イスラエル軍戦闘機がダルアー県の旧シリア軍基地を爆撃し、民間人2人が死亡、19人が負傷(2025年3月17日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊が、ズバイダ村に一時侵攻した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機複数機が、ダルアー市近郊の旧シリア軍第132旅団基地を爆撃した。

これにより、イスラエル軍の攻撃は、爆撃が27回、砲撃が2回となった。

シリア人権監視団によると、この爆撃で、住民3人と暫定政権国防省部隊の兵士1人が死亡、複数が負傷した(シリア人権監視団によると、その後(19日)に死者は4人となった)。

イスラエル軍はまた、イズラア市近郊の第175連隊基地を爆撃した。

これに関して、SANAは、イスラエル軍戦闘機複数機がダルアー市周辺を狙って複数回の爆撃を行い、この爆撃で、民間人2人が死亡、19人が負傷したと伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/pfbid02cXZPToJGHKoKYKPxVNtaiiwrhrkyZPUQpbsXo9AERKJSCsVgsThK9TKsSe7LP1nAl

 

**

イスラエル軍はテレグラムの公式アカウントを通じて以下の通り発表した。

イスラエル軍は現在、シリア南部の複数の軍事標的を攻撃しており、そのなかには司令部や、旧シリア政権に属し、再利用が試みられている武器や軍用車輌を含む軍事施設が含まれている。
シリア南部における軍事資産の存在は、イスラエル国家にとって脅威となる。イスラエル軍はシリア南部に軍事的脅威が存在することを許さず、これに対して行動を取る。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド赤新月社の大型車輌15輌が、北・東シリア地域民主自治局の支配地から虐殺や略奪の被害を受けた沿岸地域の住民を救援するため物資を輸送(2025年3月17日)

ANHAによると、クルド赤新月社の食料・救援物資を積んだ大型車輌15輌が、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるハサカ県のカーミシュリー市とハサカ県からラッカ県のタブカ市に向かい、そこで大型車輛5輌と合流、シャルア暫定政権の国防省部隊、内務省総合治安局と「旧体制の残党」との戦闘の最中に、前者によって虐殺や略奪の被害を受けた沿岸地域の住民を救援するため、ハマー県のサラミーヤ市方面に向かった。

ANHAによると、暫定政権の国防省部隊は、車列に対して、クルド赤新月社のロゴを外すことを条件として、通行を認めた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市近郊のバルフ・ブーターン村を砲撃し、一家9人を殺害、2人を負傷させる(2025年3月17日)

アレッポ県では、ANHAによると、トルコ軍が午前0時40分、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のバルフ・ブーターン村を砲撃し、一家9人が死亡、2人が負傷した。

死亡したのは、子ども7人とその父母。

シリア人権監視団によると、死者は10人(うち子供8人)

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍は午後3時30分頃にスィッリーン町近郊のカスク村を、午後5時頃にアイン・アラブ市南のサナア村、ハッルース村、ティシュリーン・ダム一帯を砲撃した。

**

ハサカ県では、ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍が午後1時頃、タッル・タムル町近郊の変電所などを砲撃した。

ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍は午後2時頃、タッル・タムル町一帯を砲撃した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県西部の国境地帯でレバノンの部族民兵(親ヒズブッラー)と国防省部隊の戦闘続く:国防隊部隊はレバノン領内で2人を拉致殺害、戦闘による国防隊兵士などの死者数は11人に(2025年3月17日)

シリア人権監視団によると、レバノン軍は暫定政権当局に、16日のヒムス県のシリア・レバノン国境地帯要撃で殺害された国防省部隊の兵士3人を含む4人の遺体を引き渡した。

シリア人権監視団によると、レバノンの部族民兵(親ヒズブッラー)と国防省部隊の戦闘で、国防省部隊の兵士4人が新たに死亡、また複数が負傷した。

これにより、16日以降の死者は、処刑された3人を含めて8人、負傷者は少なくとも13人となった。

シリア人権監視団によると、国防省部隊はサイイド・アリー村を制圧したものの、戦闘で兵士3人が死亡、死者総数は11人となった。

**

アラビーヤ・チャンネルによると、現地を取材していた記者らが攻撃を受け、アラビーヤ・チャンネルおよびハドス・チャンネルのカメラマンルストゥム・サラーフ氏が負傷したと伝えた。

