ダルアー市ダルアー・バラド地区でシリア政府側の要求に沿った停戦合意が成立(2021年8月31日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーが立て籠もりを続けるダルアー市ダルアー・バラド地区で、ロシア軍の仲介のもとに、シリア政府側の治安委員会と元反体制武装集団メンバーを代表する中央委員会が会合を開いた。

会合は、ロシア側が示していた行程表が事態収拾の最終期限としていた8月31日となったために開かれた。

この会合で、9月1日から新たな停戦合意を履行することで合意した。

新たな停戦合意は、①戦闘停止、②指名手配者(武装解除拒否者)の武装解除と社会復帰の実施、③社会復帰を希望しない者のシリア北部への退去、④ロシア軍憲兵隊のダルアー市ダルアー・バラド地区への進駐、⑤同地区でのロシア、シリア両国国旗の掲揚、⑥第5軍団所属の第8旅団と軍事情報局の合同拠点を3カ所に設置、を骨子とする。

合意内容は、シリア政府側の要求に沿ったもの。

シリア人権監視団によると、会合には、ダルアー県各地の名士も中央委員会とともに参加し、武装解除拒否者に合意内容を受け入れるよう説得したという。

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合意に先立って、地元の武装集団がシャイフ・サアド村を砲撃したほか、ダーイル町にある空軍情報部の検問所を襲撃した。

一方、シリア軍も第4師団などが、ダルアー市ダルアー・バラド地区に対して50発以上の地対地ミサイルを撃ち込み、突入の姿勢を見せ、元反体制武装集団メンバー側に合意の受諾・履行を迫った。

シリア軍はまた、シャイフ・サアド村、ムザイラア村などを砲撃し、ムザイラア村では女性1人が死亡したほか、タファス市に発砲し、男性1人が負傷した。

SANA(8月31日付)によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区で、武装解除を拒否し、立て籠もりを続ける元反体制武装集団メンバーが、ダルアー市各所を砲撃、シリア軍がこれに応戦した。

AFP, August 31, 2021、ANHA, August 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2021、Reuters, August 31, 2021、SANA, August 31, 2021、SOHR, August 31, 2021などをもとに作成。

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米軍とシリア民主軍は、アラブ系部族からなる国境警備を任務とした武装組織を新設することで合意(2021年8月31日)

アイン・フラート(8月31日付)は、複数の地元メディア筋の話として、米軍の代表が8月27日と30日にハサカ県ルマイラーン町にある米軍基地でシリア民主軍を構成する人民防衛隊(YPG)やサナーディード軍の代表と会合を開き、新たな武装組織を結成することで合意したと伝えた。

この武装組織は、イラク・シリア国境の警備を任務とし、18歳から40歳のアラブ系部族の子息約2,000人によって構成され、彼らには月150米ドルの報酬が与えられるという。

AFP, August 31, 2021、ANHA, August 31, 2021、‘Ayn al-Furat, August 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2021、Reuters, August 31, 2021、SANA, August 31, 2021、SOHR, August 31, 2021などをもとに作成。

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シリア政府支配地からシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に2度目となるクロスラインでの支援が実施される(2021年8月31日)

アレッポ県では、世界食糧計画(WFP)の食糧支援物資を積んだ車輌12輌が、政府の支配下にあるアレッポ県ミーズナール村の通行所から、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握する反体制派の支配地に入った。

クロスラインでの支援物資搬入が行われるのは8月30日に続いて2回目。

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トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(シリア国民軍)がトリポリのキャンプで待遇改善を求める抗議デモ(2021年8月31日)

シリア人権監視団は、トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(シリア国民軍)が首都トリポリにあるヤルムーク・キャンプで8月30日、傭兵数十人が給与の減額や休暇が認められない状況に反発し、抗議デモを行ったと発表した。

同監視団が得た情報によると、休暇を希望する傭兵らは、司令官らから1,000米ドルの罰金を科されているという。

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シリア国民軍がドローンでアレッポ県北部のシリア軍拠点を爆撃(2021年8月31日)

アレッポ県では、ANHA(8月31日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のスムーカ村、シャッアーラ村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、シリア国民軍はまた、無人航空機(ドローン)を使用して、カフル・ナースィフ村にあるシリア軍の拠点を爆撃した。

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ハサカ県では、ANHA(8月31日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のウンム・ハイル村、クーザリーヤ村、タッル・ラバン村を砲撃した。

