年の禁固刑を宣告していた。

AFP, August 18, 2021、ANHA, August 18, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2021、‘Inab Baladi, August 18, 2021、Reuters, August 18, 2021、SANA, August 18, 2021、SOHR, August 18, 2021、Telegraph, August 17, 2021などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県を越境攻撃、シリア軍と「イランの民兵」の拠点が被弾(2021年8月17日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が県北部ハドル村の西に位置するカルス・ナフル丘にあるシリア軍と「イランの民兵」の拠点に対して越境攻撃を行い、拠点1カ所が被弾、火災が発生した。

イフバーリーヤ・チャンネル(8月17日付)などは、県北部で複数回にわたって爆音が聞こえたとしたうえで、イスラエル軍がカルス・ナフル丘をミサイル攻撃したとの報道があると伝えていた。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、al-Ikhbariya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構が解体を迫っていた新興のアル=カーイダ系組織参加のシャーム・イスラーム運動のモロッコ人メンバーが殺害される(2021年8月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るジスル・シュグール市近郊を流れるアブヤド川河畔一帯でシャーム・イスラーム運動のモロッコ人メンバーが何者かによって殺害された。

モロッコ人メンバーが殺害されたのは、シャーム解放機構の検問所の近く。

シャーム・イスラーム運動は、モロッコ人、アフワーズ市一帯地域出身のイラン人からなる武装グループで、ハマー県北西部のガーブ平原(サルマーニーヤ村一帯)で活動しており、2014年7月に新興のアル=カーイダ系組織であるアンサール・ディーン戦線に参加した。

シャーム解放機構はこのグループに対して、組織を解体し、自らの参加に入るよう求めていた。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がユーフラテス川西岸地域でダーイシュの拠点を爆撃、東岸のフール・キャンプではダーイシュと思われるグループが2人を殺害、米軍はイラクから兵站物資を搬入(2021年8月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第4区で、アレッポ県からの国内避難民(IDPs)の男女2人が、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われるグループによって銃で撃たれて死亡した。

一方、米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、マーリキーヤ市近郊に設置されている基地に向かった。

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シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がダイル・ザウル県のシューラー村近郊の砂漠地帯、ラッカ県ラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を狙って30回以上の爆撃を実施した。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県北部を砲撃し、子供1人と女性1人が死亡、多数負傷(2021年8月17日)

ハサカ県では、ANHA(8月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町、同地の南部郊外に位置するタッル・ワルド村、ルバイアート村、バーブ・ハイル村などを砲撃した。

この砲撃で、子供1人と女性1人が死亡、住民10人以上が負傷した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、タッル・タムル町西に位置するM4高速道路沿線のタウィーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(8月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアルカミーヤ村、マルアナーズ村を砲撃した。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で70人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で278人(2021年8月17日)

保健省は政府支配地域で新たに70人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者17人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、8月17日現在の同地での感染者数は計26,479人、うち死亡したのは1,942人、回復したのは22,183人となった。

SANA(8月17日付)が伝えた。

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月17日に新たに278人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、42人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡14人、イドリブ郡79人、ハーリム郡109人、アリーハー郡25人、アレッポ県スィムアーン山郡3人、ジャラーブルス郡9人、バーブ郡5人、アフリーン郡28人、アアザーズ郡6人。

これにより、同地での感染者数は計28,407人、うち回復したのは23,548人、死亡したのは734人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1645179805686904/

AFP, August 17, 2021、ACU, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県では、元反体制武装集団メンバーらが武装解除を拒否し続けるなか、シリア軍は各地に部隊を増派、検問所を設置(2021年8月17日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーの対立が続くなか、元反体制武装集団メンバーを代表する中央委員会とシリア政府の治安委員会がロシア軍使節団の仲介により、ダルアー市ダルアー・バラド地区で会談し、停戦合意の履行について意見を交わした。

同監視団によると、元反体制武装集団メンバー側は、依然として武装解除を拒否し続けている。

これに対して、シリア軍はタッル・サマン村、ティーラ村、カルファー村、ナーミル村、イズラア市からウンム・マヤーズィン町に至る街道などに増援部隊を派遣、検問所を設置した。

また、ダルアー市ダルアー・バラド地区一帯で、武装集団と交戦、同地のほか、サイダー町、ウンム・マヤーズィン町を砲撃した。

一方、ジッリーン村近郊の街道で、シャジャラ村出身の住民が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

また、ムサイフラ町で正体不明の武装集団が住民1人を銃で撃ち殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブシ近郊のジャウバース村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるアウラム・クブラー町同地近郊のザアタル工場を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県13件、ラタキア県8件、アレッポ県0件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021、August 18, 2021などをもとに作成。

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ジャアファリー外務在外居住者副大臣「米国の政策は脆く、非道徳的で、アフガニスタンからの撤退は計略の失敗を示している」(2021年8月17日)

バッシャール・ジャアファリー外務在外居住者副大臣は、アフガニスタンでターリバーンが全権を掌握(8月16日)したことに関して、『ワタン』(8月17日付)に対し、米国の政策は脆く、非道徳的で、アフガニスタンからの撤退は、計略の失敗を示していると述べた。

ジャアファリー副大臣の主な発言は以下の通り:

米国が自分たちの歴史から過ちを学ぶことは決してないだろう。アフガニスタンに軍を派遣してから20年が経ち、この国から撤退している今であってもだ…。米国には、撤退後もこの地域を爆発させたいというアジェンダ、そして計略があると我々は確認している。だが、このようなかたちでアフガニスタンから撤退することは、この地域における彼らの計略が失敗したことを示している。

米国は20年にわたってターリバーンのテロと戦っていると主張してきた。だが、突如として、我々は、彼らがカタールのドーハで彼らと席を共にし、彼らと交渉し、連絡を取り合い、ひと月あまりで撤退に合意したのを目にした…。米国の政策は、脆く、脆弱で、非道徳だ。米国は、アフガニスタンで行ったことを多くの国で行ってきた。だから、アフガニスタンで起きていることは、この地域、そして世界中のすべての諸国民にとっての教訓だ。いかなる場所であっても、米国は信用できない。それは皆にとって例外なく言えることだ。そのなかには、今も米国の支援を受けているシリア国内の当事者も含まれる…。シリア国内の米軍の駐留は国際法、国連憲章に従えば占領だ。

AFP, August 17, 2021、ANHA, August 17, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2021、Reuters, August 17, 2021、SANA, August 17, 2021、SOHR, August 17, 2021、al-Watan, August 17, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民295人と国内避難民(IDPs)260人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は694,324人、2019年以降帰還したIDPsは96,898人に(2021年8月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月17日付)を公開し、8月16日に難民295人(うち女性88人、子供150人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民295人(うち女性88人、子供150人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は694,324人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者299,076人(うち女性89,885人、子ども152,251人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は923,604人(うち女性277,161人、子供470,742人)となった。

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一方、国内避難民260人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは212人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は96,898人(うち女性36,750人、子供33,045人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,365,494人(うち女性419,309人、子供676,811人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 17, 2021をもとに作成。

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