アクシオスは、ドナルド・トランプ米政権がイスラエルによるシリアの首都ダマスカス爆撃に不満を募らせていると伝えた。
ホワイトハウスの高官の1人は、アクシオスに対して、「ビビ(ベンヤミン・ネタニヤフ首相の愛称)は狂人のようだ。常に何かを爆撃している」、「これはトランプが進めようとしていることを台無しにしかねない」などと述べたという。
別の高官も、「ネタニヤフはまるで言うことを聞かない子どものようだ」と述べた。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、Xを通じて以下の通り発表した。
敵対行為の激化を抑えるためには、暴力の停止、無辜の人々の保護、人道的支援の許可、そして危険からの退避に関する合意が不可欠である。ダマスカス時間の17時現在、すべての当事者が停戦と敵対行為の停止に合意し、実行に移している。今後、包摂的かつ持続的な緊張緩和への道のりの基礎となる次の一歩は、人質および拘束者の完全な交換であり、その実施に向けた手続きが現在進行中である。
Escalating hostilities can only be contained with an agreement to pause violence, protect the innocent, allow humanitarian access, and step back from danger. As of 17:00 Damascus time, all parties have navigated to a pause and cessation of hostilities. The next foundation stone…
— Ambassador Tom Barrack (@USAMBTurkiye) July 20, 2025
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マルコ・ルビオ米国務長官は、スワイダー県で続く衝突について、Xを通じて以下の通り伸べ、ダーイシュ(イスラーム国)の再台頭とイランの再浸食に警戒心を示した。
米国はこの3日間、シリア南部で起きている恐ろしく危険な事態に対し、イスラエル、ヨルダン、ダマスカス当局と密接に連携してきた。
現在も続いている、罪なき人々に対する強姦や虐殺は、直ちに終わらせなければならない。
もしダマスカス当局が、ダーイシュやイランの支配から解放された、統一的で包摂的かつ平和なシリアを実現する可能性を少しでも残したいのであれば、この惨事を終わらせるべく、治安部隊を使ってダーイシュやその他の暴力的なジハード主義者がこの地域に侵入し、虐殺を行うのを阻止しなければならない。そして、自らの部隊を含め、残虐行為に関与した者をすべて法の下に裁き、責任を取らせなければならない。
さらに、ドゥルーズ派とベドウィン系部族との間で、内部で起きている戦闘も、即座に停止されなければならない。
The U.S. has remained heavily involved over the last three days with Israel, Jordan and authorities in Damascus on the horrifying & dangerous developments in southern Syria.
The rape and slaughter of innocent people which has and is still occuring must end.
If authorities in…
— Marco Rubio (@marcorubio) July 20, 2025
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在シリア米国大使館は、シリアに対する渡航勧告は「レベル4:渡航中止勧告」のままだとしたうえで、自力でシリアを出国できる場合は、直ちに出国するよう求めた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県中部、ゴラン高原のマンタラ・ダム近くの公園一帯で大規模部隊を展開させた。
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シリア人権監視団によると、イスラエル空軍の戦闘機が、スワイダー県西部のアリーカ村、ダルアー県北西部のナワー市、クナイトラ県のハーン・アルナバ市の上空に飛来した。
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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の有人戦闘機および無人航空機は、ベドウィン・部族系武装勢力が攻撃を開始したのに合わせて、爆撃は、マズラア町とアリーカ村を結ぶ道路、ダウル村とマズラア町を結ぶ道路、ウンム・ザイトゥーン村一帯、スワイムラ村近くに対して集中して行われた。
また、ダーマー村も無人航空機によるとみられる爆撃を受けた。
一方、イスラエルのヘリコプターがスワイダー県の上空を飛行し、住民に向けて物資を投下したとの情報もある。
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シリア人権監視団は、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊(新シリア軍)に合流したシリア国民軍所属のスルターン・スライマーン・シャー師団(通称アムシャート師団、現在はシリア軍第62旅団に再編)のメンバーで、ドゥルーズ派武装勢力に捕虜として捉えられたとする男性の証言ビデオを入手したと発表した。
この男性は、自身が同旅団の兵士であることを認めたうえで、スワイダー県への襲撃に、ウズベク人やトルキスタン人といった外国人戦闘員200人から300人が加わり、その一部は爆発物処理や軍事工学の専門家だったと証言した。
また、スワイダー県での作戦開始に先立って、ハマー県のアシャーリナ村方面から約800台の軍用車輌が集結し、ダルアー県を経由して、スワイダー県のウルガー村を通過、スワイダー市内に進入したという。
