イスラエル軍特殊部隊がダマスカス郊外県で空挺作戦を実施(2025年7月4日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が、レバノンとの国境に近いヤアフール町からヘルモン山(シャイフ山)に近いカルアト・ジャンダル村にいたる広範囲に新たな軍事行動を行った。

とりわけイスラエル軍は、レバノンのユフムル村(ナバティーヤ県)に対面するラフラ村、カルアト・ジャンダル村近郊の旧シリア軍第36連隊の基地や兵舎に特殊部隊を侵攻させた。

これらの拠点は、かつてレバノンのヒズブッラーが利用していたもの。

さらに、ヤアフール村上空ではイスラエル軍のヘリコプターの飛行が確認された。

これに関して、ANHAは、地元消息筋の話として、イスラエル軍の特殊部隊が5時間にわたって空挺作戦を実施したと伝えた。

同消息筋によれば、ヤアムール村上空では、前政権の共和国護衛隊の拠点などがある一帯に3機のヘリコプターが飛行し、その後、爆発音が聞こえた。

特殊部隊は、捜索を終えた後撤収した。

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ラタキア県カスタル・マアーフ区とダマスカス県人民宮殿近くの森林地帯で火災が発生(2025年7月4日)

ラタキア県では、SANAによると、カスタル・マアーフ区で大規模な火災が発生し、消防隊および民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)が、消火活動にあたった。
アブドゥルカーフィー・キヤール県緊急事態災害局長は、SANAの記者に対して、消火活動を妨げる主要な課題として、同地に残存する地雷や未爆発弾、火元へのアクセスの困難さ、そして強風によって火災が新たな森林地帯に拡大していることを挙げた。
火災の拡大を受け、ラマーディーヤ村、ビイル・カスブ村、ザンザフ村、バスィート村で複数の住民が避難した。

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SANAによると、

ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣は、火災発生を受けて現地を現地視察を行った。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、人民宮殿近くの森林地帯で火災が発生した。

火災の原因は今のところ不明。

ANHAによると、火元は、大統領府に併設されている公園内の屋外レストランから上がったと見られるが、出火の原因は不明。

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シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受けて、ハサカ県フール町南のトラーヒミーヤ村で強制捜索作戦を実施、ダーイシュとつながりがあるとされる3人を逮捕(2025年7月4日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が、米主導の有志連合の支援を受けて、3日深夜から4日未明にかけて、フール町南のトラーヒミーヤ村で強制捜索作戦を実施、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあるとされる3人を逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ズィーバーン町で何者かが撃った銃の流れ弾で男性1人が死亡した。

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ヨルダン関税総局は、2024年12月16日から2025年7月2日までの間にシリアへ入国したヨルダンの貨物車輛の数が約31,434台に達したと発表(2025年7月4日)

SANAによると、ヨルダン関税総局は、2024年12月16日から2025年7月2日までの間に、シリアへ入国したヨルダンの貨物車輛の数が約31,434台に達したと発表した。

同局のデータによると、シリアへの輸出量が最も多かったのは建設部門で、17,535台の貨物車輛が建設作業に必要な各種資材を輸送した。次に多かったのは農業部門で2,323台、工業部門が2,289台、食品部門が1,265台、その他が8,022台。

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ラタキア県ブルジャーン村、ダマスカス郊外県ディーマース町、ヒムス県ハサン・ビン・ハイサム研修キャンプでアラウィー派が相次いで襲撃・拉致・殺害され、ラタキア県で抗議デモ発生(2025年7月4日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループが、ブルジャーン村周辺の農地で作業をしていたアラウィー派の若い男性2人に対して、至近距離から銃撃を加えた。

この襲撃により、2人のうち1人はその場で死亡、もう1人は近くの病院に搬送された。

シリア人権監視団によると、この襲撃事件を受けて、住民が平和的な抗議行動を行い、襲撃者の身元を明らかにし、責任を追及するよう要求する一方、こうした事件が相次いでいるにもかかわらず、関係当局からの明確な対応がないことに不満を表明した。

