イスラエルのサール外務大臣はスワイダー県のドゥルーズ派住民への人道支援物資の緊急輸送を指示(2025年7月18日)

イスラエルのギドン・サール外務大臣は、Xを通じて、スワイダー県のドゥルーズ派住民への最近の攻撃および同地域における深刻な人道状況を受けて、人道支援物資の緊急輸送を指示したと発表した。

支援総額は200万シェケルにのぼり、食料、医療機器、応急処置用器具、医薬品などが含まれている。

これらの支援はイスラエル外務省の予算から拠出されるという。

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シリア人権監視団:大統領府がダルアー県の有力者の仲介によるドゥルーズ派とベドウィン系武装グループの停戦を「承認すれば敗北を認めたことになる」として拒否(2025年7月18日)

シリア人権監視団は独自筋から得た情報として、大統領府がダルアー県の有力者の主導のもと、スワイダー県の宗教指導者や現地の指導者と、両県にまたがるハウラーン地方のベドウィンとの間で交渉されていた停戦を拒否したと発表した。

停戦は、スワイダー県住民とベドウィンとの間の衝突を終わらせる恒久的な停戦を目的としていた。

この合意は、ダルアー県の有力者たちが主導し、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・フジュリー師や他の有力勢力と連携して進められていたもので、第1段階として拘束者全員の釈放に応じ、ハウラーン地方の有力者の仲介のもとで恒久的な平和解決を目指すというものだった。

大統領府は、この交渉への対応をスワイダー県のアフマド・ダッラーティー内務治安司令官(准将)に委任し、同司令官はフジュリー師らと協議を経て大統領府に停戦合意への承認の是非を問い合わせたところ、大統領府から拒否するとの回答があったという。

拒否の理由は、合意を承認すれば、敗北を認めることになる、というもの。

大統領府はまた、スワイダー県解放のために部族を動員することには賛同していないとしつつ、「この問題を政府として扱う用意はない。地域の住民が自力で解決すべきだ」と回答したという。

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人民議会議事堂前でダイル・ザウル県出身の若者らが、国内の暴力やシリア人に対する攻撃に抗議するための平和的座り込みデモを行ったが、治安当局はこれを排除(2025年7月18日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、人民議会議事堂前で、ダイル・ザウル県出身の若者らが、国内の暴力やシリア人に対する攻撃に抗議するための平和的座り込みデモを行ったが、治安当局はこれを排除した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で、正体不明の武装グループが住民に対して至近距離から発砲し、その場で殺害した。

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ハサカ県カスラク村の有志連合基地に米軍の大規模代表団が到着(2025年7月18日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、20台余りの四輪駆動車とコンテナ2台からなる米軍の大規模な代表団は、シリア民主軍の護衛を伴い、タッル・バイダル村にある有志連合の基地を出発、カスラク村に設置されている基地に到着した。

また、イラク・クルディスタン地域から出発した燃料トレーラー、貨物車輛、軍用車輌など36台の貨物車輛からなる車列が、ワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由してシリア領内に入り、カスラク村の基地に向かった。

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クナイトラ市と県西部を結ぶ幹線道路の通称「国旗の交差点」が、イスラエル軍によってほぼ完全に掘削・撤去される(2025年7月18日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クナイトラ市と県西部を結ぶ幹線道路の通称「国旗の交差点」が、イスラエル軍によってほぼ完全に掘削・撤去され、狭い通行路のみを残すかたちとなった。

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スワイダー軍事評議会は声明を出し、スワイダー県の主要戦略拠点の大半を掌握したと発表(2025年7月18日)

ANHAシリア人権監視団によると、尊厳の男たち運動、山地旅団などからなるスワイダー軍事評議会は声明を出し、スワイダー県の主要戦略拠点の大半を掌握したと発表、残る散発的な戦闘が続く地点においても作戦を継続する方針を示した。

声明ではまた、イドリブ県などから侵入した過激派と砂漠地帯(バーディヤ)から侵入したダーイシュ(イスラーム国)の攻撃に対しても激しく応戦していると付言した。

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スワイダー県でドゥルーズ派武装勢力とベドウィン系武装グループの戦闘が激化:ヒムス県、ダイル・ザウル県、イドリブ県の部族武装グループがスワイダー県入り(2025年7月18日)

シリア人権監視団は、スワイダー県での人道状況が悪化し、スワイダー市などの都市機能が完全に麻痺しているなか、住民が水、食料品、医薬品などの基本的な生活必需品を確保するための緊急の人道回廊の開設を求めていると発表した。