この男性はさらに、「捕虜にしたドゥルーズ教徒は全員殺害または斬首せよ」との指示を受けていたと証言、これを「宗派大量虐殺の方針」と評したという。
男性によると、作戦指揮者らは国防省直属部隊であることを意図的に隠し、イスラエルによる爆撃の標的になることを回避しようとした。
また、攻撃には、内務省治安部隊も参加、地元のベドウィン系武装集団が主体をなすような報道内容を否定した。
証言の最後で、男性は自発的に投降し、武器と軍服を差し出したことを明かし、拘束後は良好な扱いを受けており、ビデオ撮影は拘束当日に行われたと付け加えた。
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ANHAによると、スワイダー軍事評議会は国際世論に向けて声明を出し、スワイダー県で無辜の民間人に対する忌まわしい人道的侵害と蹂躙が繰り返されているとしたうえで、これを「ダーイシュ(イスラーム国)およびヌスラ戦線(現アフマド・シャルア移行期政権)による過去の攻撃の延長線上にある」と非難した。
また、停戦合意が成立したとの一連の発表にもかかわらず、「現場では何の効果も見られず、同胞の血が抑止されることなく流されている」と指摘、アフマド・シャルア移行期政権の対応について、「これまでに誠意ある応答や具体的な対応は何ひとつ得られていない」と失望を露わにした。
そのうえで、スワイダー軍事評議会は、独立した報道機関および国際的な専門委員会に対して、ドゥルーズ派住民に対する集団虐殺の犯罪を緊急に記録・調査するよう強く求めたるとともに、引き続き抵抗を続けスワイダー県を防衛すると表明した。
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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、停戦合意が成立したにもかかわらず、19日深夜から20日未明にかけて、シャフバー町とウンム・ザイトゥーン村を結ぶ街道沿線で、散発的な交戦が確認された。
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シリア人権監視団によると、ベドウィンや部族からなる武装勢力がアリーカ村、リーマ村、ハーズィム村、シャフバー町を攻撃、ドゥルーズ派武装勢力との間で戦闘となった。
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シリア人権監視団によると、このうちアリーカ村に進攻した部族系武装勢力に関しては、スワイダー県に至るすべての街道を封鎖しているシャルア移行期政権当局が意図的に進入を許したとの疑問が噴出しているという。
停戦合意の成立を受けて、アフマド・シャルア移行期政権の内務省治安部隊は、緊張緩和のため、スワイダー県に通じる道路に土嚢や盛り土によるバリケードを設置し、これを封鎖し、各地の部族系武装勢力の進入・参戦を阻止、救急車を除く車輌の通行を遮断している。
なお、ドゥルーズ派武装勢力は戦闘の末、アリーカ村、リーマ村、ハーズィム村を制圧した。
一方、捕虜交換が予定されていたウンム・ザイトゥーン村では、ベドウィン・部族系武装勢力が進攻、ドゥルーズ派武装勢力と戦闘となった。
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シリア人権監視団によると、ベドウィン・部族系武装勢力がウンム・ザイトゥーン村を砲撃、これを受けて捕虜交換の実施は見送られた。
捕虜交換の2段階からなり、第1段階は19日にドゥルーズ派の女性4人とベドウィン側の若者1人がそれぞれ解放されたが、20日に予定されていた第2段階は中止された。
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シリア人権監視団によると、ブスターン村、ダーマー村、ナジュラーン村でベドウィン・部族系武装勢力の大規模集結が確認された。
この動きは、近隣村落への新たな進攻の準備と見られる。
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SANAによると、民間防衛機構(旧民間防衛隊、ホワイト・ヘルメット)は声明を出し、7月16日にスワイダー市内で消息を絶った緊急対応センター責任者であるハムザ・アマーリーン氏の即時釈放を、同市の関係当局に対して改めて強く求めた。
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シリア人権監視団によると、7月13日(日)以降の戦闘や処刑による死者は1,120人に上っている。
内訳は以下の通り:
●スワイダー県民:531人(うち民間人104人、子ども6人、女性16人)
●国防省・内務省総合治安局関係者:373人(うちベドウィン18人、レバノン国籍戦闘員1人含む)
●国防省・内務省職員:15人(イスラエルの爆撃により死亡)
●市民3人(うち女性1人、不明者2人。イスラエルの国防省庁舎への爆撃で死亡)
●報道関係者1人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
●国防省・内務省関係者による処刑:194人(うち女性28人、子ども8人、高齢男性1人)
●ドゥルーズ派武装勢力による処刑:3人(ベドウィンの女性1人と子ども1人含む)
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ABC Newsによると、国連国際移住機関(IOM)によれば、今回の戦闘により計128,571人が避難を強いられているという。
このうち、前日(7月19日)に避難したのは43,000人は達するという。
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SANAによると、保健省は、前日の停戦合意を受けるかたちで、スワイダー県に医療支援車輌隊を派遣した。
車輌隊には、完全装備の救急車20台、専門医療チーム、大量の医薬品および救急資材が含まれており、停戦合意を受けて設置された回廊を通じて、早朝にスワイダー国立病院に向けて出発した。
