イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、首都ベイルート南東上空から首都ダマスカス一帯とヒムス県ヒムス市一帯に向けて多数のミサイルを発射(2021年8月19日)

シリア軍筋は、午後11時3分、イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、首都ベイルート南東上空から首都ダマスカス一帯とヒムス県ヒムス市一帯に向けて多数のミサイルを発射したのを確認、防空部隊が迎撃し、そのほとんどを撃破したと発表した。





SANA(8月19日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の爆撃により、ダマスカス郊外県カーラ市一帯にあるレバノンのヒズブッラーの拠点や武器弾薬庫が狙われ、ヒズブッラーのメンバー4人(シリア人とレバノン人)が死亡し、多数が負傷した。

AFP, August 19, 2021、ANHA, August 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2021、Reuters, August 19, 2021、SANA, August 19, 2021、SOHR, August 20, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県でシリア軍が襲撃を受け兵士6人死亡(2021年8月19日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、バイト・アーラ村にあるシリア軍第5軍団の検問所の近くで住民1人が遺体で発見された。

また、ナーフィア村とアイン・ズィクル村を結ぶ街道でシリア軍の車輌1台が道路に仕掛けられいた爆弾の爆発に巻き込まれ、兵士6人(うち大尉1人)が死亡、2人が負傷した。

死傷したのは、シリア軍第112旅団の兵士。

AFP, August 19, 2021、ANHA, August 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2021、Reuters, August 19, 2021、SANA, August 19, 2021、SOHR, August 19, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍のドローンがハサカ県タッル・タムル町にあるタッル・タムル軍事評議会(シリア民主軍)渉外局本部を爆撃し、1人死亡、シリア民主軍はアレッポ県でシリア国民軍戦闘員3人を殺害(2021年8月19日)

ハサカ県では、ANHA(8月19日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)がタッル・タムル町にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属のタッル・タムル軍事評議会渉外局本部を爆撃した。

シリア人権監視団によると、この爆撃によって1人が死亡、5人が負傷した(シリア人権監視団は8月22日、この爆撃で女性司令官1人を含む9人が死亡、10人以上が負傷したと改めて発表した)。

一方、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治したにあるタッル・タムル町北部にあるロシア軍基地前で、民主統一党(PYD)を支持する同町とアブー・ラースィーン(ザルカーン)町の住民数百人がデモを行い、トルコ軍とシリア国民軍の攻撃に対するロシア軍の沈黙に抗議した。

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ラッカ県では、ANHA(8月19日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるサワーン村、ザヌーバー村、アリーダ村、ヒルバト・バカル村、アフダクー村(いずれもタッル・アブヤド市近郊)を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(8月19日付)によると、シリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北東のアルジャート村に潜入しようとしたシリア国民軍の戦闘員3人を殺害した。

また、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市近郊のクライディーヤ村にロケット弾1発が着弾し、女性1人が死亡、5人が負傷した。

ロケット弾は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域から発射された。

ANHAによると、これに対して、トルコ軍とシリア国民軍は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村を砲撃した。

このほか、シリア人権監視団によると、シリア国民軍の憲兵隊がアラブ・ブーラーン村近くの国境に設置されているコンクリート製の壁に近づこうとした男性1人を射殺した。

AFP, August 19, 2021、ANHA, August 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2021、Reuters, August 19, 2021、SANA, August 19, 2021、SOHR, August 19, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で80人、北・東シリア自治局支配地域で64人(2021年8月19日)

保健省は政府支配地域で新たに80人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者21人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、8月19日現在の同地での感染者数は計26,634人、うち死亡したのは1,953人、回復したのは22,223人となった。

SANA(8月19日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに64人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、8月19日現在の同地での感染者数は計19,231人、うち死亡したのは770人、回復したのは1,920人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性34人、女性30人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市12人、カーミシュリー市21人、マーリキーヤ(ダイリーク)市8人、カフヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町1人、ルマイラーン町6人、ダルバースィーヤ市1人、マアバダ(カルキールキー)町1人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市2人、ラッカ県のラッカ市6人、タブカ市3人、ダイル・ザウル県3人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1666720030184594

AFP, August 19, 2021、ANHA, August 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2021、Reuters, August 19, 2021、SANA, August 19, 2021、SOHR, August 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市西のアイン・シーブ村近郊にある軍事拠点を爆撃、シリア軍の砲撃によりバルシューン村で5人が死亡(2021年8月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市西のアイン・シーブ村近郊にある軍事拠点を爆撃した。

この軍事拠点はシャーム解放機構のものと思われる。

また、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバルシューン村、バーラ村、ルワイハ村などを砲撃し、バルシューン村で女性1人と子供4人が死亡、3人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍憲兵隊が国境に設置したコンクリート製の壁に近づこうとした男性1人を殺害した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月19日付)によると、殺害された男性は、トルコに不法入国しようとしていたところを撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県11件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, August 19, 2021、ANHA, August 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 19, 2021、Reuters, August 19, 2021、SANA, August 19, 2021、SOHR, August 19, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民312人と国内避難民(IDPs)187人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は694,944人、2019年以降帰還したIDPsは97,085人に(2021年8月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月19日付)を公開し、8月18日に難民312人(うち女性94人、子供159人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民312人(うち女性94人、子供159人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は694,944人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者299,696人(うち女性90,072人、子ども152,567人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は924,224人(うち女性277,348人、子供471,058人)となった。

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一方、国内避難民187人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは187人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は97,085人(うち女性36,932人、子供33,087人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,365,681人(うち女性419,491人、子供676,087人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 19, 2021をもとに作成。

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