また前線に近いマズラア町、カナーキル村、サアラ村などから多くの住民が避難を余儀なくされているという。

シリア人権監視団によると、サフラト・バッラータ村、ルバイン村などから避難民も流出した。

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スワイダー24によると、スワイダー県西部・北部・北東部の3つの戦線で戦闘が続き、県外からの武装グループが参集するなかで人道危機が同県で深刻化し、この数日間でスワイダー市および西・北部の村々から8万世帯以上が、ヨルダン国境地帯に向かって避難した。

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ダルアー県はフェイスブックを通じて、アンワル・ターハー・ザウビー知事の指示のもと緊急委員会が設置、スワイダー県からの避難民のニーズへの支援を行っていると発表した。

発表によると、支援はベドウィン系住民への(ドゥルーズ派の)襲撃で避難を余儀なくされえた1,000世帯以上を対象として行われており、避難民は主にブスラー・シャーム市、マアルバ町、東ガーリヤ村、フラーク市、イズラア市、ブスル・ハリール市などに身を寄せている。

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シリア人権監視団によると、ベドウィン系武装グループがズカイル村近郊に進攻、別のグループがワルガー村、マズラア村に展開、ドゥルーズ派と断続的に交戦、住民が所有する家屋や商店に放火した。

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シリア人権監視団によると、戦闘はまた、大スーラ村付近でも確認された。

シリア人権監視団によると、18日夕刻には、スワイダー市内の複数の住宅地およびドゥルーズ派武装勢力の拠点に対して、激しい砲撃とロケット弾による攻撃が加えられた。


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シリア人権監視団によると、ヒムス県の部族からなる3つの部隊が数百人規模の戦闘員を率いてスワイダー県に向かった。

また、ダイル・ザウル県からも部族の武装グループが移動を開始した。

シリア人権監視団スワイダー24によると、これら部族の武装グループは、スワイダー県東のバーリク村周辺に集結した。

このほか、イドリブ県からも武装グループがスワイダー県に向かった。

さらにダマスカス県アッバースィーン広場でも、スワイダー県に向かう武装グループが多数確認された。

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民間防衛機構(旧民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット))はテレグラムを通じて、スワイダー市内での避難任務を実施するために現地入りしていた同機構の緊急対応センター責任者であるハムザ・アマーリーン氏との連絡が途絶えたと発表した。

アマーリーン氏は18午後4時半頃に民間防衛機構の車輛でスワイダー市に入り、国連チームからの避難支援要請に対応していた。

アマーリーン氏に保護されて避難していた女性によると、同氏は、スワイダー市内のイムラーン交差点で地元の武装勢力に車を止められ、連行されたという。

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シリア人権監視団によると、7月13日に始まった一連の戦闘、即決処刑、イスラエルによる爆撃による死者数は合計で638人に達した。

内訳は以下の通り:

●スワイダー県の住民:219人、うち73人は民間人(子ども4人、女性4人を含む)
●国防省と内務省治安部隊の要員:285人(このうち18人はベドウィン)
●イスラエルの爆撃で死亡した国防省および内務省の兵士・隊員:15人
●国防省庁舎(ダマスカス県)へのイスラエルの爆撃による死者死亡:3人(女性1人と身元不明2人)
●スワイダーでの戦闘中に死亡したジャーナリスト:1人
●国防省と内務省の合同部隊による処刑の犠牲者:112人(うち女性13人、子ども3人、高齢男性1人)
●ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィンの民間人:3人(女性1人と子ども1人を含む)

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シリア人権ネットワークによると、7月13日から18日までの期間に、スワイダー県で少なくとも321人のシリア人(うち子ども6人、女性9人(そのうち1人は孫の死の報を受けて心臓発作で死亡))が殺害され、さらに436人以上が重軽傷を負ったことを明らかにした。

この数字は、同ネットワークが入手・検証した初期情報に基づいており、今後の情報更新により修正される可能性があるという。

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ロイター通信:イスラエルとシャルア移行期政権は今後2日間に限って移行期政権の軍のスワイダー県への限定的進入を認めることで合意:大統領府はスワイダー県への治安部隊の進入を否定(2025年7月18日)

ロイター通信によると、
イスラエル政府関係者は金曜日、スワイダー県で衝突が続いていることを受けて、今後2日間に限って、アフマド・シャルア移行期政権の軍(国防省部隊)の限定的進入を認めることで合意したことを明らかにした。

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SANAによると、内務省のヌールッディーン・バーバー報道官は、一部の報道機関およびテレビ・チャンネルが「治安部隊がスワイダー県に進入した」とする不正確な情報を流していると指摘、「この件に関して、いかなる公式声明も出されておらず、報道された内容は完全に事実無根である」と述べた。