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ダイル・ザウル県のCONOCOガス田に米軍が違法に設置する基地が砲撃を受ける(2021年8月31日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月31日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるCONOCOガス田に違法に設置されている米軍基地に迫撃砲弾2発が着弾した。

シリア人権監視団によると、着弾した砲弾は3発。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)が複数の地元筋から得た情報によると、砲弾はシリア政府の支配下にあるフシャーム町から発射され、着弾地点から炎が上がるのが目撃されたという。

また、SANAによると、アブー・ハルドゥーブ村では、「人民抵抗諸派」が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に手榴弾を投げ込んだ。

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シリア民主軍がカーミシュリー市内の学校への職員の出勤を阻止(2021年8月31日)

ハサカ県では、SANA(8月31日付)がイルハーム・スールハーン県教育局長の話として、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、タイ地区(4月に内務治安部隊(アサーイシュ)が国防対を排除)の学校3校に北・東シリア自治局支配下の地区に居住する職員が出勤のを阻止していると伝えた。

出勤が阻止されたのは、イブン・スィーナー高等学校、ガザ小学校、ファイサル・ハッスィー小学校。

AFP, August 31, 2021、ANHA, August 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2021、Reuters, August 31, 2021、SANA, August 31, 2021、SOHR, August 31, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍所属と思われる戦闘機がトルコ占領下の「オリーブの枝」を初めて爆撃(2021年8月31日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍所属と思われる戦闘機複数機が、トルコが占領下するいわゆる「オリーブの枝」地域のジンディールス村近郊のイスカーン(イースカー)村、ジャルマ村にあるシリア国民軍所属のシャーム軍団のキャンプを爆撃し、5人が負傷した。

ロシア軍がトルコ占領下の「オリーブの枝」地域を爆撃するのは初めて。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)が複数の地元筋から得た情報によると、爆撃は5回にわたって行われた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍憲兵隊は、トルコ領内に不法入国しようとしたシリア人国内避難民(IDPs)5人に発砲、1人を射殺し、4人を負傷させた。

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クナイトラ県では、SANA(8月31日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村近郊の道路に仕掛けられていた爆弾が、車の通過に合わせて爆発し、乗っていた住民2人が死亡した。

AFP, August 31, 2021、ANHA, August 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2021、Reuters, August 31, 2021、SANA, August 31, 2021、SOHR, August 31, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民298人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は697,692人に(2021年8月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月31日付)を公開し、8月30日に難民271人(うち女性81人、子供138人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民271人(うち女性81人、子供138人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は698,526人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者303,278人(うち女性91,148人、子ども154,393人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,785,079人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は927,806人(うち女性278,424人、子供472,884人)となった。

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一方、国内避難民274人が新たに帰宅した。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は98,366人(うち女性37,528人、子供33,221人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,366,962人(うち女性420,087人、子供676,987人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 31, 2021をもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で136人、北・東シリア自治局支配地域で171人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で1,401人(2021年8月31日)

保健省は政府支配地域で新たに136人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者20人が完治し、6人が死亡したと発表した。

これにより、8月31日現在の支配地内での感染者数は計27,915人、うち死亡したのは2,013人、回復したのは22,471人となった。

SANA(8月31日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに171人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、8月31日現在の支配地内での感染者数は計20,489人、うち死亡したのは788人、回復したのは1,956人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性76人、女性78人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市25人、カーミシュリー市48人、マーリキーヤ(ダイリーク)市36人、アームーダー市6人、ナウルーズ・キャンプ1人、ロジュ・キャンプ2人、ラッカ県のラッカ市13人、タブカ市26人、アレッポ県のマンビジュ市2人、アイン・アラブ(コバネ)市3人、ダイル・ザウル県11人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1674798939376703

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反体制派系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月30日に新たに1,401人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、200人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡42人、イドリブ郡281人、ハーリム郡504人、アリーハー郡213人、アレッポ県スィムアーン山郡26人、ジャラーブルス郡56人、バーブ郡48人、アフリーン郡184人、アアザーズ郡47人。

これにより、同地での感染者数は計39,271人、うち死亡したのは760人、回復したのは24,750人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1655416257996592

AFP, August 31, 2021、ACU, August 31, 2021、ANHA, August 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2021、Reuters, August 31, 2021、SANA, August 31, 2021、SOHR, August 31, 2021などをもとに作成。

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