アッシリア民主機構はクルド民族主義組織のPYDの支配地で「人口動態の改変」に警鐘を鳴らす(2022年2月23日)

シリアの反体制組織の一つであるアッシリア民主機構は声明を出し、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に民兵である人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が支配地(北・東シリア自治局の支配地)の住民の暮らしに脅威を与え、日常生活と安定を阻害していると非難する一方、ダーイシュ(イスラーム国)の脅威が依然として存在していると警鐘を鳴らした。

声明は、2015年2月23日にハサカ県ハーブール川河畔のアッシリア教徒の村々がダーイシュの支配から解放されてから7年が経ったのを記念して出されたもの。

アッシリア民主機構は、ダーイシュによる同地域の支配によって、多くのアッシリア教徒が村を離れて、避難や強制移住を余儀なくされたことが、「人口動態を改変する余地を与えた」と指摘した。
また、ダーイシュを放逐して、同地を支配するようになったシリア民主軍については、「暮らしの様相を軍事化し、軍事的配慮を優先させ、タッル・タムル町や我々の村などジャズィーラ地方のほとんどの都市と町の住宅地にトンネルや堀を建設しており…、民間人の暮らしを脅威に曝し…、国際人権法の原則に反する事態となっている」と非難した。

そのうえで、こうしたトンネルの掘削や民家の強制接収を止めるよう求めるとともに、アッシリア教徒の政党や組織に対して互いの取り組みを一つにして、ハーブール川河畔地域の住民が被る被害や悪影響に対処し、人口動態の改変を食い止めるための責任を果たすよう呼び掛けた。

シャーム・ネットワーク(2月24日付)などが伝えた。

AFP, February 24, 2022、ANHA, February 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2022、Reuters, February 24, 2022、SANA, February 24, 2022、Sham Network, February 24, 2022、SOHR, February 24, 2022などをもとに作成。

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シャーム解放機構はオーストラリアによってテロ組織に指定されたことを「シリア革命が身を置く現実を現したものでもない」と非難(2022年2月23日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の広報局は声明を出し、オーストラリアがパレスチナのハマースなどとともにシャーム解放機構をテロ組織に指定したことを「純粋に政治的な問題で、ことの真相を現したものでも、シリア革命が身を置く現実を現したものでもない」と非難した。

シャーム解放機構はまた声明で「テロ指定は具体的証拠に基づいていない。人民や土地を防衛している者がどうしてテロリストに値するのか。世界のあらゆる法律がすべての人に保障された権利だと規定しているのに…。テロ指定に値するものが指定されていない。化学兵器使用という犯罪など、シリア国民に対する虐殺を行い、ロシア人のイラン人の助を借りて、シリア人の4分の3を強制移住させた者のことだ」と主張した。

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オーストラリアのカレン・アンドリュー内務大臣は2月17日、ハマース、シャーム解放機構、そしてシリアで活動する新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構をテロ組織のブラックリストに追加することを明らかにしていた。

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、The Camberra Times, February 17, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県のムハイミーダ村とヒサーン村でシリア民主軍に抗議するデモ(2022年2月23日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるムハイミーダ村、ヒサーン村の住民が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の活動に抗議するデモを行った。

デモは、シリア民主軍のメンバーが、親政権民兵組織である国防隊の元メンバーを地元の経済委員会の委員長に強引に就任させたことを受けたもので、参加者はこの人物の解任を訴え、道路でタイヤを燃やすなどして抗議の意思を示した。

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍とトルコ軍がアレッポ県を爆撃(2022年2月23日)

アレッポ県では、ANHA(2月23日付)、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機1機がトルコの占領下にあるバーブ市近郊のタルヒーン村の東に位置するハダス村にある石油精製設備を爆撃した。

ANHAによると、ロシア軍の戦闘機は3日前からアレッポ県北東部上空に飛来、熱気球を放ち索敵を行っており、シリア人権監視団によると、23日にもカッバースィーン村近郊のバルシャヤー村上空に熱気球が上げられていた。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市東のジャート村にあるシリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍マンビジュ軍事評議会の合同軍事拠点1カ所を無人航空機(ドローン)で爆撃し、シリア軍兵士2人が負傷した。

ANHA(2月23日付)によると、トルコ軍はまた、マンビジュ市北東のヒサーン村を戦車で砲撃した。

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県を地対地ミサイルで攻撃、シリア軍を脅迫するビラを散布(2022年2月23日)