なお、同報道において、SANAは、スワイダー県での衝突について、「遊牧民部族とヒクマト・ヒジュリーに属する武装グループとの衝突」と評した。

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ドイツのヴァーデフール外務大臣:「宗教的または民族的な迫害を防止することを条件に、シリア暫定政府を支援する用意がある」(2025年7月18日)

ドイツのヨハン・ヴァーデフール外務大臣は、『ラ・プロヴァンス』の取材に応じ、そのなかでスワイダー県での衝突に対して「非常に懸念を抱いている」としたうえで、ドイツとして、宗教的または民族的な迫害を防止することを条件に、シリア暫定政府を支援する用意があると発言した。

ヴァーデプフル外務大臣外務大臣はまた、フランスのジャン=ノエル・バロ外務大臣との共同記者会見で以下の通り述べた。

このシリアの暫定政府がドイツの支援を得るためには、シリアにおける包括的なプロセスに取り組み、人々を保護し、特定の宗教や民族的背景を理由に迫害されたり、最悪の場合殺害されたりすることを許さない姿勢を示す必要がある。それがドイツ政府の責任であり、それを担わねばならない。

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SANAによると、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・ビン・アブドゥッラー外務大臣は、マルコ・ルビオ米国務長官と電話会談を行い、イスラエルによるシリアへの攻撃および内政干渉を改めて非難した。

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SANAによると、マレーシア外務省は、イスラエルによるシリア領内への爆撃を強く非難し、シリアの主権に対する明白な侵害であると強調した。

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ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はXを通じて、以下のように発信した。

昨夜、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談した。暴力の継続と民間人を標的とした行為に対して深い懸念を抱いている。すべてのコミュニティの保護と説明責任の確保、そして自制の必要性を強く訴えた。

また別のポストでこう続けた。

安定と市民的な平和が優先されなければならない。報復は避けるべきだ。イスラエルによる挑発的な違反行為は、直ちに停止されるべきだ。シリアにおける信頼できる、秩序ある、かつ包摂的な政治的移行が最優先事項であるべきだ。

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大統領府はスワイダー県のすべての当事者に自制を求める:アブド・ラッブフ経済省第1顧問はスワイダー県での衝突を受けて辞任を発表(2025年7月18日)

大統領府はフェイスブックなどを通じて声明を出し、スワイダー県で続くドゥルーズ派とベドウィン系武装グループとの衝突について、発表した。

民間人を尊重し、その安全を確保することが国家としての義務だとしたうで、「報復の論理ではなく、社会的平和を重んじる」という原則に基づいて政府が行動していると主張、すべての当事者に対して自制と理性ある対応を呼びかけた。

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SANAによると、ムスアブ・アリー保健大臣は、スワイダー県での衝突で負傷した人々の健康状態を確認するため、ダマスカス郊外県のシャイフ・ムハンマド・ビン・ザーイド病院を視察した。

同病院のスライマーン・アミーン院長によると、18日だけで約39人の負傷者と7人の死亡者を新たに受け入れ、その一部を別の病院に移送した。

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SANAによると、シリア赤新月社、民間人とボランティアの中立確保と保護を要請
シリア・アラブ赤新月社は、スワイダー県での衝突に対応するための人道的任務を遂行していたボランティア、車輛、施設に発砲や焼き討ちといった違反行為が行われているとしたうえで、遺憾の意を表明した。

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ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣は、Xを通じて、スワイダー県での衝突に対応するため、
緊急事態災害省が民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)、地元の人道団体および公共サービス機関の代表者らとともに合同作戦室を設置、7月17日の朝までに、570人以上の負傷者を救護し、87人の遺体を搬送、何百世帯をより安全な地域へ避難させたと発表した。

この緊急対応には、民間防衛機構の訓練を受けた90人のボランティアが参加し、17台の救急車、22台以上の避難用バス、10台の多用途車輌、6台の消火支援車輌、さらに後方支援用の輸送車輌が投入されているという。

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SANAによると、高等ファトワー評議会は、スワイダー県で続く衝突について、敵であるイスラエルに助けを求めること、子どもや女性の殺害、市民や弱者への攻撃、彼らの居住地からの強制的な追放、すべての宗派への攻撃、宗派対立を煽る煽動的な言説を禁じ、国民の保護を義務とし自、生命、名誉、財産を守るための自己防衛を合法とみなし、弱者、誘拐された者への支援を美徳とするファトワーを発出した。

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スィーマ・アブド・ラッブフ経済省第1顧問は、フェイスブックを通じて、スワイダー県で続く衝突に関連して自身がソーシャルメディア上で中傷や罵倒を受けたことに抗議し、辞任を発表した。

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