内務省はヒズブッラーにつながりがあるテロ容疑者を拘束したと発表:ヒズブッラーは容疑者との関係を否定(2025年7月14日)

シリア内務省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、ヒムス県で総合情報機関が県の内務治安司令部と連携し、特殊治安作戦を実施、テロ攻撃を計画していたマフムード・ファーディル容疑者を拘束したと発表した。

声明によると、初期捜査の結果、ファーディル容疑者はレバノンのヒズブッラーに属する細胞と関係があることが判明、押収された爆発物は、不法な密輸ルートを通じて受け取ったものであることが判明したという。

NNAによると、これに対して、ヒズブッラーの広報部門は声明を出し、ファーディル容疑者がヒズブッラーとつながりがあるとの内務省の発表を断固として否定、ヒズブッラーはシリアでいかなる活動もしておらず、同国での事件や紛争とも無関係だと主張した。

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シリア民主軍はイブラーヒーム・ハフル氏が率いる部族軍のメンバーだった5人を拘束:内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所がダーイシュの武装グループに襲撃され、隊員5人が死亡(2025年7月14日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がジャルズィー村とズィーバーン町で家宅捜索などの治安作戦を実施し、アカイダート部族の指導者の1人イブラーヒーム・ハフル氏が率いる部族軍のメンバーだった5人を拘束した。

シリア人権監視団によると、ズィーバーン町では、シリア民主軍のパトロール部隊が燃料を密輸しようとしてた車輛を押収しようとして攻撃、その際に住民1人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダシーシャ村にいたる街道に設置されている北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所が、ダーイシュ(イスラーム国)の武装グループに襲撃され、隊員5人が死亡した。

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米軍の輸送機1機がハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に軍用物資および兵站物資を輸送(2025年7月14日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の輸送機1機が13日深夜から14日未明にかけて、ハッラーブ・ジール村にある有志連合の基地に軍用物資および兵站物資を輸送した。

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ハマー県でムルシド派の宗教行事を武装グループが襲撃し、女性1人を含む4人が負傷(2025年7月14日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原地方のジャイイド村で行われていたムルシド派の宗教行事を武装グループが襲撃し、住民に向けて無差別に発砲、手りゅう弾を投げつけ、女性1人を含む4人を負傷させた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナバク市で内務省の内務治安司令部のパトロール部隊が正体不明の武装グループの襲撃を受け、隊員1名が負傷した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局がフライバート村にあるキリスト教会の近くでテロ攻撃を準備していた3人を逮捕、20キロにおよぶ爆発物のほか、マイノリティ宗派を攻撃する内容のビラなどを押収した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市で、内務省総合治安局の隊員が、住民宅に手榴弾2発を投げ込む事件が発生した。

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イスラエル軍はスワイダー県に進行したシャルア移行期政権国防省の部隊を爆撃:ドゥルーズ派の保護を主張(2025年7月14日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が県上空に飛来した。

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SANAによると、イスラエル軍の航空機が、スワイダー県のマズラア町一帯に対して2回、カナーキル村一帯に対して1回の爆撃を実施し、物的被害が発生した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の爆撃は、アフマド・シャルア移行期政権のシリア国防省に所属する部隊の集結地や軍用車輌を狙ったもの。

ANHAによると、この爆撃と前後して、マズラア町、カナーキル村、タッル・ハディード村に展開していたアフマド・シャルア移行期政権傘下の武装グループが撤退した。

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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:イスラエル軍は先ほど、シリア南部スワイダー県のサミーア村一帯で複数の戦車を攻撃した。続報あり。

アドライ報道官はまた、Xを通じて、以下の通り発表した。

速報:本日早く、サジーン村とサミーア村間の地域で複数の戦車が確認され、それらがスワイダー市方面に向けて移動していた。
イスラエル国防軍は、それらの戦車の到達を阻止するため攻撃を実施した。

●このような兵器がシリア南部に存在することは、イスラエル国家に対する脅威となり得る。
●イスラエル軍は、シリア南部における軍事的脅威の存在を決して許容せず、それに対抗して行動を取る。また、同地域の情勢を今後も注視し続ける。

一方、タイム・オブ・イスラエルによると、イスラエル・カッツ国防大臣は、この爆撃について「シリアの体制へのメッセージであり明確な警告だ、我々はシリアのドゥルーズ派に危害を加えることを許さない」と述べた。