**

ナハール・ネットによると、ベカーア県のファドリーヤ村で若い男性2人(M.N.M.氏とA.N.M.氏)が暫定政権の治安部隊によって自宅で拉致され、殺害された。

2人は喉を切られて死亡した。

**

ヒムス県のレバノン国境地帯で16日に始まったレバノンの部族民兵(親ヒズブッラーの民兵)とシャルア暫定政権の国防省部隊による戦闘に関して、SANAは以下の通り伝えた。

県の広報総局は、ズィーター・ダム近くの国境地帯で、ヒズブッラーの民兵がカメラマンとジャーナリストを地対地ミサイル1発で攻撃し、負傷させた。

これに関して、情報省は、ヒズブッラーの民兵が報道関係者を直接狙ったことを国際法、国際慣習への違反として非難、報道関係者の保護を訴えるとともに、レバノンに加害者の処罰を呼びかけた。

ヒズブッラーの民兵は、アイン・タンヌール村の揚水施設を砲撃した。

国防省は、クサイル市西の国境地帯で掃討作戦を開始、ヒズブッラーのアジトと化したフーシュ・サイイド村を標的としたうえで、ヒズブッラー民兵の集結地や動きを標的とすると発表した。

その後、国防省部隊は、フーシュ・サイイド村からヒズブッラーの民兵を放逐し、これを完全制圧した。

また、国防省部隊は、フーシュ・サイイド村のヒズブッラーのアジト複数ヵ所で武器弾薬、麻薬を発見した。

国防省部隊は、フーシュ・サイイド村に再び進攻しようとしたヒズブッラーの民兵を迎撃した。

国防省広報局は、レバノンの国防省との間で、国境地帯での停戦と連携・協力の強化にかかる合意を交わしたと発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム開発銀行はシリアの暫定政権の要請を受けて、同行グループへのシリアの加盟資格を復活:ヨルダン政府は、ジャービル国境通行所をほぼ終日開放(2025年3月17日)

SANAによると、イスラーム開発銀行は、シリアの暫定政権の要請を受けて、同行グループへのシリアの加盟資格を復活させた。

**

SANAによると、ヨルダン政府は、ジャービル国境通行所(シリア側はダルアー県のナスィーブ国境通行所)をほぼ終日開放すると発表した。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:15日以降、民間人57人が殺害されていたことを新たに確認したと発表、死者総数は民間人だけで1,557人に(2025年3月17日)

シリア人権監視団は、タルトゥース県とラタキア県で15日以降、民間人57人が殺害されていたことを新たに確認したと発表した。

殺害されていた民間人のほとんどはアラウィー派。

新たに確認された虐殺などでの犠牲者の内訳は以下の通り:

ラタキア県50人
ヤルティー村2人
スヌーバル村26人
アイン・アルース村18人
カブー・アワーミヤ村4人

タルトゥース県7人
タルトゥース市1人
カルトゥー村3人
マンザラ村2人
バーニヤース市1人

これにより、3月6日以降に沿岸地域で確認された虐殺の件数は54件となり、殺害された民間人の数は1,557人となった。

県別の内訳は以下の通り:
ラタキア県785人
タルトゥース県473人
ハマー県262人
ヒムス県13人

日にち・県別の内訳は以下の通り:

3月6日:1人
ヒムス県1人

3月7日:160人
タルトゥース県62人
ラタキア県98人

3月8日:366人
ラタキア県227人
タルトゥース県55人
ハマー県79人
ヒムス県5人

3月9日:303人
タルトゥース県103人
ラタキア県194人
ハマー県6人

3月10日:263人
ラタキア県79人
タルトゥース県92人
ハマー県86人
ヒムス県6人

3月11日:132人
タルトゥース県72人
ラタキア県60人

3月12日:158人
タルトゥース県49人
ラタキア県25人
ハマー県84人

3月13日:93人
タルトゥース県33人
ラタキア県52人
ハマー県7人
ヒムス県1人

3月14日:24人
タルトゥース県14人
ラタキア県10人

3月15、16日
ラタキア県50人
タルトゥース県7人

犠牲者のなかには、アラウィー派以外の宗派の信者も含まれている。

なお、民間人の他にも国防省部隊の兵士と内務省総合治安局の隊員273人、「旧体制の残党」の戦闘員259人が死亡しており、民間人の死者と合わせた死者総数は2,089人となっている。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループがアズィーズィーヤ村を強襲し、若い男性3人を殺害した。