SANA(2月23日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍が23日午前0時30分頃、占領下のゴラン高原からクナイトラ県クナイトラ市一帯の複数カ所を地対地ミサイルで攻撃、これにより若干の物的被害が出たと伝えた。



シリア人権監視団によると、この攻撃でバアス市の財務局ビル、ルワイヒーナ村一帯の複数カ所が狙われた。

同監視団によると、同地にはレバノンのヒズブッラーをはじめとする「イランの民兵」が拠点を設置していると言われる。

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また、タイム・オブ・イスラエル(2月23日付)は、イスラエル軍のヘリコプター複数機がその後、クナイトラ県に「我々はシリア軍の将兵に警告した。我々はあなた方に警告を続けた。あなた方がヒズブッラーを支援し続ける限り止めることはない」などと書かれたビラを散布した。

https://twitter.com/YusufAd76532779/status/1496427517661655040?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1496427517661655040%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.timesofisrael.com%2Fidf-drops-threatening-flyers-in-syrian-golan-following-overnight-strike-nearby%2F

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022, The Times of Israel, February 23, 2022などをもとに作成。

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財務省がダイル・ザウル県議会のファーディー・トゥウマ前議長らが大規模な窃盗に関与していたとして資産を凍結(2022年2月23日)

反体制系サイトの一つナフル・メディア(2月21日付)などは、財務省がダイル・ザウル県議会のファーディー・トゥウマ前議長と妻や親戚らが大規模な窃盗に関与していたとしてその資産を凍結したと伝えた。

https://www.facebook.com/nahermedia/posts/527337382082986

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Naher Media, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ラッカ県、アレッポ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年2月23日)

SANA(2月23日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市スポーツ・サロン、ラッカ県のサブハ町、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、マスカナ市に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はロジュ・キャンプに収容されていたダーイシュのロシア人メンバーの子供9人をロシアに引き渡す(2022年2月23日)

ANHA(2月23日付)によると、北・東シリア自治局はハサカ県のマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のロジュ・キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)のロシア人メンバーの子供9人の身柄をロシア政府に引き渡した。

身柄引き渡しは、ロシア大統領府の子供の権利のための弁務官補のセルゲイ・イゴレビッチ氏を団長とする使節団がカーミシュリー市にある北・東シリア自治局渉外関係局の本舎を訪問し、ファナル・カイート共同副議長、アビール・イーリヤー合同副議長と会談して、合意された。

 

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シリア国民軍広報センターは声明を出し、ラッカ県のラッカ市に設置されている検問所で、同軍特殊部隊が、トルコに渡航しようとしていたダーイシュ(イスラーム国)のイラク人メンバー1人アブドゥッラー・アブドゥルカリーム・アブドゥッラー氏を拘束したと発表した。

ANHA(2月23日付)が伝えた。

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村一帯を砲撃(2022年2月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市で男性1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3166101193632615

AFP, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で128人、北・東シリア自治局支配地域で32人(2022年2月23日)

保健省は政府支配地域で新たに128人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者220人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、2月23日現在のシリア国内での感染者数は計54,040人、うち死亡したのは3,059人、回復したのは46,088人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/254606053514045

 

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに32人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、2月23日現在のシリア国内での感染者数は計38,353人、うち死亡したのは1,551人、回復したのは2,555人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性18人、女性14人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市8人、カーミシュリー市6人、マアバダ(カルキールキー)町4人、ダルバースィーヤ市2人、アームーダー市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村1人、アブー・ハシャブ・キャンプ1人、ラッカ県のラッカ市3人、タブカ市1人、アレッポ県のマンビジュ市1人、アイン・アラブ(コバネ)市2人、ダイル・ザウル県1人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1795456913977571

AFP, February 23, 2022、ACU, February 23, 2022、ANHA, February 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2022、Reuters, February 23, 2022、SANA, February 23, 2022、SOHR, February 23, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民356人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は754,420人に(2022年2月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、2月22日に難民356人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民349人(うち女性105人、子供178人)、ヨルダンから帰国したのは7人(うち女性2人、子供4人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は754,420人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者356,764人(うち女性107,211人、子ども181,651人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,656人(うち女性119,349人、子ども202,819人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,829,838人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は983,700人(うち女性295,218人、子供501,392人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,881人(うち女性41,475人、子供34,133人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,477人(うち女性424,034人、子供677,899人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3166106460298755

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 23, 2022をもとに作成。

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