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ハダス・チャンネル(アラビーヤ・チャンネル)は、イスラエルの治安当局者の話として、同国がダルアー県およびスワイダー県に地上侵攻するつもりはなく、ドゥルーズ派を守るため、ダマスカス(アフマド・シャルア移行期政権)と連携して措置を調整していると伝えた。

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シリア人権監視団は、イスラエルがアフマド・シャルア移行期政権に対して、国防省の部隊が掌握したシリア南部の地域から、14日12時までに完全に撤退するよう求めたと発表した。

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シリア人権監視団によると、2025年に入って以降、イスラエル軍はシリア領内を62回にわたって攻撃している。

うち52回が爆撃、10回が地上攻撃で、これにより弾薬庫、司令部、拠点、車輌などおよそ92ヵ所の標的が破壊または損傷を受けた。

また、攻撃による死傷者は以下の通り。
●シリア軍事作戦総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局および国防省所属の兵士:9人死亡、21人負傷
●身元不明者:3人死亡(うち2人はレバノン国籍)
●民間人:15人死亡、3人負傷
●武装した民間人:9人死亡

県別の爆撃の回数と死者は以下の通り:
●アレッポ県:7回
●ダマスカス県およびダマスカス郊外県:17回(民間人2人、身元不明3人(うちレバノン人2人、兵士2人死亡)
●スワイダー県:4回
●ヒムス県:8回(うち2回はシリア・レバノン国境の非公式の通行所)
●クナイトラ県:6回(民間人1人、シリア軍事作戦指令部の兵士2人死亡、1人負傷)
●ダルアー県:8回(民間人4人、シリア軍事作戦指令部の兵士1人死亡、その他負傷者)
●タルトゥース県:2回
●ラタキア県:4回(民間人1人死亡、3人負傷)
●ハマー県:2回(シリア軍事作戦指令部所属4人死亡)

県別の地上攻撃の回数と死傷者は以下の通り:
●ダルアー県:5回(武装した民間人16人死亡、2人負傷)
●ダマスカス郊外県:1回
●クナイトラ県:4回

なお、アサド政権が崩壊した2024年12月8日から同年末までの間に、イスラエル軍はシリア国内の軍事拠点に対して約500回の爆撃を実施しており、旧シリア軍の主力兵器は事実上壊滅した。

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シリア民主軍、シリア民主評議会、北・東シリア地域民主自治局はスワイダー県でのドゥルーズ派住民とシャルア移行期政権に近い部族武装グループによる衝突を非難(2025年7月14日)

ANHAによると、シリア民主軍は声明を出し、スワイダー県でのドゥルーズ派住民とアフマド・シャルア移行期政権に近い部族武装グループによる衝突を非難、攻撃を即時に停止するよう呼びかけるとともに、シリア国民のすべての構成要素の意思を反映したかたちでの問題解決に向けた、国内主導による対話を呼びかけた。

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ANHAによると、シリア民主軍の政治部門に位置づけられるシリア民主評議会も声明を出し、すべての当事者に対して、即時の沈静化、自制、そして武力による解決ではなく建設的な対話を優先するよう呼びかけた。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局も声明を出し、住民に対する直接的な攻撃や安全を脅かす脅迫行為を厳しく非難、シリアの統合と国民の安全を重視するすべての勢力に対し、こうした行為と攻撃を止め、社会的平和と国民への誓約を守るために団結するよう呼びかけた。

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シャルア暫定大統領はサウジアラビアのアブドッゥラー・ビン・アリー・ドゥバイヒー投資省副大臣と会談(2025年7月14日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は首都ダマスカスの人民宮殿でサウジアラビアのアブドッゥラー・ビン・アリー・ドゥバイヒー投資省副大臣と会談、二国間の投資協力の展望とその拡大に向けた具体的な方策について議論した。

シャイバーニー外務在外居住者大臣はブリュッセルでカッラスEU外務・安全保障政策上級代表と会談
SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、地中海連合会合に出席するためにベルギーのブリュッセルを訪問し、欧州連合(EU)のカヤ・カッラス外務・安全保障政策上級代表と会談、シリアとEUの関係強化のための方策や、共通の関心を有する諸分野における協力の拡大について意見を交わした。