これに対して、シリア人権監視団によると、地元当局と有力者らが、国防省の憲兵隊とともに、ブルジャーン村の検問所に配置されていた要員らを逮捕、内務省総合治安局の要員がこれに代わって検問所に配置された。

一方、この事件を受けるかたちで、シリア人権監視団によると、バイト・ヤーシュート村では住民らが地域の治安維持を求める平和的な抗議集会を行った。

参加者らは、「我々は皆、法の下にある」「アッラーの名のもとに我々を殺すな、恥を知れ」、「我々の女性たちはレッドラインだ」などと書かれたプラカードが掲げ、公共の安全と生命の保護のために、治安強化と関係当局の継続的な治安維持の必要性を訴えるとともに、犯人の追跡と逮捕、そして正義の実現を求め、処罰の回避があってはならないと強調した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区で2日前に正体不明の武装グループによって銃撃され、重傷を負っていた若者が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ディーマース町の集合住宅地で、治安当局の制服を着た武装グループにより2日に拉致されていた1人と1日に何者かによって拉致されていた1人が殺害され、遺体で発見された。

殺害された2人はいずれもアラウィー派。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ザイズーン・ダム西で、身元不明の遺体が発見された。

また、シリア人権監視団によると、イスリヤー村に至る街道沿線で、ダイル・ザウル県方面に向かっていた国防省の部隊が正体不明の武装グループの襲撃を受け、兵士1人が殺害され、また第86旅団(旧スルターン・スライマーン・シャー旅団(アムシャード旅団)の兵士1人が行方不明となった。

シリア人権監視団によると、死亡したのは2名で、行方不明となっていた1人はその後無事発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハサン・ビン・ハイサム研修キャンプ(大学の施設)で、2日に治安当局によって拘束されたアラウィー派の夫婦の遺体が発見された。
遺体には即決処刑されたと見られる銃撃の痕跡があった。

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シャイバーニー外務在外居住者大臣と米国務大臣が電話会談で、米国の制裁解除、化学兵器の問題、イランの介入、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」、イスラエルの違反行為、そして二国間の外交関係について協議(2025年7月4日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣とマルコ・ルビオ米国務大臣が電話会談を行い、両国共通の関心事、とりわけ米国の制裁解除、化学兵器の問題、イランの介入、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」、イスラエルの違反行為、そして二国間の外交関係について協議した。

シャイバーニー外務在外居住者大臣は、シリアは米国と協力して、制裁、とりわけシーザー・シリア市民保護法(シーザー法)の解除に取り組むことを望んでいると強調、両者はこの法律の継続が、長期的にシリアへの企業や投資家の経済関与を妨げていることを確認した。

また、アフマド・シャルア暫定大統領の国連総会への出席についても話し合われた。

一方、ルビオ国務長官は、ドナルド・トランプ大統領の指示のもとで米国がシリアへの制裁を解除する作業を続けており、今後数ヵ月間に議会と協力してシーザー法を撤廃することに取り組んでいると強調した。

両者はまた、化学兵器の問題に関する特別委員会の設置に向けて共同調整することを確認した。

シリアにおけるイランの脅威に関して、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は最近のイランとイスラエルの交戦を受けて、イランによるシリア内政への干渉の試みが高まっていることへの懸念を表明し、ルビオ国務長官もこれに同調した。

テロ対策の分野では、マール・イリヤース教会に対する自爆テロ事件に言及、ダーイシュが依然として脅威であることが確認、ルビオ国務長官は情報共有などを通じてシリアの対応力の強化に関与することを約束した。

さらに、シリア南部に対するイスラエルの侵攻・攻撃についても協議され、シャイバーニー外務在外居住者大臣は、1974年の兵力引き離し協定への復帰に向けて米国との協力を望んでいると述べたのに対し、ルビオ国務長官は、シリアの分裂や内戦への回帰がこの地域にとってもっとも有害なことであると述べた。

会談の締めくくりとして、米国はダマスカスの大使館を再開する意向を表明し、シャイバーニー外務在外居住者大臣に早期のワシントンDCへの訪問を正式に求めた。

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