ムスアブ・アリー保健大臣によると、車輌隊は数日前に準備されていたが、イスラエル軍の爆撃で派遣ができずにいたという。
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しかし、SANAによると、「ヒクマト・ヒジュリーに属するグループ」が車輌隊の進入を阻止した。
保健省のアフマド・アブドゥッラー広報局長はSANAに対して、車輌隊が「ヒクマト・フジュリーによって受け入れを拒否された」としたうえで、アラブ赤新月社の支援物資搬入の搬入のみが認められ、車輌隊は、アリー保健大臣、ヒンド・カバワート社会社会問題労働大臣、ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣ら保健省、社会問題労働省、緊急事態災害省の関係者らからなる代表団とともに首都ダマスカスに引き返したと説明した。
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シリア人権監視団によると、人道支援物資を積んだトラックなどからなる車列が、ダルアー県のブスラー・シャーム市とスワイダー県のバカー村を結ぶ街道を通じて、スワイダー県内に入り、スワイダー市方面とサルハド市訪問に向かった。
この車列は、アフマド・シャルア移行期政権の治安部隊を護衛として伴わないとの条件のもと、受け入れを認められた。
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シリア外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、「ヒクマト・ヒジュリーに属する違法武装勢力」がスワイダー県への車列隊の立ち入りを阻止したことを強く非難した。
また、スワイダー県の治安の悪化は、イスラエルの露骨な介入と、それに伴うシリアの治安部隊の撤退によるものだと非難した。
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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を出し、スワイダー県に届けられた人道支援を提供した国際機関や団体に謝意を示すとともに、スワイダー県に対する攻撃の即時停止、暴力と憎悪を煽ることを目的とした偽情報や悪意ある噂の流布の中止を改めて求めた。
また、別の声明では、民間人に対する殺害、略奪行為が続いていることを受けて、以下の通り要求した。
スワイダー県のドゥルーズ派住民を襲った痛ましく悲劇的な出来事、そして無辜の民間人に対して行われた凄惨な虐殺を受けて、我々は改めて以下の要求を表明する:
●あらゆる軍事攻撃の即時停止。ダマスカス政府に属するすべての部隊(軍、治安機関、民兵)を、山岳(ジャバル・ドゥルーズ)地帯およびその周辺の町村から完全に撤収させること
●住民どうしの連絡・連携を確保し、人質の交換および即時解放を可能にするため、インターネットおよび通信手段の緊急的な復旧。合意の成功と安全な履行を保証するため、関係各国による国際的保証のもとで実施すること我々はスワイダー全域の住民に対し、この目的の達成に向けて最大限の責任感と協力精神を持って臨むよう呼びかける。
本件(捕虜交換)は本日午後6時、ウンム・ザイトゥーン村の広場にて実行に移されるべきである。
すべては、我々の息子、娘たち、そして子供たちが平穏無事に戻ってくるために。
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SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会からの最終報告書を受け取った。

رئيس الجمهورية العربية السورية السيد أحمد الشرع يتسلم التقرير النهائي للجنة الوطنية للتحقيق وتقصي الحقائق في أحداث آذار المنصرم بالساحل السوري، وذلك بعد إنهاء عملها.#رئاسة_الجمهورية_العربية_السورية pic.twitter.com/20zkYsMFoj
— رئاسة الجمهورية العربية السورية (@SyPresidency) July 20, 2025
بيان حول تسلّم رئيس الجمهورية التقرير النهائي بشأن أحداث الساحل#رئاسة_الجمهورية_العربية_السورية pic.twitter.com/CPkIi4TaXq
— رئاسة الجمهورية العربية السورية (@SyPresidency) July 20, 2025
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アン・スノウ英シリア特使は、Xを通じて、以下の通り綴った。
私がこの発言から受け取った明確なメッセージは、現在南部で行われているものを含め、あらゆる犯罪に対して説明責任が問われるということだ。
すべてのシリア人は保護されなければならず、すべてのシリア人は自らの行動に説明責任を負わなければならない。
What I take from this is a clear message that there will be accountability for all crimes, including those currently being perpetrated in the south.
All Syrians must be protected and all Syrians must be held accountable for their actions. https://t.co/bjkGO8UdyU
— Ann Snow (@UKSyriaRep) July 20, 2025
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