SANAによると、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣はまた、記者団らに対し、地中海連合の会合に参加し、加盟資格を再活性化させることに成功したとしたうえで、EUとの間には、安全保障、投資、復興の分野で戦略的パートナーシップを築くための大きなチャンスがシリアを待っている」と語った。

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人民議会選挙高等委員会はトルコ、アラブ諸国の外交団代表と会合を行い、選挙プロセスの各段階について説明(2025年7月14日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、首都ダマスカスにある人民議会議事堂でレバノン、ヨルダン、トルコ、カタール、サウジアラビア、UAE、オマーン、バーレーン、パレスチナなどの外国の外交団代表らと会合を行い、選挙プロセスの各段階について説明した。

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スワイダー県でのドゥルーズ派と部族の衝突にシャルア移行期政権が介入、ドゥルーズ派側は総動員令を発出:死者は99人に(2025年7月14日)

スワイダー県では、首都ダマスカスとスワイダー市を結ぶ街道で13日に発生した強盗事件に端を発するドゥルーズ派住民とアフマド・シャルア移行期政権に近い部族の衝突は15日も続いた。

シリア人権監視団によると、戦闘は、カナーキル村、サーラ村、マズラア町一帯で激しく行われ、ドゥルーズ派の民兵が、部族および国防省・内務省の混成部隊による攻撃に対して激しく抵抗した。

部族武装グループおよび国防省の部隊が駐留するダルアー県の東ムライハ村からスワイダー市に向けて砲撃が行われた。

14日に始まった一連の戦闘で、死者は、子ども2人と女性2人を含む99人に達した。

内訳は以下の通り:
●住民:60人(子ども2人、女性2人を含む)
●部族:18人
●国防省の兵士:14人
●軍服を着た身元不明者:7人

このほか、200人近い負傷者がスワイダー国立病院に搬送されており、医療物資の深刻な不足のなか、医療スタッフが総力を挙げて対応にあたっている。

SANAによると、事態を受けて、シャルア移行期政権の国防省の部隊および内務省の治安部隊が、衝突の鎮静化と住民の保護を目的として、ダウル村に展開した。

また、SANAによると、県内農村地帯のそれ以外の村々にも、両省の部隊が展開した。

一方、シリア人権監視団によると、国防省の部隊がスワイダー市中心部から3キロの地点に位置するワルガー村に集結、同市への侵攻の構えを見せた。

これに対して、ドゥルーズ派民兵は、「シャーヒーン」の名で知られる無人航空機(偵察機)を撃墜する一方、市内の有力者らや住民は、スワイダー市の開城に断固反対の姿勢を見せた。

また、スワイダー24によると、スルターン・アトラシュの孫のアミール・ハサン・ヤフヤー・アトラシュ氏がイラー村で声明を出し、総動員を呼びかけるなど、抵抗の構えを示している。


なお、イナブ・バラディーによると、国防省部隊はマズラア町、サーラ村、タッル・ハディード村一帯を制圧した。

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ANHAは、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師が暗殺未遂に遭遇したが、一命を取り留めたことが本日明らかとなったと伝えた。

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Suwayda 24によると、マクワス村に拘束されていた誘拐被害者たちが解放され、ドゥルーズ派の宗教指導者の1人であるユースフ・ジャルブーウ師の邸宅に到着した。

 

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外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、深刻な緊張の激化に深い遺憾の意を表明し、すべての地域勢力に対して即時に暴力行為を停止し、違法な武器を引き渡し、内乱をあおる勢力の企図を挫くようを呼びかけた。

また、すべての国や国際機関に対して、シリアの主権を尊重し、いかなる分離主義的勢力に対しても支援も行わないよう改めて要請した。

そのうえで、ドゥルーズ派の権利尊重と保護、治安と安定の回復、国家機関の活性化、すべての国民の保護を、国家主権と法治の枠組みの中で進めていくと改めて強調した。

国防省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、2日間の戦闘で、30人以上が死亡、100人余りが負傷、複数の地区や町に被害が及んでいるとしたうえで、この衝突に伴う制度的空白が無秩序状況を悪化させ、事態の鎮静化や自制の努力を阻害したと現状を評価、国防省と内務省が部隊を展開させ、市民の安全を確保するとともに、迅速かつ断固としたかたちで衝突を終結させるために行動を開始したと発表した。

