ロイター通信:1月29日のボグダノフ外務副大臣兼大統領特使との会談でシャルア暫定大統領は、数十億ドル規模の債務問題、アサド前大統領の処遇、ロシアにあるとされるシリア資産の返還要求などを議論(2025年3月2日)

ロイター通信は、シリア、ロシアの政府関係者、外交筋など8人の関係者の話として、1月29日に首都ダマスカスで行われたアフマド・シャルア暫定大統領とロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣兼大統領特使(中東地域担当)の会談において、数十億ドル規模の債務問題、アサド前大統領の処遇、ロシアにあるとされるシリア資産の返還要求などが議論されたと伝えた。

同通信社によると、シャルア暫定大統領は前政権時代にロシアから受けた債務の免除を求めた。

シリアのムハンマド・アバーズィード財務大臣によると、同国の対外債務は200~230億ドルに上るが、ロシアへの負債額は明らかになっていない。

また、アサド前大統領のシリア帰還については、あくまでも概括的な議論にとどまった。

ロシアの高官筋によると、ロシアはアサド前大統領の引き渡しには同意することはなく、またそうした要請も受けていないという。

シャルア暫定大統領はさらに、アサド前大統領がロシア政府に委ねたとされるシリアの資金の返還を求めたが、ロシア側は、そのような資金は存在しないと否定した。

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米軍の貨物機1機と車列がハサカ県の基地に軍装備品や兵站物資を輸送(2025年3月2日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の貨物機1機が、シャッダーディー市に設置されている基地に、軍装備品や兵站物資を輸送した。

また、貨物車輌など22輌からなる車列がイラクとの国境に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、カスラク村にある米軍基地に向かった。

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トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県のティシュリーン・ダム一帯への攻撃を繰り返す(2025年3月2日)

アレッポ県では、ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後1時頃、ティシュリーン・ダム一帯を砲撃した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後1時半頃、ティシュリーン・ダム一帯を砲撃した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後10時頃、ティシュリーン・ダム一帯を砲撃した。

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ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後4時頃、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のビール・ハッスー村、サナア村を砲撃した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後6時頃、スィッリーン町近郊のマルハ村を砲撃し、住民1人が負傷した。

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ラッカ県では、ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後9時頃、タッル・アブヤド市西のシャムスィーン村を砲撃したと発表した。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は声明を出し、オートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)のグループがブサイラ市の検察局を襲撃したと発表した。

ANHAによると、シリア民主軍の広報センターが、ダイル・ハーフィル市一帯、ティシュリーン・ダム一帯でシリア国民軍を迎撃し、多数の戦闘員を殺傷したと発表した。

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ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、トルコ軍、シリア国民軍との戦闘で兵士7人が新たに死亡したと発表した。

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陸路海路出入国管理総局はバーブ・ハワー、バーブ・サラーマ、ジャラーブルス、ラーイー、ハマーム、カサブの国境通行所において、ラマダーン月期間中の午前9時から午後6時までの通行を許可(2025年3月2日)

『ワタン』によると、陸路海路出入国管理総局は、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所、アレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所、ジャラーブルス国境通行所、ラーイー国境通行所、ハマーム国境通行所、ラタキア県のカサブ国境通行所において、ラマダーン月期間中の午前9時から午後6時までの通行を許可すると発表した。

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ハマー県サラミーヤ市などで医療関係者が解職処分に抗議するデモ(2025年3月2日)

ハマー県では、『ワタン』によると、サラミーヤ市で医療分野の職員らが、保健省の決定により、3ヵ月の有給休暇を与えられ、職務停止処分を受けたことに抗議する座り込みデモを行い、市民団体らが参加、抗議の意思を示した。

デモ参加者によると、保健省の決定は医療特区の職員約215人、サラミーヤ国立病院の職員210人に及び、医師、看護し、救急救命士などが対象となっているという。

シリア人権監視団によると、同様のデモはスカイラビーヤ市、首都ダマスカスでも発生した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、県保健局が看護師ら336人の病院・医療スタッフ・経営者を解職処分とした。

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シリア人権監視団によると、鉄鋼製品公会社は、職員500人を突如解職処分とした。