**

シリア人権監視団によると、ラタキア県とタルトゥース県では、シリアテルとMTNの電話回線が突如として不通となった。

**

タルトゥース県では、SANAによると、内務省総合治安局がシャイフ・バドル市、クマイスィーヤ村、ブルンマーナト・マシャーイフ町一帯の名士との合意に従い、大量の武器弾薬の引き渡しを受けた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアと地域の未来を支援するためのブリュッセル9会議2025が開催され、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣:沿岸部での出来事を背景に暫定政権への支援について意見の相違が生じ、制裁解除について議論されず(2025年3月17日)

シリアと地域の未来を支援するためのブリュッセル9会議2025がベルギーのブリュッセルで開催され、アスアド・ハサン・シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣がシリアの閣僚とした初めて出席した。

**

『シャルク・アウサト』は、複数筋の話として、会議では、シリアの安定した未来を保障するための包括的な政治解決にいたるための平和的で包括的な移行プロセスや困難な生活状況、貧困、飢餓、教育の機会の喪失、医療、教育、金融などの部門でのインフラの崩壊について議論が集中し、制裁解除についての議論は行われなかった。

複数筋によると、沿岸地域で発生した出来事が影響を及ぼし、暫定政権への支援をめぐって参加国の間で意見の相違があるという。

会談に先だって、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外務大臣が国連を通じた3億ユーロの援助を誓約、また英国も1億6000万ポンドの支援を、アーガー・カーン財団は1億ユーロの供与を発表した。

米国から複数のNGOの代表らが出席したが、これまで支援額の35%を供与してきた米政府は参加しなかった。

会合の終始穏やかで、シリア復興を推し進めようとする雰囲気に包まれていたが、欧州諸国が会議で表明した支援額は、シリアの復興プロセスに必要とされる額の約3,500億~4,000億ドルの1%未満に過ぎなかった。

**

会議に関して、SANAは以下の通り伝えた。

カヤ・カラスEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長がシリアに対する制裁を解除するために前進するよう呼びかけた。

**

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、オンラインで会議に出席し、シリアに対する人道支援の拡大、制裁解除を呼びかけた。

シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は会議で以下の通り発言した。

シリア国民はアサド体制からの解放を祝ったが、この体制が存在していたために今なお苦難は続いている。
ブリュッセル会議は、シリアの苦境に対する道義的な責務であり、シリア人の苦しみを和らげるための国際的な努力を強化する真の機会である。
会議にはシリアの真の代表が参加しており、我が国は政治的な大きな変化を経験してきた。 シリア国民は、シリアの主権と統一を侵害するいかなる行為も容認せず、政府は和解と国民対話を強化し、すべての市民の権利を守ることに努めている。
旧体制は少数派の問題を悪用してきたが、再びこの問題を利用することは許されない。我々は市民権と、すべての市民に対する権利と義務の平等を信じている。
シリアの安全は、旧体制や国境地帯で活動する民兵、さらにはイスラエルの侵攻によって脅かされている。
EUが講じた制裁の一部停止を含む前向きな措置を評価するが、それでもなおシリア国民の期待には達していない。
制裁の継続は、シリア国民を罰することにほかならず、シリアの復興を妨げるもので、解除されるべきである。
シリアの再建は、国内の責任にとどまらず、国際社会全体の責務でもある。
シリア政府は、支援を必要とする人々に人道援助を届けるため、人道支援のパートナーと協力する姿勢を堅持している。
すべての支援国に対し、シリアの再建と持続可能な開発プロジェクトを支援するための積極的な貢献を求める。
避難民の帰還には、国際的な努力とシリア経済の活性化への貢献が必要である。


これに対して、EUは、シリア支援への確固たる姿勢、復興の取り組みに貢献することを確認した。

ウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員長は、シリアを支援するために25億ユーロを供与すると発表した。

**

また、SANAによると、会議開催に先だって、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣と会談し、シリア情勢の進展、両国の関係強化の方途について議論した。

さらに、SANAによると、会談の合間に、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は、カタールのマリヤム・ミスナド国際協力担当国務大臣、ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外務大臣、ルーマニアのエミル・フレゼアヌ外務大臣、英国のハミシュ・ファルコナー中北アフリカ担当国務大臣、アン・スノウシリア担当特使、ピーター・マックデルモットシリア・英国開発局長と会談した。


(C)青山弘之 All rights reserved.