国防省はまた、フェイスブックなどを通じて、ハサン・アブドゥルガニー報道官(大佐)のビデオ声明を配信した。

声明のなかでアブドゥルガニー報道官は、武力衝突について「過去数ヵ月にわたってスワイダー県で続いてきた制度的・行政的な空白状態がもたらした直接的な結果であり、それが無秩序と治安崩壊への道を開いた」と説明した。

アブドゥルガニー報道官はまた、国防省と内務省が、地元有力者と連絡・調整して、衝突の鎮静化と治安の掌握のための緊急措置を講じ、同県へ軍および治安部隊の増派を行ったことを明らかにするとともに、違法な武装グループの攻撃で兵士18人が死亡、複数人が負傷したことを認めた。

内務省は、フェイスブックなどを通じて声明を出し、内務省と国防省の部隊の展開について、流血を止め、治安を確保し、安定を取り戻すという国家的任務の一環であると説明、その目的が治安の維持と民間人の保護に限定されており、いかなる勢力にも肩入れするものではないと強調した。

SANAによると、内務省のヌールッディーン・バーバー報道官は、武力衝突に遺憾の意を示したうえで、「国家が公式な機関を通じてスワイダー県に介入し、治安を回復することは避けられない決断である」と述べ、内務省と国防省の部隊が14日早朝にスワイダー県に入ったことを明らかにした。

SANAによると、ハムザ・ムスタファー情報大臣は、国防省と内務省部隊の介入について、「無秩序な武器の横行や無法集団の問題に対し、国家が考え得るすべての政治的・柔軟な解決策を試みた末の決断であった」と説明した。

SANAによると、地中海連合会合に出席するためにベルギーのブリュッセルを訪問中のアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、「我々は、アサド体制から引き継いだ混乱という負の遺産に今なお苦しんでいる」としたうえで、「シリア全土において無秩序な武器を制御し、治安と安定を回復し、すべての国民を保護するための取り組みを続けている」と説明した。

また、「尊敬すべきドゥルーズ派の市民たちは、新政府にとって責任をもって守るべき存在であり、その保護は国家の義務である。いかなる勢力もシリアの内政に干渉すべきではなく、シリアの主権を尊重しなければならない」と強調した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を出し、(内務省)総合治安機関、(シャーム解放)機構の侵攻と攻撃を非難、これらの組織を含むいかなる国内勢力の介入も拒否すると表明、即時かつ迅速な国際的保護を改めて要請した。

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部はまた、別の声明において、アフマド・シャルア移行期政権に対して即時停戦と尊厳ある解決を呼びかけるとともに、過激派、無秩序な勢力、または法律を逸脱する武装集団を受け入れないと改めて表明した。

一方、スワイダー24によると、尊厳の男たち運動が声明を出し、シャルア移行期政権のがダマスカス・スワイダー街道の治安維持を怠り、マスミヤ町の検問所一帯で繰り返されてきた民間人への犯罪行為を黙認してきたことが、衝突の原因だと非難、自衛を放棄できない原則、合法的かつ正当な権利だとしたうえで、土地と名誉を守るための総動員令を発出し、戦闘員を最前線に配置したと発表、平和的解決の追求は、弱さではなく強さの表れであるとしたうえで、即時戦闘停止を呼びかけた。

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SANAによると、レバノンの進歩社会主義党は、即時の沈静化を呼びかけるとともに、当事者が国際的な保護要請を行うことを拒否、安全と保護の責任は、唯一かつ排他的にシリア国家にあると強調した。

ワリード・ジュンブラート前党首もメディアに対して、政治的解決とシリア政府の主導によって、スワイダー県に再び安全と和解がもたらされることを望むと述べ、国際社会やイスラエルへの介入要請を拒否する姿勢を強調した。

SANAによると、トルコ外務省のオンジュ・クチャル報道官は、「シリアの主権と領土の一体性が優先されるべきである」としたうえで、国際社会の責任ある関係者と連携しつつ、シリアでの安定促進と合意形成に向けた努力を継続していく意向を表明した。

SANAによると、アナ・スノー英シリア担当特使は、Xを通じて事態への懸念を表明した。

SANAによると、イエメン外務省は、シリア政府による治安と安定の確保、武器の国家管理、そして国内各地における社会的平和の保護に向けた努力を全面的に支持すると表明した。

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