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内務省総合治安局がダマスカス郊外県ジャルマーナー市に展開:ハマー県ヒヤーリーン町でモスクに向かっていた住民が襲撃を受け8人が死傷(2025年3月2日)

ラタキア県では、SANAによると、内務省総合治安局がジャブラ市近郊のアイン・シカーク町で、前政権の「残党」追跡の一環として、多数の指名手配者を逮捕した。

シリア人権監視団によると、ジャブラ市とラタキア市を結ぶ街道で地元武装グループが民間の車1台を狙って発砲し、2人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、SANAによると、同県のフサーム・タッハーン治安局長は、ジャルマーナー市の一部住民が前政権の国防省の職員アフマド・ハティーブ容疑者の身柄引き渡しを拒否したことを受けて、同市に展開、抵抗する住民らを逮捕したと発表した。


シリア人権監視団によると、タッル市に至る街道で、正体不明の武装グループが車1台を襲撃し、男性とその娘の合わせて2人が死亡した。

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ヒムス県では、『ワタン』によると、県治安局が県北部のカフル・アブド村で迫撃砲を貯蔵していた施設を発見、これを押収した。

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ハマー県では、シリア人権監視団「シリア革命の咆哮者たち」によると、ヒヤーリーン町でオートバイに乗った覆面姿の武装グループがモスクの前で礼拝に向かっていた住民ら発砲し、3人が死亡、少なくとも5人が負傷した。

シリア人権監視団によると、タッル・スィキーン村で、クミンの取引をするイドリブ県出身の男性2人が何者によって殺害され、遺体で発見された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、オートバイに乗った正体不明の武装グループがサナマイン市で若い男性2人に向けて発砲、2人を負傷させた。

シリア人権監視団によると、ラジャート高原で正体不明の武装グループが車1台を襲撃し、若い男性1人を殺害、またザムラ村で失踪していた男性1人が遺体で発見された。

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シャルア暫定大統領は、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド大統領、ムハンマド・ビン・ラーシド副大統領、オマーンのハイサム国王、チュニジアのタブーン大統領からラマダーン月の到来を祝う祝電を受け取る(2025年3月2日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、UAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナフヤーン大統領、ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム副大統領、オマーンのハイサム・ビン・ターリク国王、チュニジアのアブドゥルマジード・タブーン大統領からラマダーン月の到来を祝う祝電を受け取った。



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シャルア暫定大統領は憲法宣言草案の起草を任務とする専門家委員会を設置(2025年3月2日)

シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、国民対話大会の成果を踏まえ、法の支配に基づく国家建設を開始し、移行期を規定する法的枠組みを準備するための専門家委員会を設置すると定めた。
委員会は、アブドゥルマジード・アウワーク氏、ヤースィル・フワイシュ氏、イスマーイール・ハルファーン氏、ライアーン・カヒーラーン氏、ムハンマド・リダー・ジャルヒー氏、アフマド・クルビー氏、バヒーヤ・マールティーニー氏(女性)の7人から構成され、移行期を規定する憲法宣言草案の起草の任務を担い、大統領に草案を提案する。

シャルア暫定大統領は、委員会設置後、委員7人と会談した。

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イナブ・バラディーによると、各委員の経歴は以下の通り。

  • アウワーク氏:博士。憲法法専門の学者であり、トルコのマルディン・アルトゥクル大学で博士号を取得。
  • フワイシュ:法学博士。ダマスカス大学法学部学部長。エジプトで国際法の専門資格を取得。国際経済法、国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)に関する多数の研究を発表しており、世界経済と国際貿易に関する著書も複数執筆。
  • ハルファーン:博士。アレッポ大学法学部学部長。
  • カヒーラーン:博士。ダマスカス大学法学部公法学科長。
  • ジャルヒー:博士。ダマスカス大学政治学部学部長。イドリブ大学で博士号を取得。
  • クルビー:博士。シリア対話センターの「コンセンサスと共通アイデンティティ研究ユニット」責任者。アレッポ大学で公法の博士号を取得。
  • マルディーニー:法学博士。作家、ジャーナリスト、メディア関係者。英国のノーサンプトン大学で国際法の修士号を取得。

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